南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。ステージ上にはピアノとときにテナー・サックスを吹くリーダーのゴードン・グッドウィン率いる,17人のビッグ・バンド。ずらり、壮観。で、管楽器群の出音のデカいこと(この前のマット・ダスク:2007年12月27日:のときの倍近くあったんでは……)。歯切れもすごい。実はグッドウィンはかなりショーマンシップに則ったMCや客扱いをする人物であり、曲調やリズムもときに客に媚びようとする方向性を取ったりするが、管楽器セクションは実に確か。1曲目でソロ・パートを与えられたエリック・マリエンサル(アルト)やアンディ・マーティン(トロンボーン)をはじめ、リーダー作をそこそこ持つ腕利きが何人もいるのではないかな。ちゃらすぎる嫌いはあったが、認めるべき実力派の娯楽ビッグ・バンドと思う。
途中から、主役なはずのオースティンが登場。フュージョン・ヴォーカルの人気者だった彼女は何度も来日しているはずだが、ぼくは初めて見る。近年は“私はジャズ・ヴォーカリスト”なのという姿勢を全面に出したビッグ・バンドを従えたアルバムを出している。その新作はガーシュイン曲にのぞんだアルバムだったが、この日もガーシュイン曲ばかり歌ったのかな。って、そのアルバムの解説はオレが書いてるのになんと無責任な。
音の馬鹿デカいビッグ・バンド音にのって、ぜんぜん負けずに歌うオースティンは実に立派。スキャットをかますときも、けっこうマイクと口を離していたりして。おばさん、アンタすごいワ。生理としての自負、みなぎる。ジャズ歌手の看板掲げてもなんの問題もなし。人海戦術の大音量に対峙/融和する一人肉声の尊さを肌で感じたりました。
途中から、主役なはずのオースティンが登場。フュージョン・ヴォーカルの人気者だった彼女は何度も来日しているはずだが、ぼくは初めて見る。近年は“私はジャズ・ヴォーカリスト”なのという姿勢を全面に出したビッグ・バンドを従えたアルバムを出している。その新作はガーシュイン曲にのぞんだアルバムだったが、この日もガーシュイン曲ばかり歌ったのかな。って、そのアルバムの解説はオレが書いてるのになんと無責任な。
音の馬鹿デカいビッグ・バンド音にのって、ぜんぜん負けずに歌うオースティンは実に立派。スキャットをかますときも、けっこうマイクと口を離していたりして。おばさん、アンタすごいワ。生理としての自負、みなぎる。ジャズ歌手の看板掲げてもなんの問題もなし。人海戦術の大音量に対峙/融和する一人肉声の尊さを肌で感じたりました。
スプーン、ヴィア・オーディオ
2008年2月6日 代官山・ユニット。スプーンはテキサス州オースティン拠点のけっこうなキャリアを持つビート・ロック・バンドだが、今回が初来日であるという。客のアメリカ人比率多し。その前座で、スプーンのドラマーが新作制作に絡んだ、現在NYをベースとするヴィア・オーディオが登場。キーボードやギターも手にする女性が歌う曲が多いが、男性ギタリストが歌うものも。それ、トーキング・ヘッズ風だった。ニュー・ウェイヴ的語彙をいろいろ用いて、いろんな曲調をやるバンド。過剰にいい印象は何も残らなかったが、一生懸命やっているのには好感を持つ。そういえば、ギタリスト君は日本で作ったと前置きして、「ぼくたちのアルバムが2月20日に発売になりまーす」なんて断片をギターをつま弾きながら日本語で歌ったりも。
休憩時にジェイムズ・ブラウンなんかも流れる。ベース・ラインがぐりぐり聞こえ、グルーヴたっぷり。やっぱ、ええわあ。こんなの登場前に聞いちゃって次の演奏が貧弱に聞こえないかと心配になったが、出てきたスプーンのパフォーマンスは見事だった。別にグルーヴィではないが、各人の技量が確かなうえにかみ合わせがすごくいい。だからとっても密度の濃い演奏となって、聞き手の耳に届く。楽曲のほうもポップなフックを持っていて、耳にひっかかる。総じては、<過剰にひねくれた曲調の楽曲をやらない、もっと剛性感の高いスクイーズ>といった感じ。そういう意味では、彼らは少しブリティッシュな持ち味も持っているのかな。不満を言えば、ときに過大なエコーをサウンドに噛ますこと。それ、子供っぽく感じた。なお、ベーシストはザ・ゲット・アップ・キッズ(2000年2月28日)のメンバーであるとか。
