マーク・ジュリアナ・ビート・ミュージック。カーリン・アリソン
2019年7月24日 音楽 ドラマーのマーク・ジュリアナ(2006年5月17日、2015年3月13日、2016年1月4日、2017年2月2日、2017年9月20日、2018年5月16日)の、アルバムも出した新ユニットであるビート・ミュージックの公演。ファースト・ショウ。アルバムでは違う人もすこし絡んでいるが、あちらでもこの陣容でライヴをやっているようだ。内訳は、鍵盤のBIGYUKI(2016年11月20日、2019年1月19日)とニコラス・セムラッド(ヤマハ・エンドーサー。そのシンセで、クール&ザ・ギャングの1974 年名曲「サマーマッドネス」のシンセ音のようなものを出していてへえっ)、ベースのクリス・モリッシー(2017年9月20日、2018年5月16日)。
ジュリアナのドラム・キットは、皮もの5(スネア2、フロア・タム、胴の深いキック、電気パッド)、金もの3(ハイハット、かなり小さなシンバル、シンバル)。数としては多くない。おもしろいなと思ったのは、ハイハットは足でオープン/クローズすることに終始し、いわゆる手で叩いて出す通常のハイハット音のようなやつは小シンバルを叩くことで出すことも多かったこと。あと、キック・ドラム音はこういう電化傾向表現だとより強いものを出しており、それがジュリアナ演奏の肝だと思うところもあり。
メリアナなんかもやってきたジュリアナの、次のステージを出さんとする、電気キーボードを2台フィーチャーするバンド。マーク・ジュリアナ・カルテットではダブル・ベースを弾くモリッシーがここで4弦のエレクトリック・ベースをとても堅実に弾いていて何気に効いていた。そんな彼とジュリアナが形作る立ったビートの上を鍵盤音がしなやかに重なりまくるわけだが、その音や奏法の使いわけには大きく関心。BIGYUKIに確認したところ、ジュリアナが出した型のもと、けっこうセムラッドと時間をかけて重なりをつめているとのこと。あと、オープナーを始めレゲエ・ビートを採用したものも3曲。レゲエ好きなんだな。
ジュリアナは上下とも黄色のジャージ。他のメンバーはジュリアナと同じジャージのパンツと黒のTシャツで統一。学祭のバンドの発想みたいで微笑ましい。
▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
▶︎過去の、BIGYUKI
https://43142.diarynote.jp/201611211717002386/
https://43142.diarynote.jp/201901221615346185/
▶︎過去の、クリス・モリッシー
http://43142.diarynote.jp/201601050914043127/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
この後は、丸の内・コットンクラブで、米国重鎮女性ジャズ・シンガー(2008年3月8日)のショウを見る。久しぶりの、来日。デビュー後ずっとコンコード・ジャズ/コンコードに所属し、厚遇されてきた彼女だが、2013年以降は同社を離れて4枚のリーダー作を発表している。
ピアノと電気ピアノのマイロ・スプレイグ(マサチューセッツ出身、確かな指さばきを示すがまだ若くおぼっちゃま君風情)、ダブル・ベースのジョージ・コラー(カナダのトロント出身)、オハイオ州クリーブランド出身ドラマーのジェローム・ジェニングス(2016年9月7日)という面々がアタマで1曲演奏。ちゃんと精気あり、前回はドラムレスの陣容による実演だったので、うれしいぞと思うところもあり。その後、アリソンが出てきてリチャード・ロジャース曲などのスタンダード主体にて、悠々の白人ジャズ歌手王道のパフォーマンスを繰り広げる。例により、スキャットも自然体でかましますね。
聞いてしばらくして合点がいったのは、ちゃんとインタープレイしているトリオを彼女はきっちりと掌握している、彼らを束ねて自分の歌唱表現の流れをちゃんと作っているということ。途中にオリジナル曲披露のパートをもうけ、一つは途中から「ジ・イン・クラウド」に移行しても不思議はないぞと思わせるR&B臭も持つ曲であり、ラヴリーなメロディを持つ曲もあった。
そして、終盤3分の1は、中央に立って歌っていたアリソンがピアノに座り、スプレイグがステージ反対側に置かれていたフェンダー・ローズの前に座りそれらを演奏。彼女がピアノを弾きながら歌う曲は何気にブルージィだったり、オスカー・ブラウンJr.のブルース・コード進行曲だったり。なんか、無理なくいろんな側面を出しているという印象を受ける。まあ、それも確かな歌唱があってこそ成り立つものであるが。
実は、この晩はライヴをハシゴする予定はなかった。だが、ビルボードライブで会ったジュリアナ新作とアリソン近2作をリリースする(両者はNYのモテマから作品をリリースしている。トップが女性で、女性が多い会社なんだってね)日本発売元A&Rの誘いにのり予定変更、一緒にコットンクラブに回った。でも、そうしてよかった。
サポート陣は、ドラマーのみアフリカ系。そのなかなか格好いいジェローム・ジェニングスは先にクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日、2014年9月7日、2016年6月26日、20016年9月3日、2016年9月7日、2018年6月14日)のトリオでここに出演しているが、ジュリアード音楽院を出ている彼のリーダー作『The Beast』(Lola,2016。自作曲が多い。EPKは、https://www.youtube.com/watch?time_continue=152&v=AZP-nWOPsKA)は全曲クリスチャン・サンズ(2016年9月7日、2019年4月21日)とマクブライドが入り、3管もフィーチャーし1曲はシンガー入り。近く出る次作も1曲を除きマクブライドが入っているという。クリーブランド生まれだと思ってフォーリー(マイルス・デイヴィス/P-ファンク)のことを振ったら彼はコロンバスにずっと住んでいるんじゃないかなと言いつつ(後から調べたら、フォーリーはコロンバス生まれだった)、次々作はもっとファンキーになるよとのこと。好漢、ジェニングスはソニー・ロリンズ(2005年11月13日)表現にも絡んでいるが、先に彼のグループで叩いていたスティーヴ・ジョーダン(2005年11月13日、2006年11月20日、2006年12月22日、2010年10月26日)からはシンバルをもらったそう。
