9月下旬から持たれている、<30周年記念コンサートツアー2017 ~躍進~>ツアーの楽日。渋谷・Bunkamuraオーチャードホール。贅沢に10人もの外国人奏者を呼んでいて、昨日の項で触れているクリスティアン・ファイアド・エルナンデスもその中の一人だ。
1部はルイス・グレビッチ&トロエスマスがサポートし、彼らは全員ブエノスアイレス在住のミュージシャン。アレンジや曲提供も行い、彼女のブエノスアイレス録音にもいろいろと協力しているようなキーボードのルイス・グレビッチをリーダーとし、バンドネオンのダニエル・ゴメス、生と電気の両方を弾くギターのアフルティン・バルボ、電気ベースのオマール・ゴメス、ドラムのエルナンデスという面々。カノウプスを叩いていたエルナンデスは初めて冴木のツアー参加とのこと(知り合いの紹介なんだと、言っていた)だが、他の奏者は彼女の日本ツアーにも複数回付き合っているという。
一方、セカンド・セットは、パリ在住のアルゼンチン人ギタリストのアレハンドロ・シュワルツが率いるクインテットでこちらはパリとNYに住むミュージシャンが集まっているよう。フランス人バンドネオン奏者のジョン・バティスト・アンリ、アルゼンチン人ピアニストのティエゴ・オビア、ウクライナ人ヴァイオリン奏者のミハイル・クチュク、コロンビア人コントラバス奏者のマウリシオ・エンリケという布陣でこちらも冴木の内外の公演を過去手伝っているようだ。こちらの方が、タンゴ色の強い演奏をしたかな。エルナンデスとクチェクはそれぞれ、他セットのときも少し出てきて手伝っていた。
名前はなんとなく知ってはいたが、彼女がタンゴを歌うシンガーであるというのは、今回まで知らなかった。また、アルゼンチンのフォルクローレの大歌手であるメルセデス・ソウザとは一緒にレコードを作ったり、彼女のパリ公演にゲストに呼ばれたりと仲良くしていたようで、彼女の曲も歌った。
多くの曲は日本語歌詞によるもの。指先の伸ばし方にまで気を使った大仰にしてシアトリカルな動きや格好(全部で、5回衣装がえをした)、受け手の反応の様などから、宝塚など見たこともないがなんとなく宝塚出身なのかと思ったら、彼女は全然関係のないところから出てきて今の華々しい位置を獲得しているよう。へ〜え。昔、11PMに司会で出ていたことがあるとMCで、彼女は言った。また、1997年にはあのオルケスタ・デル・ソルのリード・シンガーをやっていたこともあったらしい。
歌は上手い。音程や声量も確かで、ある種のスタイリッシュさを振りまく。歌謡界/ザ・芸能界的MCは長い。だが、MC嫌いのぼくが過剰に嫌悪感を感じなかったのは、八代亜紀(2012年11月9日、2014年3月13日、2016年10月9日、2017年9月29日)のそれで免疫がついていたからであるのと、やはり初めて接するアナザー・ワールドの担い手で興味が持てたからだろう。後ろのヴィジョンには過去の公演の様も映し出され、何度もレコーディングをしているアルゼンチンはもちろん、他の海外大都市でもいろいろ公演を持っていて驚く。普通のポップ・ミュージックの世界であれだけ、外での活動実績を持っている人がどれだけいるのか。
しかし、デビュー30周年(それに合わせて、当然今回の来日メンバーたちと海外レコーディングをした2枚組アルバムを出したよう)ということで相当な年齢になっていると思われるが、容姿や体型はキープ。歌やその他の部分で、かなり鍛錬を積んでいるのは間違いない。その表現は “ジャパニーズ・ウェイ”を通ってのものだが、これでだけ突き抜けていると、海外の人だってなんだかすごいと思わせられちゃう? なんか、純真とか音楽愛もうまく出せちゃう感じもあるし、歌唱力はしっかりあるし。アンコールでは、サポート奏者全員が出てきて、伴奏をした。
▶︎過去の、八代亜紀
http://43142.diarynote.jp/201211170926496101/
http://43142.diarynote.jp/201403151023031434/
http://43142.diarynote.jp/201610141746599845/
http://43142.diarynote.jp/201710011917499392/
<今日の、追記>
実は、あまりに違う世界にいる人な感じがして、エルナンデスにはぼくから彼女のショウを見てみたいとは言えなかった。だが、彼の方から見てみないと誘ってきたので、快諾した次第。すんげえアウェイな感じだったらどうしようと危惧するところはあった。やはり、送り手と受け手の共通認識でがっちりスモール・ワールドが出来上がっていそうな公演は恐い(とはいえ、それはたとえば門外漢がジャズ・クラブに唐突に行っても同じだろうけど)。実際、そういう側面は強かったが、想像したほどではなかったし、好奇心の方が勝った。文字数の数の多い(写真の数もちろん多い)パンフレットを見たら、参加ミュージシャンを紹介するページをきっちり割いていて驚く。エルナンデスがウルグアイの音楽学校でクラシック・パーカッションをちゃんと習っているなんて、ぼくはそれを見て初めて知った。ライヴ中のミュージシャン紹介の場面でも、後ろのヴィジョンには名前と写真が映し出される。ちゃんとサポート奏者を大切にしているというのが分かるのは気分がいい。ところで、海外公演のさい、彼女は何語で歌うのだろう。
