タランティーノの2019年長時間映画をやっと見る。渋谷・シネクイント。さすが公開されて2ヶ月たつため、会場は空いていた。なるほど、こんなん。おもしろい。傾向はぜんぜん違うけど昔のLAを扱ったデイミアン・チャゼル監督の映画「ラ・ラ・ランド」は駄作だったとも、改めて思わせられた。ほのぼのした終わり方にもおおいに拍手。
1969年のハリウッド/LAの人間模様を史実をうまく(いや、うますぎる)織り込んだ作品だが、メッセージ性を抱えず、クスクスさせるところを盛り込みながら、見せきるのは素晴らしい。あ、アメリカなんてクソだが、でもおもしろい。って、思いは投影されている? しかし、チャールズ・マンソン事件をああいう風に盛り込んでしまうとは。1969年って、タランティーノは小学校に入るかという時期だったが、そのころの記憶の断片をつないでいるところもあるのか。彼が南部からLAに引っ越したのは1971年だった。
しかし、マーティン・スコセッシのとっても完成度の高いわちゃくちゃ作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の怪演にも頷いたが、主演のレオナルド・ディカプリオはいい監督からの評価が高いんだな。音楽はカー・ラジオやレコード・プレイヤーから流れる音楽が主で、とうぜん当時のポップ・ソングが使われる。サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」やディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「ハッシュ」(ともに、1968年のヒット曲)、他。レトロな曲調のものがおおいのは、タランティーノの趣味? 自動車好きは、古い車群に目が釘付け?
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
その後は、音楽ライヴのお時間。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
現代音響ジャズの先駆者と間違いなく言える存在が、1990年代から独創的な活動を鋭意標榜したスウェーデンのピアノ・トリオであるE.S.T. (2003年6月17日、2007年1月13日)だった。彼らが解散したのは、ピアニストのエスビョルン・スヴェンソン(そのグループ名はエスビョルン・スヴェンソン・トリオの略で、当初はその名前で活動していた)が2008年6月14日に亡くなってしまったからだった。その後、残されたダブル・ベース奏者のダン・ベルグルンド とドラマーのマグヌス・オストロムはそれぞれにいろんな活動してきている(ともに、ACTからリーダー作を出してもいる)が、なんとノルウェーの電化ジャズの顔役であるピアノ/キーボード奏者のブッゲ・ヴェッセルトフト(2001年5月27日、2002年5月8日、2008年9月21日、2010年1月24日、2012年4月29日、2016年10月4日)とリムデンという名前のトリオを結成してしまうとは!
ふうむ、これは大ありだよなあ。実は、ベルグルンドとヴェッセルトフトはドイツのハウス系制作者のヘンリク・シュワルツと3人連名で2014年に『Trialogue』というアルバムをヴェッセルトフトが主宰するジャズランドから出していて、その助走はなくもなかったわけだが。ときにE.S.T.流れのものとしては、ダン・ベルグルンドとマグヌス・オストロムがとフィンランド人ピアニストのイーロ・ランタラ(トリオ・トウケアットの活動で知られる)を擁してE.S.T.曲をストックホルム・フィルハーモニック・オーケストラ付きで開いたアルバムを2016年に出しており、また2005年5月20日のロンドン公演が2枚組で2018年に蔵出しリリースされたりもしている。また、2012年にも昔の豪州録音のスタジオ作『301』が出されたこともあり、その存在を今も忘れていない人は少なくないと思われる。一方、ヴェッセルトフトはノルウェーの人気DJであるプリンス・トーマスとの双頭作やB4やR5やディランやバッハらの曲を扱うピアノ爪弾きカヴァー・アルバム『Everybody Loves Angels』(ACT,2017)を出している。
なんでも、3人はリムデンとして2017年からライヴを行ってきているというが、アルバム『リフレクションズ&オデッセイズ』(ジャズランド。日本のモークラウド盤はライヴのボーナス曲を収録)リリースを期に来日した。そしたら、なにげにアルバムとは別な行き方、この3人による“この晩、このとき”と言える演奏をきかせてくれて頷く。ゆえに、自在に流れていき、けっこうアブストラクトな面を出してもいた。ジャズはそうでなくっちゃ。セカンド・ショウはまた違ったものになったんじゃないか。ステージ背景には、デジタル感覚の強い鮮やかな映像が音楽に合わせて映されていた。
まず、印象に残ったのは、アルバムよりアコースティック感覚が強い方向性をとっていたこと。電気ピアノやシンセサイザーも場合によっては弾いたものの、ヴェッセルトフトはピアノを弾く時間が長く、またその演奏が耳を引いた。ほう、やっぱし確かぢゃん。過去の電気キーボードを弾く際の彼はハービー・ハンコック(2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日、2014年9月7日、2015年9月6日、2016年9月3日、2018年9月1日)趣味を出したりもするのだが、今回はそれもなし。また、E.S.T.時代には過剰にエフェクターをかけてギターみたいな音も出していたがダン・ベルグルンドであったが(リムデンのアルバムの曲でも1つ、そういうのあり)、それはなし。2曲ではかなり弓引きを聞かせ、終盤曲の和音を多用したソロは個性が横溢。そして、マグヌス・オストロムのドラミングだが、手数が多いことにおお。なるほど。かつのE.S.T.が持つロックっぽさは彼が担っていたところもあったのか。彼がMCも軽快に担った。
▶過去の、E.S.T.