ところで、過去に2、3回ぐらいは書いていると思うが、”親指シフター”であるぼくはワープロで原稿を打って、その後にPCに取り込んでメール送稿している。だから、ワード系のソフトも入れてなかったが、個人的マック・サポート・サーヴィス(PCに強い知人、のことネ)のおかげでPCでも原稿がなんとなく打てる体制になった(PC自体は15年強前に導入して、複数換えているのにネ)。で、これはPC上で打っているのだが、びっくり。誤字/脱字してると、すぐに注意を喚起するサインが出るのだな。さあ、サトーの原稿から誤字・脱字がなくなるか。
休憩時にジェイムズ・ブラウンなんかも流れる。ベース・ラインがぐりぐり聞こえ、グルーヴたっぷり。やっぱ、ええわあ。こんなの登場前に聞いちゃって次の演奏が貧弱に聞こえないかと心配になったが、出てきたスプーンのパフォーマンスは見事だった。別にグルーヴィではないが、各人の技量が確かなうえにかみ合わせがすごくいい。だからとっても密度の濃い演奏となって、聞き手の耳に届く。楽曲のほうもポップなフックを持っていて、耳にひっかかる。総じては、<過剰にひねくれた曲調の楽曲をやらない、もっと剛性感の高いスクイーズ>といった感じ。そういう意味では、彼らは少しブリティッシュな持ち味も持っているのかな。不満を言えば、ときに過大なエコーをサウンドに噛ますこと。それ、子供っぽく感じた。なお、ベーシストはザ・ゲット・アップ・キッズ(2000年2月28日)のメンバーであるとか。
ところで、過去に2、3回ぐらいは書いていると思うが、”親指シフター”であるぼくはワープロで原稿を打って、その後にPCに取り込んでメール送稿している。だから、ワード系のソフトも入れてなかったが、個人的マック・サポート・サーヴィス(PCに強い知人、のことネ)のおかげでPCでも原稿がなんとなく打てる体制になった(PC自体は15年強前に導入して、複数換えているのにネ)。で、これはPC上で打っているのだが、びっくり。誤字/脱字してると、すぐに注意を喚起するサインが出るのだな。さあ、サトーの原稿から誤字・脱字がなくなるか。
セルジオ・メンデス
2008年2月7日 ウィル・アイ・アム(2001年2月7日、2004年2月11日、2007年8月8日)とのコラボレーションで見事にフロントラインに飛び出した(って書き方は、永遠の混合洗練ポッパーにはとても失礼になるかな)LA在住のブラジル人キーボード奏者/バンド・リーダー(2003年9月2日、2005年8月9日、2006年9月29日)のライヴを南青山・ブルーノート東京で見る(セカンド・ショウ)。その『タイムレス』の大ヒットを受けて前回の東京公演は国際フォーラムAやスタジオコーストなど大箱だったわけで、会場はもちろんフルハウス。
ラッパーなどを含む編成などはほぼ、その前回公演と同じ。近く出る同系新作に入っているハイパー・ヴァージョンのジョビン曲「三月の雨」などもやる。なんにせよ、メンデスはヴォーカル担当の奥さんともどもますます元気になっていると痛感。意気揚々。その新作もそうだが、エレピがよく聞こえるし、ステージではもっとうれしそうに歌をうたうようになったような。なお、今年は新作をフォロウするワールド・ツアーを大々的にやるはずで、それはまた大きな会場でするもののようだ。
ところで。うわわあ。ショウが終わり、ブルーノートの前の道を横切ろうと駆け出そうとしたとき、左足のふくろはぎに閃光がはしる。エっ。結論から言えば、肉離れ。なさけねえ。すぐにまっとうに歩けないことが判明。タクシーにて帰宅。なんと、かかとをつけて歩くことが出来ない。呆然、ぎっくり腰だって、経験したことがないのに。老いをおおいに感じる。運動不足、マジやべえ。翌日、銀座で御大を取材、ちゃんと歩けないが、クラッチを踏むのには問題ない。車を運転できてよかった。インタヴューの場所のホテル西洋は高級ホテルの矜持ゆえに、駐車場代をとらない。素晴らしい。
