笹久保伸(+ガブリエラ・ベルトラミノ、青木大輔)
2020年9月18日 音楽 秩父を活動拠点に置く偉才、笹久保伸(2013年8月29日、2014年5月24日、2014年12月12日、2017年2月4日、2018年6月3日、2019年11月24日)の公演を、代官山・晴れたら空に豆まいて で見る。
1部は、この初春にリリースした新作『PERSPECTIVISM』(CHICHIBU)収録曲を中心に披露するソロ演奏。そのオープナー、とっても迸り感が強くて唸る。その奥には、人前で演奏するのを持っていたという気持ちが透けて見えるとような。この後、彼は3カ所のツアーに出るという。1人で弾いているとは思えない、南米のフォークロアを基に情豊かに自在に広がるアコースティック・ギター演奏は本当に純度が高い。途中で、笹久保と仲のよい詩人の方に唐突に話を振り、即興で一緒にやる場面もあった。
2部には2人のゲストが入り、それぞれデュオでパフォーマンス。
まず、前半はアルゼンチン人シンガーのガブリエラ・ベルトラミノが出てくる。とても綺麗な人でうれしくなったが、彼女は米国を経て、この2月に東京にやってきて(ホテルで歌う仕事で来日したよう)、帰れなくなってしまいそのまま滞在しているという。5曲だったか、アルゼンチンの曲をはじめとするスペイン語の歌唱を堂々と聞かせる。喉力と表現力ある、いい歌い手。と思いつつ、いささか驚きもする。というのも、バンドキャンプで聞くことができる彼女の2013年作『Senses』はブエノスアイレス録音ながら、勘所を押さえた完全なアメリカ流儀のジャズ・ヴォーカル・アルバム。スタンダードを中心に彼女のオリジナルも3曲入っているが、そちらも英語で歌われるジャズ・チューンだ。それを聞くと、優秀なジャズ・シンガーであることが分かる。実際、今日のような歌は普段歌っていないそうで、見ていない感じだったが、歌詞カードも置いていた。
そのあとは、入れ替わって、サンポーニャの青木大輔とのデュオがなされる。2人は2歳違いらしいが、笹久保が13歳のころからよく知っていて、演奏し合う間柄であったそう。そのころ笹久保はギターだけでなく、笛などもやっていたそうな。群馬県人の青木はペルーから働きにきていた人からサンポーニャの手ほどきを受けたとのこと。サンポーニャというのは高地の楽器で風の音を出す楽器というような説明もされたが、とってもアグレッシヴな吹き方をする場合もあって、とっても表現の幅の広さを感じる演奏をする。アンコールは3人で、アルゼンチンの曲を披露した。その像、生理的にとっても聞き手を誘い、包む感じがあった。
▶過去の、笹久保伸
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201405271717357738/
http://43142.diarynote.jp/201412281015581474/
http://43142.diarynote.jp/201702081153548285/
http://43142.diarynote.jp/201710061415044353/
https://43142.diarynote.jp/201806051522321880/
https://43142.diarynote.jp/201911251210191459/
<今日の、久しぶり>
3月下旬にライヴが行われなくなる前に行った最後のハコが、晴れたら空に豆まいて だったんだよなあ。2020年3月16日、か。日経新聞夕刊にライヴ評を書きもしたが、ルイーザ・ソブラル+Saigenjiの、戒厳令(?)前という緊張感あるなかでの実演はやはり強く印象に残っている。その後、このヴェニューはクラウドファウンディングを開き、1300万円弱が集まったとのこと。出演者にせよお客にしろ、多くの人から愛される音楽バコの面目躍如だな。ライヴ・ハウスに光あれ、と思わずにはいられなかった。まだ、入場者数限定(配信あり)ではあるが。
ところで、英語も普通に話すベルトラミノ嬢は研究者だった父親が米国の大学に行ったため、子供のころ4年間アメリカ(ヴァージニア州って言っていたっけ?)に住んだことがるそう。2日前には小沼ようすけや沼澤尚ら(2020年7月9日)のJIROKICHIでの配信ライヴに加わり、その際は自分のオリジナルを歌ったとのこと。それらは英語ではなくスペイン語の曲だそうで、かつてのジャズ一辺倒の姿勢から変化が出ているのかもしれない。でも、本来出していた即興的な方向も出したのではないか。当面は東京にいるつもりのようで、また彼女の歌を聞いてみたいな。
