映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」。映画「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」
2020年8月19日 音楽 渋谷・映画美学校試写室で、2020年日本映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』を見る。岡崎京子の漫画を原作とし、瀬田なつきが監督する。10月から、ロードショー公開。
1988年、廃刊間際の平凡パンチに連載された作品だそうだが〜すみません。ぼくは岡崎の漫画を見たことがない〜、高校生男女を主役に置く映画だ。そこには、東京という街の、もう一つの寓話的な青春模様を描こうとしてるか。
舞台となるは、ウォーター・フロント側の集合住宅が並ぶ地域と下町の住宅地と、渋谷。昨年下半期に撮られたそうで、工事中の宮下公園や2020年東京オリンピックのロゴなども映される。つまりは、バブリー期に発表された漫画を今に置き換えているが、それが半端なような気がして、ぼくは少し戸惑った。
主人公と親友の間で小沢健二の『ライフ』のアナログを貸し借り(小沢の曲は劇中にも使われる。『ライフ』は1994年のリリース。ベティ・ライト〜2012年2月28日〜の「クリーン・アップ・ウーマン」のパクリ曲「ラヴリー」が入っているアルバムだ)したり、主人公が部屋でアナログをかけたりするシーンには? 別に音楽マニアという設定でもないしね。また、パルコを前にハルコという主人公が、その前で「私はパルコを全部、ハルコにかえるのが夢」みたいな台詞を言う場面があるが、西武/パルコがまさにイケイケだったあの頃なら生きる話だが、はたして今は……。あと、男性の主人公のほうはもう少しスケボーを練習してほしかった。
映像は、何気にアップ目を多様。音楽は最小限に使われ、ほんわかしたそれは相対性理論のドラマーの山口元輝(2017年10月7日)が作っている。最後の、東京の遠景映像のもと非主演者たちの会話が入るシーンはいいな。
▶︎過去の、ベティ・ライト
https://43142.diarynote.jp/201203061824335340/
https://43142.diarynote.jp/202005110748547114/ 訃報
▶︎過去の、山口元輝
https://43142.diarynote.jp/201710121659242506/
その後、映画をもう1本。ヒューマントラストシネマ渋谷で、公開中の2018年米国映画「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」を見る。
原題は、「The Death of Dick Long」。かつてぼくがかなり共感を持った2016年アメリカ映画の「スイス・アーミー・マン」(2017年7月10日)を監督したザ・ダニエルズの2分の1、ダニエル・シャイナートが監督する映画だ。これは、見たくなる。音楽も「スイス・アーミー・マン」と同じくジョージア州アトランタのロック・バンドであるマンチェスター・オーケストラのアンディ・ハルとロバート・マクダウェルが担当。今回の音楽はわりとロック・バンドの楽器を使うものが使われる。また、ブレンダ・リーなどのアリ曲もうまく米国の地方のもやもやした風景描写するために使用されている。
舞台は、米国の田舎都市。具体的なことは示されてないと思う。冒頭は主任公の30代の3人が組む、アマチュア・バンドの納屋だか牛舎だかでの練習風景。ちゃんと家庭を持っていたり、昼間は働いていたりするものの、DQNな面々であり、練習終了後に彼らは酒をあおり、?*+#%$!を楽しむことをしていた。だが、その晩はそのあまりに人に言えない行為で一人が瀕死の重症を負ってしまい、メンバーは怪我した仲間を病院の前に置き去りにする。そして、彼は死んでしまう。死因があまりにまずいのでそれをごまかそうとする二人とその周辺、犯人を追う二人の太っちょの女性警官らの動きを、ダークな色調のなか〜そこに妙な諧謔もはいっているか〜追っていく映画だ。
あっけあかんとしてて荒唐無稽な「スイス・アーミー・マン」と比すなら、しごく現実的なストーリー運びがなされているとも書けるが、映画を引っ張る死因があんまりなもので、その作りにはなるほどと頷かされよう。妙な筋を真面目に追っていくそれは、なんだかんだ力あり。この監督の作品は、今後も見ていきたいと思った。
▶︎過去の、「スイス・アーミー・マン」
https://43142.diarynote.jp/201707111737453393/
<今日の、渋谷>
炎天下のなか、出かける。バス停留所2つで220円は無駄だなあとは思うが、先日暑いなか歩いて携帯落としたりもしたので、逡巡はなし。1コめと2コ目の映画の間で食事をとりつつ、渋谷を横切る。その際、新しくなったパルコの横と宮下公園のガード下を通る。……いろいろと、感慨はわきますね。ヒューマントラストシネマ渋谷が入ったビル(映画館の階下には、ヤマハの音楽教室があった)からは要塞のように下からは見える新宮下公園上部がよく見えた。のんべえ横丁はその再開発に飲み込まれてしまったのだな。追記)いや、ちゃんとあるようだ。