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
https://43142.diarynote.jp/200806180852480000/ エスビョルン・スヴェンソンの逝去に触れた文章
▶︎過去の、ブッゲ・ベッセルトフト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200809231132339668/
http://43142.diarynote.jp/201001251710004302/
http://43142.diarynote.jp/201205080620235237/
https://43142.diarynote.jp/201610110957506440/
▶過去の、ハービー・ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160903
https://43142.diarynote.jp/201809051532324111/
<今日の、雲行き>
ライヴ会場を出ると、雨。出口にお持ち帰り傘が置かれていて、ありがたやー。そして、和食屋、焼き鳥ならぬ焼きジビエ屋をハシゴしたのだが、ともに外国人客がいる。とくに、人気店である前者は客の3分の2は外国人だった。値段安くはないのに、彼らポンポン頼んでいるなあ。まあ、日本は外食代は欧米と比して安価なのは間違いないけど。今度の連休も台風が来ると言われているが、観光客にとってみたら、それと合致したらサイアクだと、ふと思いは飛ぶ。そういえば、千葉に多大な被害をもたらし、成田空港を一時陸の孤島にした台風15号上陸から1ヶ月たった今も被害はいまだ身近なところでも目につく。うちのマンションの入り口の損傷を受けたドアはまだ交換されていなし(在庫がないのかな)、近所の高層ビルに入っているスーパーの側面ガラスにはいまだテープが無様にベカーっと貼られている。
1969年のハリウッド/LAの人間模様を史実をうまく(いや、うますぎる)織り込んだ作品だが、メッセージ性を抱えず、クスクスさせるところを盛り込みながら、見せきるのは素晴らしい。あ、アメリカなんてクソだが、でもおもしろい。って、思いは投影されている? しかし、チャールズ・マンソン事件をああいう風に盛り込んでしまうとは。1969年って、タランティーノは小学校に入るかという時期だったが、そのころの記憶の断片をつないでいるところもあるのか。彼が南部からLAに引っ越したのは1971年だった。
しかし、マーティン・スコセッシのとっても完成度の高いわちゃくちゃ作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の怪演にも頷いたが、主演のレオナルド・ディカプリオはいい監督からの評価が高いんだな。音楽はカー・ラジオやレコード・プレイヤーから流れる音楽が主で、とうぜん当時のポップ・ソングが使われる。サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」やディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「ハッシュ」(ともに、1968年のヒット曲)、他。レトロな曲調のものがおおいのは、タランティーノの趣味? 自動車好きは、古い車群に目が釘付け?
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
その後は、音楽ライヴのお時間。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
現代音響ジャズの先駆者と間違いなく言える存在が、1990年代から独創的な活動を鋭意標榜したスウェーデンのピアノ・トリオであるE.S.T. (2003年6月17日、2007年1月13日)だった。彼らが解散したのは、ピアニストのエスビョルン・スヴェンソン(そのグループ名はエスビョルン・スヴェンソン・トリオの略で、当初はその名前で活動していた)が2008年6月14日に亡くなってしまったからだった。その後、残されたダブル・ベース奏者のダン・ベルグルンド とドラマーのマグヌス・オストロムはそれぞれにいろんな活動してきている(ともに、ACTからリーダー作を出してもいる)が、なんとノルウェーの電化ジャズの顔役であるピアノ/キーボード奏者のブッゲ・ヴェッセルトフト(2001年5月27日、2002年5月8日、2008年9月21日、2010年1月24日、2012年4月29日、2016年10月4日)とリムデンという名前のトリオを結成してしまうとは!