▶︎過去の、カーリン・アリソン
https://43142.diarynote.jp/200803111126390000/
▶︎過去の、ジェローム・ジェニングス
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
▶過去の、クリスチャン・マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201606281735457440/
https://43142.diarynote.jp/201806151747389966/
▶︎過去の、クリスチャン・サンズ
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
https://43142.diarynote.jp/201904220926288797/
▶過去の、ロニー・ロリンズ
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
▶過去の、スティーヴ・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061222
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/
<R.I.P.>
オルガン奏者のアート・ネヴィル(2004年9月18日、2009年7月25日、2014年1月17日、2015年5月10日)が逝去した。1937年12月17日〜2019年7月22日、NOLAに生まれ、NOLAに死す。ニューオーリンズ・ファンク愛好者にとっては、ボザノヴァにおけるジョアン・ジルベルト(2003年9月12日)のような人? すると、故アラン・トゥーサン(2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日))はトム・ジョビン? ボサよりファンクの方が好きなぼくにとっては、彼らブラジル偉人よりも大きな存在でした。
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
https://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
https://43142.diarynote.jp/201812220840383594/ 引退の報
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
https://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
▶過去の、ジョアン・ジルベルト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201906110953249486/ ジルベルトの存在をトリガーに置く映画。日本では、8月下旬から公開。
▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/
ジュリアナのドラム・キットは、皮もの5(スネア2、フロア・タム、胴の深いキック、電気パッド)、金もの3(ハイハット、かなり小さなシンバル、シンバル)。数としては多くない。おもしろいなと思ったのは、ハイハットは足でオープン/クローズすることに終始し、いわゆる手で叩いて出す通常のハイハット音のようなやつは小シンバルを叩くことで出すことも多かったこと。あと、キック・ドラム音はこういう電化傾向表現だとより強いものを出しており、それがジュリアナ演奏の肝だと思うところもあり。
メリアナなんかもやってきたジュリアナの、次のステージを出さんとする、電気キーボードを2台フィーチャーするバンド。マーク・ジュリアナ・カルテットではダブル・ベースを弾くモリッシーがここで4弦のエレクトリック・ベースをとても堅実に弾いていて何気に効いていた。そんな彼とジュリアナが形作る立ったビートの上を鍵盤音がしなやかに重なりまくるわけだが、その音や奏法の使いわけには大きく関心。BIGYUKIに確認したところ、ジュリアナが出した型のもと、けっこうセムラッドと時間をかけて重なりをつめているとのこと。あと、オープナーを始めレゲエ・ビートを採用したものも3曲。レゲエ好きなんだな。
ジュリアナは上下とも黄色のジャージ。他のメンバーはジュリアナと同じジャージのパンツと黒のTシャツで統一。学祭のバンドの発想みたいで微笑ましい。
▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
▶︎過去の、BIGYUKI
https://43142.diarynote.jp/201611211717002386/
https://43142.diarynote.jp/201901221615346185/
▶︎過去の、クリス・モリッシー
http://43142.diarynote.jp/201601050914043127/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
この後は、丸の内・コットンクラブで、米国重鎮女性ジャズ・シンガー(2008年3月8日)のショウを見る。久しぶりの、来日。デビュー後ずっとコンコード・ジャズ/コンコードに所属し、厚遇されてきた彼女だが、2013年以降は同社を離れて4枚のリーダー作を発表している。
ピアノと電気ピアノのマイロ・スプレイグ(マサチューセッツ出身、確かな指さばきを示すがまだ若くおぼっちゃま君風情)、ダブル・ベースのジョージ・コラー(カナダのトロント出身)、オハイオ州クリーブランド出身ドラマーのジェローム・ジェニングス(2016年9月7日)という面々がアタマで1曲演奏。ちゃんと精気あり、前回はドラムレスの陣容による実演だったので、うれしいぞと思うところもあり。その後、アリソンが出てきてリチャード・ロジャース曲などのスタンダード主体にて、悠々の白人ジャズ歌手王道のパフォーマンスを繰り広げる。例により、スキャットも自然体でかましますね。
聞いてしばらくして合点がいったのは、ちゃんとインタープレイしているトリオを彼女はきっちりと掌握している、彼らを束ねて自分の歌唱表現の流れをちゃんと作っているということ。途中にオリジナル曲披露のパートをもうけ、一つは途中から「ジ・イン・クラウド」に移行しても不思議はないぞと思わせるR&B臭も持つ曲であり、ラヴリーなメロディを持つ曲もあった。