このホテルにくるのは、だいぶ前のクインシー・ジョーンズの取材時いらい。あまり、外タレは泊まらない所だな。最初に行ったのは、知人が結婚披露宴をやったとき。その際、新郎から世話になってる人に来てもらってご飯でも食べようと思うので(実際、世話したしな)……という電話をもらって軽い会合の気分で行ったら、マジなやつでギョギョギョ。もちろん、ちゃんとジャケットとかは着ていったけどノーネクタイだったし、会費制かと思ってご祝儀袋だって用意していなかった。祝儀受け付けがあるのを見て身が凍ったな。あ外しちゃったナと受け付けのおねーさんたちに照れ笑いとともに一言残し、そこをスルー。コノヤロー、何デチャント案内状ヲ送ラナカッタンダ……。ソウジャナイト、チャントシタ披露宴ダトハ思ワナイジャナイカ。でも、突っ張ったぼくは冷静を装い、クラクラしながらただ飯を食いました。考えてみれば、ぼくが出たなかであれが一番ハイソな結婚披露宴だったのかな。あー、シビレちゃう昔話。若い子には旅をさせろ……、ではないが小僧の時分だったからなんとか行けた話。今はもうそんなの無理。いや、場数踏んだぶん、もっと適切な打開策を思いつくだろうか。
話は飛んだが、肉離れで歩行困難気味、とうぶん移動など難儀しそう。全治2週間、時間が解決する。ということだが、当分ライヴ享受/遊びには影響を及ぼしそうだな。ぐすん。
ラッパーなどを含む編成などはほぼ、その前回公演と同じ。近く出る同系新作に入っているハイパー・ヴァージョンのジョビン曲「三月の雨」などもやる。なんにせよ、メンデスはヴォーカル担当の奥さんともどもますます元気になっていると痛感。意気揚々。その新作もそうだが、エレピがよく聞こえるし、ステージではもっとうれしそうに歌をうたうようになったような。なお、今年は新作をフォロウするワールド・ツアーを大々的にやるはずで、それはまた大きな会場でするもののようだ。
ところで。うわわあ。ショウが終わり、ブルーノートの前の道を横切ろうと駆け出そうとしたとき、左足のふくろはぎに閃光がはしる。エっ。結論から言えば、肉離れ。なさけねえ。すぐにまっとうに歩けないことが判明。タクシーにて帰宅。なんと、かかとをつけて歩くことが出来ない。呆然、ぎっくり腰だって、経験したことがないのに。老いをおおいに感じる。運動不足、マジやべえ。翌日、銀座で御大を取材、ちゃんと歩けないが、クラッチを踏むのには問題ない。車を運転できてよかった。インタヴューの場所のホテル西洋は高級ホテルの矜持ゆえに、駐車場代をとらない。素晴らしい。
このホテルにくるのは、だいぶ前のクインシー・ジョーンズの取材時いらい。あまり、外タレは泊まらない所だな。最初に行ったのは、知人が結婚披露宴をやったとき。その際、新郎から世話になってる人に来てもらってご飯でも食べようと思うので(実際、世話したしな)……という電話をもらって軽い会合の気分で行ったら、マジなやつでギョギョギョ。もちろん、ちゃんとジャケットとかは着ていったけどノーネクタイだったし、会費制かと思ってご祝儀袋だって用意していなかった。祝儀受け付けがあるのを見て身が凍ったな。あ外しちゃったナと受け付けのおねーさんたちに照れ笑いとともに一言残し、そこをスルー。コノヤロー、何デチャント案内状ヲ送ラナカッタンダ……。ソウジャナイト、チャントシタ披露宴ダトハ思ワナイジャナイカ。でも、突っ張ったぼくは冷静を装い、クラクラしながらただ飯を食いました。考えてみれば、ぼくが出たなかであれが一番ハイソな結婚披露宴だったのかな。あー、シビレちゃう昔話。若い子には旅をさせろ……、ではないが小僧の時分だったからなんとか行けた話。今はもうそんなの無理。いや、場数踏んだぶん、もっと適切な打開策を思いつくだろうか。
話は飛んだが、肉離れで歩行困難気味、とうぶん移動など難儀しそう。全治2週間、時間が解決する。ということだが、当分ライヴ享受/遊びには影響を及ぼしそうだな。ぐすん。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
2008年2月9日 普段のフツーがいかに幸せであるかを.痛感してマス。これも行くのをパスしたほうがいいかと少し思ったが、車は運転できるし、同乗者が二人いるので最悪そいつらに負担をかければいいだろうと、湾岸を飛ばす。LA4人組の再結成ライヴ。前回(2000年6月24日)の来日公演と同じく幕張メッセ。新作もいっさい出さず、メッセ2回とはすごい。やっぱ、時代の音だったんだろうな。とともに、派生バンドのオーディオスレイヴ(2006年7月10日の項、参照)はそこまでの支持は得られなかったわけで、それが示唆するのは不参加のフロントマン/意見表出者のザック・デ・ラ・ロッチャ支持者が多いということだろうか。いや、やっぱり4人の重なりのマジックや90年代中期に青筋立ててつっぱった事に対する“正の何か”がそこにはあったんだと思う。