ふうむ、これは大ありだよなあ。実は、ベルグルンドとヴェッセルトフトはドイツのハウス系制作者のヘンリク・シュワルツと3人連名で2014年に『Trialogue』というアルバムをヴェッセルトフトが主宰するジャズランドから出していて、その助走はなくもなかったわけだが。ときにE.S.T.流れのものとしては、ダン・ベルグルンドとマグヌス・オストロムがとフィンランド人ピアニストのイーロ・ランタラ(トリオ・トウケアットの活動で知られる)を擁してE.S.T.曲をストックホルム・フィルハーモニック・オーケストラ付きで開いたアルバムを2016年に出しており、また2005年5月20日のロンドン公演が2枚組で2018年に蔵出しリリースされたりもしている。また、2012年にも昔の豪州録音のスタジオ作『301』が出されたこともあり、その存在を今も忘れていない人は少なくないと思われる。一方、ヴェッセルトフトはノルウェーの人気DJであるプリンス・トーマスとの双頭作やB4やR5やディランやバッハらの曲を扱うピアノ爪弾きカヴァー・アルバム『Everybody Loves Angels』(ACT,2017)を出している。
なんでも、3人はリムデンとして2017年からライヴを行ってきているというが、アルバム『リフレクションズ&オデッセイズ』(ジャズランド。日本のモークラウド盤はライヴのボーナス曲を収録)リリースを期に来日した。そしたら、なにげにアルバムとは別な行き方、この3人による“この晩、このとき”と言える演奏をきかせてくれて頷く。ゆえに、自在に流れていき、けっこうアブストラクトな面を出してもいた。ジャズはそうでなくっちゃ。セカンド・ショウはまた違ったものになったんじゃないか。ステージ背景には、デジタル感覚の強い鮮やかな映像が音楽に合わせて映されていた。
まず、印象に残ったのは、アルバムよりアコースティック感覚が強い方向性をとっていたこと。電気ピアノやシンセサイザーも場合によっては弾いたものの、ヴェッセルトフトはピアノを弾く時間が長く、またその演奏が耳を引いた。ほう、やっぱし確かぢゃん。過去の電気キーボードを弾く際の彼はハービー・ハンコック(2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日、2014年9月7日、2015年9月6日、2016年9月3日、2018年9月1日)趣味を出したりもするのだが、今回はそれもなし。また、E.S.T.時代には過剰にエフェクターをかけてギターみたいな音も出していたがダン・ベルグルンドであったが(リムデンのアルバムの曲でも1つ、そういうのあり)、それはなし。2曲ではかなり弓引きを聞かせ、終盤曲の和音を多用したソロは個性が横溢。そして、マグヌス・オストロムのドラミングだが、手数が多いことにおお。なるほど。かつのE.S.T.が持つロックっぽさは彼が担っていたところもあったのか。彼がMCも軽快に担った。
▶過去の、E.S.T.
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
https://43142.diarynote.jp/200806180852480000/ エスビョルン・スヴェンソンの逝去に触れた文章
▶︎過去の、ブッゲ・ベッセルトフト
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▶過去の、ハービー・ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
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http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160903
https://43142.diarynote.jp/201809051532324111/
<今日の、雲行き>
ライヴ会場を出ると、雨。出口にお持ち帰り傘が置かれていて、ありがたやー。そして、和食屋、焼き鳥ならぬ焼きジビエ屋をハシゴしたのだが、ともに外国人客がいる。とくに、人気店である前者は客の3分の2は外国人だった。値段安くはないのに、彼らポンポン頼んでいるなあ。まあ、日本は外食代は欧米と比して安価なのは間違いないけど。今度の連休も台風が来ると言われているが、観光客にとってみたら、それと合致したらサイアクだと、ふと思いは飛ぶ。そういえば、千葉に多大な被害をもたらし、成田空港を一時陸の孤島にした台風15号上陸から1ヶ月たった今も被害はいまだ身近なところでも目につく。うちのマンションの入り口の損傷を受けたドアはまだ交換されていなし(在庫がないのかな)、近所の高層ビルに入っているスーパーの側面ガラスにはいまだテープが無様にベカーっと貼られている。