そして、終盤3分の1は、中央に立って歌っていたアリソンがピアノに座り、スプレイグがステージ反対側に置かれていたフェンダー・ローズの前に座りそれらを演奏。彼女がピアノを弾きながら歌う曲は何気にブルージィだったり、オスカー・ブラウンJr.のブルース・コード進行曲だったり。なんか、無理なくいろんな側面を出しているという印象を受ける。まあ、それも確かな歌唱があってこそ成り立つものであるが。
実は、この晩はライヴをハシゴする予定はなかった。だが、ビルボードライブで会ったジュリアナ新作とアリソン近2作をリリースする(両者はNYのモテマから作品をリリースしている。トップが女性で、女性が多い会社なんだってね)日本発売元A&Rの誘いにのり予定変更、一緒にコットンクラブに回った。でも、そうしてよかった。
サポート陣は、ドラマーのみアフリカ系。そのなかなか格好いいジェローム・ジェニングスは先にクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日、2014年9月7日、2016年6月26日、20016年9月3日、2016年9月7日、2018年6月14日)のトリオでここに出演しているが、ジュリアード音楽院を出ている彼のリーダー作『The Beast』(Lola,2016。自作曲が多い。EPKは、https://www.youtube.com/watch?time_continue=152&v=AZP-nWOPsKA)は全曲クリスチャン・サンズ(2016年9月7日、2019年4月21日)とマクブライドが入り、3管もフィーチャーし1曲はシンガー入り。近く出る次作も1曲を除きマクブライドが入っているという。クリーブランド生まれだと思ってフォーリー(マイルス・デイヴィス/P-ファンク)のことを振ったら彼はコロンバスにずっと住んでいるんじゃないかなと言いつつ(後から調べたら、フォーリーはコロンバス生まれだった)、次々作はもっとファンキーになるよとのこと。好漢、ジェニングスはソニー・ロリンズ(2005年11月13日)表現にも絡んでいるが、先に彼のグループで叩いていたスティーヴ・ジョーダン(2005年11月13日、2006年11月20日、2006年12月22日、2010年10月26日)からはシンバルをもらったそう。
▶︎過去の、カーリン・アリソン
https://43142.diarynote.jp/200803111126390000/
▶︎過去の、ジェローム・ジェニングス
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
▶過去の、クリスチャン・マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
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http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201606281735457440/
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▶︎過去の、クリスチャン・サンズ
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
https://43142.diarynote.jp/201904220926288797/
▶過去の、ロニー・ロリンズ
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
▶過去の、スティーヴ・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061222
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/
<R.I.P.>
オルガン奏者のアート・ネヴィル(2004年9月18日、2009年7月25日、2014年1月17日、2015年5月10日)が逝去した。1937年12月17日〜2019年7月22日、NOLAに生まれ、NOLAに死す。ニューオーリンズ・ファンク愛好者にとっては、ボザノヴァにおけるジョアン・ジルベルト(2003年9月12日)のような人? すると、故アラン・トゥーサン(2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日))はトム・ジョビン? ボサよりファンクの方が好きなぼくにとっては、彼らブラジル偉人よりも大きな存在でした。
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
https://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
https://43142.diarynote.jp/201812220840383594/ 引退の報
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
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▶過去の、ジョアン・ジルベルト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201906110953249486/ ジルベルトの存在をトリガーに置く映画。日本では、8月下旬から公開。
▶過去の、アラン・トゥーサン
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http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
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http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
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http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/