天下のアルト・サックス奏者(2000年3月21日、2003年7月18日、2010年12月1日、2012年3月3日、2013年9月3日、2014年11月6日、2015年10月19日)とトランぺッター/バンド・リーダーのエリック・ミヤシロ(2010年5月11日、2011年3月10日、2011年3月28日、2011年4月21日、2011年8月6日 、2014年9月7日、2015年9月27日、2016年1月7日、2017年7月28日、2017年11月8日)率いるビッグ・バンドがジョイントした公演。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。本来なら、中止になった今年のブルーノート・ジャズ・フェスティヴァルで披露されることになっていたプログラムだ。

 ジャズ・オーケストラの構成員は、サックス(曲調との相性で、皆フルートも吹いた)の鈴木明男と宮崎隆睦と小池修と庵原良司、バリトン・サックスの山本拓夫(音が効いていた)、トランペットのマイケル・ブックマンJr.と佐久間勲と川上鉄平と小澤篤土、トロンボーンの村田陽一(2005年1月7日、2006年1月21日、2010年3月9日、2011年12月20日、2012年9月8日、2014年12月14日、2015年9月27日、2016年12月11日)と中川英二郎と川原聖仁、ベース・トロンボーンの山城純子、キーボードの青柳誠、エレクトリック・ベースの納浩一、ドラムの川口千里、パーカッションの岡部洋一(2000年7月29日、2000年9月14日、2004年5月28日、2004年6月2~3日、2004年6月9日、2004年11月19日、2005年2月19日、2006年7月7日、2006年8月27日、2006年12月3日、2008年1月31日、2011年2月10日、2010年12月28日、2011年8月22日、2013年2月11日、2013年2月19日、2014年2月9日、2015年4月24日、2015年6月17日、2015年10月19日)という面々なり。

 1曲ウォーム・アップ的にサンボーン抜きでビッグ・バンドが軽快に演奏した後に、御大は登場。以後、ずっと日本人奏者たちと大々的に絡む。まずは、スティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)の「アナザー・スター」を演奏する。お、意外な選曲? 一部、オーケストラ員はリフレインを唱和。「マプート」とか「ラン・フォー・カヴァー」とか、近作でカヴァーしていたディアンジェロ(2015年8月18日)の「スパニッシュ・ジョイント」とか、以下はすべてサンボーン絡みの曲を披露。どの曲も彼は長めのソロを取り、他の2、3人にもソロ・パートが振られる。けっこう曲終盤は、彼と他の管奏者との掛け合いもあり。

 編曲は、それなりの工夫あり。サンボーンもソウルフルに歌うというよりはなにげにトリッキーなフレイズを繰り出したりしていて、ありきたりの“安全パイ”合奏から逃れんという意思も見え隠れしていたか。前半、サンボーンは横においていたコントローラーを少しいじる。音を拾っていたのは、朝顔につけたピックアップであったように思う。ここのところの彼の音色は少し金属的な響きを持つと感じていたが、それは自らそうしようという意思を持っていたのか?

▶過去の、デイヴィッド・サンボーン
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130903
http://43142.diarynote.jp/201411101737513509/
▶過去のエリック・ミヤシロ/ブルーノート東京・オールスターズ・ジャズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/?day=20100511
http://43142.diarynote.jp/?day=20110310
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110421
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/ ノー・ネーム・ホー^セズ
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
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http://43142.diarynote.jp/201708081429085086/ B.B.STATION
http://43142.diarynote.jp/201711091333526195/ マシュー・ハーバートツ・ビッグ・バンド
▶過去の、村田陽一
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060121
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http://43142.diarynote.jp/?day=20120908 ベン・E・キング
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http://43142.diarynote.jp/?day=20150927
http://43142.diarynote.jp/201612171245154424/
▶過去の、岡部洋一
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm 29日ROVO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040608
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▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
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http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/

<今日の、御大>
 そうとう、機嫌が良さそう。MCも饒舌ぎみであったかな。”近作『タイム・アンド・リヴァー』のジャケにでっかく載せている、川の漢字は縦棒3本でサンボーン”というお得意のおやじギャグも、オレって冴えてるだろと披露なさった。一時、ギル・エヴァンス・オーケストラに入っていたこともあるサンボーンだが、ジャズ側にいるホーン・プレイヤーとしては基本ジャズのビッグ・バンドとの関係は薄いプレイヤーであると言える。でも、彼は大きな器を従えた今回の演奏を心から楽しんでいたし、刺激もいろいろと受けていると見受けられた。そして、日本勢は……多くの奏者が青春期にサンボーンを思慕したであろうのは自明で、夢がかなったという心持ちをえた奏者も少なくなかったのではないか。
 明日から4日間は、まったく新しい陣容によるサンボーン・カルテットの公演となる。

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