4人がかっちり噛み合っての、肉弾戦。そう言いたくなる実演。迫力あり、噴出感もたっぷり。内実あり。DJのスクラッチ音をもしたトム・モレロのギター、懐かしい。ファンク・メタル調サウンドに乗る扇情ヴォイスにゃやはり鼓舞される。既知感もプラスの方向に働く。あの時代、この音と出会えてよかったみたいな。ということは、彼らは新しい、今ならではの何かは出していなかったというふうにも言えるのか。でも、単なる再演でもうれしいと思えた人は多かったはず。パフォーマンス時間は1時間20分ぐらい? 左足に負担をかけないように会場横の壁にもたれかかりながら聞いていたぼくにとって、それはありがたかったかも。
帰り道、首都高に入るあたりから雨が雪にかわり、かなりごんごん降ってくる。渋谷に近づこうという頃にはちょい危険を覚えるほど。演奏時間が長くなくて良かった、とそのときマジ思いました。
4人がかっちり噛み合っての、肉弾戦。そう言いたくなる実演。迫力あり、噴出感もたっぷり。内実あり。DJのスクラッチ音をもしたトム・モレロのギター、懐かしい。ファンク・メタル調サウンドに乗る扇情ヴォイスにゃやはり鼓舞される。既知感もプラスの方向に働く。あの時代、この音と出会えてよかったみたいな。ということは、彼らは新しい、今ならではの何かは出していなかったというふうにも言えるのか。でも、単なる再演でもうれしいと思えた人は多かったはず。パフォーマンス時間は1時間20分ぐらい? 左足に負担をかけないように会場横の壁にもたれかかりながら聞いていたぼくにとって、それはありがたかったかも。
帰り道、首都高に入るあたりから雨が雪にかわり、かなりごんごん降ってくる。渋谷に近づこうという頃にはちょい危険を覚えるほど。演奏時間が長くなくて良かった、とそのときマジ思いました。
メイ
2008年2月15日 渋谷・O-イースト。まあ今時の、米国ヴァージニア州出身のロック・バンド。へえ、カレッジ・バンドっぽい風情を持つバンドだな。なんか、みんなジェシー・ハリス(2006年4月22日。2007年3月11日)みたいな感じの人たちなんだよお。で、そこそこメロディアスで、そこそこ奥行きのあるギター・ロックを披露する。キーボード奏者もメンバーに擁するバンドだが、その音はあんまり聞こえない。肉離れ(一切、なんのケアもしていないが、日々すこしづつ直ってきているのが分かるのはうれしい)とともに今週は扁桃腺も腫れちゃって、車で二度すこし外出した以外はひきこもり。お酒もぜんぜん飲んでいない。音楽の感興とは別に、なんか久しぶりに(といっても、1週間しかあいてないわけだが)、音とともに身体を揺らしながらお酒をの飲めてウレシー、と感じてしまったぼく。で、そのあと一つ回ろうとおもっていたのが、やっぱし喉が痛かったりして(歩行も不完全だし)、素直に帰宅。早く、春よこ〜い。
恒松正敏グループ
2008年2月18日 元フリクション、E.D.P.Sのギタリスト/シンガーの新作リリースをフォロウする公演。一番最初に出てきた、CD-Rと名のる青年(機材でビート音を出し、声を上げたり、痙攣するように踊ったり)は息子さんだとか。さらに、二組のサポート・アクトを経て、真打ちがでてくるが、そのころにはけっこう酔っぱらってしまったな。
実力者&強面のリズム隊を従えて、無理なく走る。かつての真性ニューウェイヴも見事にオールドウェイヴ。というか、齢を重ねるとともに、より味を伴う、普遍的なロックを求めるようになってきているということか。途中、男女のシンガー、二人の管楽器、キーボード、ヴァイオリン(勝井祐二。2008年1月30日、他)らが加わったりも。渋谷・クラブクアトロ。
実力者&強面のリズム隊を従えて、無理なく走る。かつての真性ニューウェイヴも見事にオールドウェイヴ。というか、齢を重ねるとともに、より味を伴う、普遍的なロックを求めるようになってきているということか。途中、男女のシンガー、二人の管楽器、キーボード、ヴァイオリン(勝井祐二。2008年1月30日、他)らが加わったりも。渋谷・クラブクアトロ。
ザ・バッド・プラス