▶︎直近の、小沼ようすけトリオ+沼澤尚
https://43142.diarynote.jp/202007101304204766/
1部は、この初春にリリースした新作『PERSPECTIVISM』(CHICHIBU)収録曲を中心に披露するソロ演奏。そのオープナー、とっても迸り感が強くて唸る。その奥には、人前で演奏するのを持っていたという気持ちが透けて見えるとような。この後、彼は3カ所のツアーに出るという。1人で弾いているとは思えない、南米のフォークロアを基に情豊かに自在に広がるアコースティック・ギター演奏は本当に純度が高い。途中で、笹久保と仲のよい詩人の方に唐突に話を振り、即興で一緒にやる場面もあった。
2部には2人のゲストが入り、それぞれデュオでパフォーマンス。
まず、前半はアルゼンチン人シンガーのガブリエラ・ベルトラミノが出てくる。とても綺麗な人でうれしくなったが、彼女は米国を経て、この2月に東京にやってきて(ホテルで歌う仕事で来日したよう)、帰れなくなってしまいそのまま滞在しているという。5曲だったか、アルゼンチンの曲をはじめとするスペイン語の歌唱を堂々と聞かせる。喉力と表現力ある、いい歌い手。と思いつつ、いささか驚きもする。というのも、バンドキャンプで聞くことができる彼女の2013年作『Senses』はブエノスアイレス録音ながら、勘所を押さえた完全なアメリカ流儀のジャズ・ヴォーカル・アルバム。スタンダードを中心に彼女のオリジナルも3曲入っているが、そちらも英語で歌われるジャズ・チューンだ。それを聞くと、優秀なジャズ・シンガーであることが分かる。実際、今日のような歌は普段歌っていないそうで、見ていない感じだったが、歌詞カードも置いていた。
そのあとは、入れ替わって、サンポーニャの青木大輔とのデュオがなされる。2人は2歳違いらしいが、笹久保が13歳のころからよく知っていて、演奏し合う間柄であったそう。そのころ笹久保はギターだけでなく、笛などもやっていたそうな。群馬県人の青木はペルーから働きにきていた人からサンポーニャの手ほどきを受けたとのこと。サンポーニャというのは高地の楽器で風の音を出す楽器というような説明もされたが、とってもアグレッシヴな吹き方をする場合もあって、とっても表現の幅の広さを感じる演奏をする。アンコールは3人で、アルゼンチンの曲を披露した。その像、生理的にとっても聞き手を誘い、包む感じがあった。
▶過去の、笹久保伸
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201405271717357738/
http://43142.diarynote.jp/201412281015581474/
http://43142.diarynote.jp/201702081153548285/
http://43142.diarynote.jp/201710061415044353/
https://43142.diarynote.jp/201806051522321880/
https://43142.diarynote.jp/201911251210191459/
<今日の、久しぶり>
3月下旬にライヴが行われなくなる前に行った最後のハコが、晴れたら空に豆まいて だったんだよなあ。2020年3月16日、か。日経新聞夕刊にライヴ評を書きもしたが、ルイーザ・ソブラル+Saigenjiの、戒厳令(?)前という緊張感あるなかでの実演はやはり強く印象に残っている。その後、このヴェニューはクラウドファウンディングを開き、1300万円弱が集まったとのこと。出演者にせよお客にしろ、多くの人から愛される音楽バコの面目躍如だな。ライヴ・ハウスに光あれ、と思わずにはいられなかった。まだ、入場者数限定(配信あり)ではあるが。
ところで、英語も普通に話すベルトラミノ嬢は研究者だった父親が米国の大学に行ったため、子供のころ4年間アメリカ(ヴァージニア州って言っていたっけ?)に住んだことがるそう。2日前には小沼ようすけや沼澤尚ら(2020年7月9日)のJIROKICHIでの配信ライヴに加わり、その際は自分のオリジナルを歌ったとのこと。それらは英語ではなくスペイン語の曲だそうで、かつてのジャズ一辺倒の姿勢から変化が出ているのかもしれない。でも、本来出していた即興的な方向も出したのではないか。当面は東京にいるつもりのようで、また彼女の歌を聞いてみたいな。
▶︎直近の、小沼ようすけトリオ+沼澤尚
https://43142.diarynote.jp/202007101304204766/