1988年、廃刊間際の平凡パンチに連載された作品だそうだが〜すみません。ぼくは岡崎の漫画を見たことがない〜、高校生男女を主役に置く映画だ。そこには、東京という街の、もう一つの寓話的な青春模様を描こうとしてるか。
舞台となるは、ウォーター・フロント側の集合住宅が並ぶ地域と下町の住宅地と、渋谷。昨年下半期に撮られたそうで、工事中の宮下公園や2020年東京オリンピックのロゴなども映される。つまりは、バブリー期に発表された漫画を今に置き換えているが、それが半端なような気がして、ぼくは少し戸惑った。
主人公と親友の間で小沢健二の『ライフ』のアナログを貸し借り(小沢の曲は劇中にも使われる。『ライフ』は1994年のリリース。ベティ・ライト〜2012年2月28日〜の「クリーン・アップ・ウーマン」のパクリ曲「ラヴリー」が入っているアルバムだ)したり、主人公が部屋でアナログをかけたりするシーンには? 別に音楽マニアという設定でもないしね。また、パルコを前にハルコという主人公が、その前で「私はパルコを全部、ハルコにかえるのが夢」みたいな台詞を言う場面があるが、西武/パルコがまさにイケイケだったあの頃なら生きる話だが、はたして今は……。あと、男性の主人公のほうはもう少しスケボーを練習してほしかった。
映像は、何気にアップ目を多様。音楽は最小限に使われ、ほんわかしたそれは相対性理論のドラマーの山口元輝(2017年10月7日)が作っている。最後の、東京の遠景映像のもと非主演者たちの会話が入るシーンはいいな。
▶︎過去の、ベティ・ライト
https://43142.diarynote.jp/201203061824335340/
https://43142.diarynote.jp/202005110748547114/ 訃報
▶︎過去の、山口元輝
https://43142.diarynote.jp/201710121659242506/
その後、映画をもう1本。ヒューマントラストシネマ渋谷で、公開中の2018年米国映画「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」を見る。
原題は、「The Death of Dick Long」。かつてぼくがかなり共感を持った2016年アメリカ映画の「スイス・アーミー・マン」(2017年7月10日)を監督したザ・ダニエルズの2分の1、ダニエル・シャイナートが監督する映画だ。これは、見たくなる。音楽も「スイス・アーミー・マン」と同じくジョージア州アトランタのロック・バンドであるマンチェスター・オーケストラのアンディ・ハルとロバート・マクダウェルが担当。今回の音楽はわりとロック・バンドの楽器を使うものが使われる。また、ブレンダ・リーなどのアリ曲もうまく米国の地方のもやもやした風景描写するために使用されている。
舞台は、米国の田舎都市。具体的なことは示されてないと思う。冒頭は主任公の30代の3人が組む、アマチュア・バンドの納屋だか牛舎だかでの練習風景。ちゃんと家庭を持っていたり、昼間は働いていたりするものの、DQNな面々であり、練習終了後に彼らは酒をあおり、?*+#%$!を楽しむことをしていた。だが、その晩はそのあまりに人に言えない行為で一人が瀕死の重症を負ってしまい、メンバーは怪我した仲間を病院の前に置き去りにする。そして、彼は死んでしまう。死因があまりにまずいのでそれをごまかそうとする二人とその周辺、犯人を追う二人の太っちょの女性警官らの動きを、ダークな色調のなか〜そこに妙な諧謔もはいっているか〜追っていく映画だ。
あっけあかんとしてて荒唐無稽な「スイス・アーミー・マン」と比すなら、しごく現実的なストーリー運びがなされているとも書けるが、映画を引っ張る死因があんまりなもので、その作りにはなるほどと頷かされよう。妙な筋を真面目に追っていくそれは、なんだかんだ力あり。この監督の作品は、今後も見ていきたいと思った。
▶︎過去の、「スイス・アーミー・マン」
https://43142.diarynote.jp/201707111737453393/
<今日の、渋谷>
炎天下のなか、出かける。バス停留所2つで220円は無駄だなあとは思うが、先日暑いなか歩いて携帯落としたりもしたので、逡巡はなし。1コめと2コ目の映画の間で食事をとりつつ、渋谷を横切る。その際、新しくなったパルコの横と宮下公園のガード下を通る。……いろいろと、感慨はわきますね。ヒューマントラストシネマ渋谷が入ったビル(映画館の階下には、ヤマハの音楽教室があった)からは要塞のように下からは見える新宮下公園上部がよく見えた。のんべえ横丁はその再開発に飲み込まれてしまったのだな。追記)いや、ちゃんとあるようだ。