2008年2月20日 変調白人ジャズ・ピアノ・トリオとして、ちゃんと居場所をものにしている(来月はNYのブルーノートで6日間も連続でやったり。一方では、ウィルコの前座をやりもしてる)三人組(2003年8月1、2日。2004年5月13日、2005年8月29日)、南青山・ブルーノート東京(ファースト)。不可解な襞を重ねつつ、一方ではそれを笑い飛ばして行くようなガハハなのり(その多くは、ドラマーのデイヴィッド・キングの奏法やキャラに負っている)の噛み合いが生むもう一つの感興やストーリー性が売りと言えるか。そして、とらえどころのないオリジナル曲に混ざって披露される有名ポップ曲の大胆な解体/再構築もそういうポイントにぴったり嵌まるわけだ。この晩はちょっと静的に流れていく感じの曲を多めにやったのかな。いまいち行きそうで行けないと感じさせられる局面もあり、でもそれはある意味、過去よりジャズ濃度の高い行き方を取っていたと理解することができるかも。
そんな彼らの一番新しいアルバム『プログ』はプログレッシヴ・ロックをもじったプログレッシヴ・ジャズの略だそう。同作はAC/CDやアスワドらの制作で知られる英国人トニー・プラットを米国に呼んで、ニルヴァーナが『イン・ユーテロ』を録ったウィスコンシン州のスタジオでレコーディングされている。また、この4月には同じスタジオに、次作用録音で入ることになっている。ところで、変人っぽくもいい奴らがそろうザ・バッド・プラスの面々だが、マネイジャー君もある意味、キャラあり。よろしくおねがいします、と片言の日本語で、英語とともに片仮名で名前も印刷されている名刺をへこへこしながら、渡してきた。偉そうなヤな奴もいるが、たまにこういうタイプのマネイジャーもいるんだよな。でも、彼は飛び抜けて愛想良く、なんかかいがいしい。でも、それもザ・バッド・プラスらしいと思ったかも。この後、彼らは夏のオセアニアに向かう。
そんな彼らの一番新しいアルバム『プログ』はプログレッシヴ・ロックをもじったプログレッシヴ・ジャズの略だそう。同作はAC/CDやアスワドらの制作で知られる英国人トニー・プラットを米国に呼んで、ニルヴァーナが『イン・ユーテロ』を録ったウィスコンシン州のスタジオでレコーディングされている。また、この4月には同じスタジオに、次作用録音で入ることになっている。ところで、変人っぽくもいい奴らがそろうザ・バッド・プラスの面々だが、マネイジャー君もある意味、キャラあり。よろしくおねがいします、と片言の日本語で、英語とともに片仮名で名前も印刷されている名刺をへこへこしながら、渡してきた。偉そうなヤな奴もいるが、たまにこういうタイプのマネイジャーもいるんだよな。でも、彼は飛び抜けて愛想良く、なんかかいがいしい。でも、それもザ・バッド・プラスらしいと思ったかも。この後、彼らは夏のオセアニアに向かう。
ビョーク
2008年2月22日 日本武道館。九段下駅の最寄りの出口につながる地下階段部から大渋滞。うひょー。普段、武道館は車で行く(それは、会場周辺にいるダフ屋の無礼きわまりない汚いセールス文句を聞きたくないから、というのは大きい。あそこのギワクの駐車場;1999年4月24日参照;からだと、あの手の人たちに会うことなく会場入りできる)のでイマイチ最近の状況について不明なのだが、こんなに混むのか。まあ、イヴェント心をかき立てられる、という人もいるかもしれないが……。で、道すがらは、チケット売ってくださいと書いた紙を持つ人がけっこういる。やっぱ、そういうのに触れても、ビョーク(2001年12月5日)は特別銘柄なのだなと思わせられる。
ステージ上にチープに旗が何枚も垂れ下がっている以外(それは少し意味ありげ)は、そんなに凝った設定がなされているわけではない。場内暗転し、コスプレしたホーン隊(10人ほど。アイスランドの人たちのよう)が演奏しながら出てきて、ショウはスタートする。他にサポート・ミュージシャンは二人の機械オペレイト担当者(うち一人はLFOのマーク・ベルだったが、彼は誕生日だったよう。アンコールのとき、ビョークは「ハッピー・バースデイ」の曲をアイスランド語で彼にむけて歌う)、キーボーディスト、ドラム/打楽器奏者の4人。そして、不思議ちゃんな格好をしたビョークが出てくるわけだが、なんか出てきただけでワっと観客が大きく沸くのはよ〜く分かる。やっぱ、一瞥だけでも人をひきつける何かを彼女は発する。
今回のバッキング・サウンドは4人の奏者が出すデジタル色をうまく用いる硬めのサウンドに、多くの場合はホーン隊音が絡むというもの。テクノロジーと人間的なアナログ/手作り音をうまく重ねるというのはこれまでの公演でも志向するとおりだが、今回はくだけたホーン隊(彼らは、フリも楽しい)を用いての、ビョーク曲の再開示という感じだろうか。アンコールを含め20曲弱披露された曲はかつての有名曲から新作曲(4曲だったかな)まで、一応まんべんなく。