1部はルイス・グレビッチ&トロエスマスがサポートし、彼らは全員ブエノスアイレス在住のミュージシャン。アレンジや曲提供も行い、彼女のブエノスアイレス録音にもいろいろと協力しているようなキーボードのルイス・グレビッチをリーダーとし、バンドネオンのダニエル・ゴメス、生と電気の両方を弾くギターのアフルティン・バルボ、電気ベースのオマール・ゴメス、ドラムのエルナンデスという面々。カノウプスを叩いていたエルナンデスは初めて冴木のツアー参加とのこと(知り合いの紹介なんだと、言っていた)だが、他の奏者は彼女の日本ツアーにも複数回付き合っているという。
一方、セカンド・セットは、パリ在住のアルゼンチン人ギタリストのアレハンドロ・シュワルツが率いるクインテットでこちらはパリとNYに住むミュージシャンが集まっているよう。フランス人バンドネオン奏者のジョン・バティスト・アンリ、アルゼンチン人ピアニストのティエゴ・オビア、ウクライナ人ヴァイオリン奏者のミハイル・クチュク、コロンビア人コントラバス奏者のマウリシオ・エンリケという布陣でこちらも冴木の内外の公演を過去手伝っているようだ。こちらの方が、タンゴ色の強い演奏をしたかな。エルナンデスとクチェクはそれぞれ、他セットのときも少し出てきて手伝っていた。
名前はなんとなく知ってはいたが、彼女がタンゴを歌うシンガーであるというのは、今回まで知らなかった。また、アルゼンチンのフォルクローレの大歌手であるメルセデス・ソウザとは一緒にレコードを作ったり、彼女のパリ公演にゲストに呼ばれたりと仲良くしていたようで、彼女の曲も歌った。
多くの曲は日本語歌詞によるもの。指先の伸ばし方にまで気を使った大仰にしてシアトリカルな動きや格好(全部で、5回衣装がえをした)、受け手の反応の様などから、宝塚など見たこともないがなんとなく宝塚出身なのかと思ったら、彼女は全然関係のないところから出てきて今の華々しい位置を獲得しているよう。へ〜え。昔、11PMに司会で出ていたことがあるとMCで、彼女は言った。また、1997年にはあのオルケスタ・デル・ソルのリード・シンガーをやっていたこともあったらしい。
歌は上手い。音程や声量も確かで、ある種のスタイリッシュさを振りまく。歌謡界/ザ・芸能界的MCは長い。だが、MC嫌いのぼくが過剰に嫌悪感を感じなかったのは、八代亜紀(2012年11月9日、2014年3月13日、2016年10月9日、2017年9月29日)のそれで免疫がついていたからであるのと、やはり初めて接するアナザー・ワールドの担い手で興味が持てたからだろう。後ろのヴィジョンには過去の公演の様も映し出され、何度もレコーディングをしているアルゼンチンはもちろん、他の海外大都市でもいろいろ公演を持っていて驚く。普通のポップ・ミュージックの世界であれだけ、外での活動実績を持っている人がどれだけいるのか。
しかし、デビュー30周年(それに合わせて、当然今回の来日メンバーたちと海外レコーディングをした2枚組アルバムを出したよう)ということで相当な年齢になっていると思われるが、容姿や体型はキープ。歌やその他の部分で、かなり鍛錬を積んでいるのは間違いない。その表現は “ジャパニーズ・ウェイ”を通ってのものだが、これでだけ突き抜けていると、海外の人だってなんだかすごいと思わせられちゃう? なんか、純真とか音楽愛もうまく出せちゃう感じもあるし、歌唱力はしっかりあるし。アンコールでは、サポート奏者全員が出てきて、伴奏をした。
▶︎過去の、八代亜紀
http://43142.diarynote.jp/201211170926496101/
http://43142.diarynote.jp/201403151023031434/
http://43142.diarynote.jp/201610141746599845/
http://43142.diarynote.jp/201710011917499392/
<今日の、追記>
実は、あまりに違う世界にいる人な感じがして、エルナンデスにはぼくから彼女のショウを見てみたいとは言えなかった。だが、彼の方から見てみないと誘ってきたので、快諾した次第。すんげえアウェイな感じだったらどうしようと危惧するところはあった。やはり、送り手と受け手の共通認識でがっちりスモール・ワールドが出来上がっていそうな公演は恐い(とはいえ、それはたとえば門外漢がジャズ・クラブに唐突に行っても同じだろうけど)。実際、そういう側面は強かったが、想像したほどではなかったし、好奇心の方が勝った。文字数の数の多い(写真の数もちろん多い)パンフレットを見たら、参加ミュージシャンを紹介するページをきっちり割いていて驚く。エルナンデスがウルグアイの音楽学校でクラシック・パーカッションをちゃんと習っているなんて、ぼくはそれを見て初めて知った。ライヴ中のミュージシャン紹介の場面でも、後ろのヴィジョンには名前と写真が映し出される。ちゃんとサポート奏者を大切にしているというのが分かるのは気分がいい。ところで、海外公演のさい、彼女は何語で歌うのだろう。