演奏時間は1時間半ぐらい。ぼくの耳には、今回のビョークの歌は声質が少し枯れ気味かなと感じる部分も。ちょいキーを外した部分が気になったときもあったかな。なんにせよ、かつて誇示した地声で空気を切り裂くようなパワーは減じてきているのは間違いなく、彼女も喉の衰えと向き合いながら自分の表現を作る年齢にそろそろなってきているのかもしれない(実際、新作『ヴォルタ』はそういう作りだった)。また、生身の奏者たちが音を出しているというノリは強くだしていたが、そこに宿る即興性や臨機応変さの濃度はそれほど高くはないのには、少し不満を覚えたりも。こちらの要求がどんどん高くなっているせいもあるだろうが、これまで触れた公演のなかでは一番得た感興は低かったコンサートだったのかな……。
なーんて書いちゃって,自分でもびっくり。だって、高揚し、楽しみ、感服したもの。やはり今年のベスト10公演に入れるだろうし。すごい才と気を発する人が思うまま人間や機械とからんでいる様は美しすぎる! そして、ショウを成り立たせるものすべてを掌握した末に出てきた表現は現代ポップ音楽として高みにあるものであり、ビョーク印100%なのだから! やっぱり、彼女は名実ともに特別銘柄だ。
ステージ上にチープに旗が何枚も垂れ下がっている以外(それは少し意味ありげ)は、そんなに凝った設定がなされているわけではない。場内暗転し、コスプレしたホーン隊(10人ほど。アイスランドの人たちのよう)が演奏しながら出てきて、ショウはスタートする。他にサポート・ミュージシャンは二人の機械オペレイト担当者(うち一人はLFOのマーク・ベルだったが、彼は誕生日だったよう。アンコールのとき、ビョークは「ハッピー・バースデイ」の曲をアイスランド語で彼にむけて歌う)、キーボーディスト、ドラム/打楽器奏者の4人。そして、不思議ちゃんな格好をしたビョークが出てくるわけだが、なんか出てきただけでワっと観客が大きく沸くのはよ〜く分かる。やっぱ、一瞥だけでも人をひきつける何かを彼女は発する。
今回のバッキング・サウンドは4人の奏者が出すデジタル色をうまく用いる硬めのサウンドに、多くの場合はホーン隊音が絡むというもの。テクノロジーと人間的なアナログ/手作り音をうまく重ねるというのはこれまでの公演でも志向するとおりだが、今回はくだけたホーン隊(彼らは、フリも楽しい)を用いての、ビョーク曲の再開示という感じだろうか。アンコールを含め20曲弱披露された曲はかつての有名曲から新作曲(4曲だったかな)まで、一応まんべんなく。
演奏時間は1時間半ぐらい。ぼくの耳には、今回のビョークの歌は声質が少し枯れ気味かなと感じる部分も。ちょいキーを外した部分が気になったときもあったかな。なんにせよ、かつて誇示した地声で空気を切り裂くようなパワーは減じてきているのは間違いなく、彼女も喉の衰えと向き合いながら自分の表現を作る年齢にそろそろなってきているのかもしれない(実際、新作『ヴォルタ』はそういう作りだった)。また、生身の奏者たちが音を出しているというノリは強くだしていたが、そこに宿る即興性や臨機応変さの濃度はそれほど高くはないのには、少し不満を覚えたりも。こちらの要求がどんどん高くなっているせいもあるだろうが、これまで触れた公演のなかでは一番得た感興は低かったコンサートだったのかな……。
なーんて書いちゃって,自分でもびっくり。だって、高揚し、楽しみ、感服したもの。やはり今年のベスト10公演に入れるだろうし。すごい才と気を発する人が思うまま人間や機械とからんでいる様は美しすぎる! そして、ショウを成り立たせるものすべてを掌握した末に出てきた表現は現代ポップ音楽として高みにあるものであり、ビョーク印100%なのだから! やっぱり、彼女は名実ともに特別銘柄だ。
ウィンタースリープ
2008年2月25日 会場は渋谷・サイクロン。ん、行ったことないハコ。ネットのアバウトな地図を見て、屋根裏の名前が変わったのかなーと思ったら、屋根裏の前には<サイクロンは向こうの階段です>という表示がでている。サイクロン側にも同様の表示がなされていたが、間違える人がいるのかな。ともあれ、へえこんなところにもライヴ・ハウスがあるんだァ。その中は綺麗ではなく、けっこう営業を積んでいる店なんだろうなと思わせる。飲み物は受け付けでチケットを購入しなきゃならなくて、おかわりする際かったるい。
場内に入ると、某同業先輩がいる。おやおや、珍しい。関係ないけど、センセなんか背が縮んできているような気がするんですが。ぼくを見るなり、「こんなの来るんだ」。「だって、CD聞いたら良かったもん」と返すと、「え、エイジアみたいじゃん」と言う。ぜんぜん、想起もしないバンド名を言われて(しかも、エイジアなんかちゃんと聞いたことない)、とてもとまどう。
カナダのハリファックスを拠点とする6人組。リード・ヴォーカル/ギター、ギター、ギター/キーボード、キーボード/ギター、ベース、ドラムという布陣。まだ20代だろう彼らはけっこう初々しく、世間ずれしてなそうなのだが、パフォーマンスはとてもまっとう。出音一発で、こいつらは本物じゃあという手応えをすぐに得ることができる。リフを重ねるインスト部はビートの利いたモグワイみたいな感じがあるし(実際、新作となる三作目『ウェルカム・ザ・ナイト・スカイ』はモグワイやベル&セバスチャンを制作しているトニ・ドゥーガンがプロデュースしている)、けっこうオルタナ・ロック風情な曲が少なくないし(でも、彼らの場合、やさぐれてないのが特徴)、コーラスもうまく用いるところもあるし、カナダが秀でたシンガー・ソングライターの産地であることを思い出させるような訥々としたメロディ曲もあるし、といった具合にいろんな曲をやるがどれもピントがあっていて、現代性と実直さを合わせ持つ。でもって、ほっぺたが赤いリード・ヴォーカル君は非常に良い声質の持ち主。それから、ドラムがとってもうまいのにはがびっくり。また、PA担当者が優秀なのか、ハコの音響がいいのか、望外に音がいい事にも大きくうなづく。各人の出す楽器音がちゃんといいバランスで聞き取れたもんなあ。うーん、いいバンドだあ!
やっぱ、エイジアのエの字もないじゃん。パフォーマンス終了後、件の先輩も前言を翻し、けっこう感激のよう。明日のインタヴュー、がんばってくださいネ。話は飛ぶが、そのバンド名は冬眠という意味で用いているらしい。本当は英語にはそういう単語はなく、hilbernationというようだが。
インディからしか出ていない彼らだが、なんでも、日本盤発売元レコード会社のディレクターが昨年のサウス・バイ・サウスウェストで見て気にいり契約し、さらにはゲンブツ見せにゃあとイヴェンターを使わず呼んでしまったらしい(だから、普通洋楽をやらない会場を用いることになったのかな)。素晴らしいっ。確かな耳を持っていることにもうれしくなるし、その熱意にも。でも、彼らは間違いなくそうした熱意を受けるべきことをやっているバンド。ぼくのなかで、彼らは<今年出会ったバンド、うれしい度合い、最上級のタマ>ということになるだろう。
場内に入ると、某同業先輩がいる。おやおや、珍しい。関係ないけど、センセなんか背が縮んできているような気がするんですが。ぼくを見るなり、「こんなの来るんだ」。「だって、CD聞いたら良かったもん」と返すと、「え、エイジアみたいじゃん」と言う。ぜんぜん、想起もしないバンド名を言われて(しかも、エイジアなんかちゃんと聞いたことない)、とてもとまどう。
カナダのハリファックスを拠点とする6人組。リード・ヴォーカル/ギター、ギター、ギター/キーボード、キーボード/ギター、ベース、ドラムという布陣。まだ20代だろう彼らはけっこう初々しく、世間ずれしてなそうなのだが、パフォーマンスはとてもまっとう。出音一発で、こいつらは本物じゃあという手応えをすぐに得ることができる。リフを重ねるインスト部はビートの利いたモグワイみたいな感じがあるし(実際、新作となる三作目『ウェルカム・ザ・ナイト・スカイ』はモグワイやベル&セバスチャンを制作しているトニ・ドゥーガンがプロデュースしている)、けっこうオルタナ・ロック風情な曲が少なくないし(でも、彼らの場合、やさぐれてないのが特徴)、コーラスもうまく用いるところもあるし、カナダが秀でたシンガー・ソングライターの産地であることを思い出させるような訥々としたメロディ曲もあるし、といった具合にいろんな曲をやるがどれもピントがあっていて、現代性と実直さを合わせ持つ。でもって、ほっぺたが赤いリード・ヴォーカル君は非常に良い声質の持ち主。それから、ドラムがとってもうまいのにはがびっくり。また、PA担当者が優秀なのか、ハコの音響がいいのか、望外に音がいい事にも大きくうなづく。各人の出す楽器音がちゃんといいバランスで聞き取れたもんなあ。うーん、いいバンドだあ!
やっぱ、エイジアのエの字もないじゃん。パフォーマンス終了後、件の先輩も前言を翻し、けっこう感激のよう。明日のインタヴュー、がんばってくださいネ。話は飛ぶが、そのバンド名は冬眠という意味で用いているらしい。本当は英語にはそういう単語はなく、hilbernationというようだが。
インディからしか出ていない彼らだが、なんでも、日本盤発売元レコード会社のディレクターが昨年のサウス・バイ・サウスウェストで見て気にいり契約し、さらにはゲンブツ見せにゃあとイヴェンターを使わず呼んでしまったらしい(だから、普通洋楽をやらない会場を用いることになったのかな)。素晴らしいっ。確かな耳を持っていることにもうれしくなるし、その熱意にも。でも、彼らは間違いなくそうした熱意を受けるべきことをやっているバンド。ぼくのなかで、彼らは<今年出会ったバンド、うれしい度合い、最上級のタマ>ということになるだろう。
ジ・アルバム・リーフ、ピンバック
2008年2月29日 温かい日。忙しいけど(仕事をこなすため、6時半起き)、ほのかにココロ弾む。
LAから車を2時間ほど飛ばすと、カリフォルニア国境の観光も盛んなサンディエゴにつく。すぐ鼻の先はメキシコで、猥雑な街ティファナがある。夜には用事があったのでハマるとまずいと思ってティファナまでは行かなかったが、15年ぐらい前にサンディエゴまでドライヴしたことがあった(元気だったなー、と目を細める……)。大都市(シスコより、人口多いらしい)だがなんかのんびりした開放感がある街で、いい印象を持ったっけ。そのサンディエゴをベースとするロック・アクトが二つつるんだ公演、恵比寿・リキッドルームにて。両者とも90年代後半の結成であり、マルチ・プレイヤー系人物が主導したりもしてて、音楽性は違うけどなにかと関わりがあっても不思議ではない。
最初に出たのは、ジ・アルバム・リーフ。キーボード担当の中心人物に加え、ヴァイオリン/キーボード、ギター(だと思う、あー視力が落ちているナ)/キーボード、ドラムという編成にての実演。ヴォーカル曲も1部披露したが、総じてはポスト・ロックなんて呼ばれたりもする、含みと刺激の種を持つインスト表現を提示。音色にせよ、ビートにせよそこそこ今っぽいが、使用する楽曲の情けなさは一体なんなのか。もう、お涙ちょうだい的なセンチメンタリズムに凝り固まった単純なそれ(ぼくは、それを少女趣味といいたくなる)にはトホホ。それ、かつてニューエイジ・ミュージックと呼ばれた、ロック・エイジによるムード・ミュージック表現(プログレッシヴ・ロックの担い手たちも、そっちに流れた)曲調と寸分たがわず。方向性は分かるが、ぼくにはナッシング。映像がステージ背後に映し出されていて、それ肉眼だとどうってことないが、モニター(ここ、いくつも置いてあったっけ?)で見るとけっこういい感じ。へえ。
休憩時、キャプテン・ビーフハートが流される。ウヒヒ。で、経歴豊かな二人組ユニットなはずの、ピンバックが登場。こちらは、リード・ヴォーカル/ギターを中心に、キーボード、キーボード/ギター、ベース、ドラムといった編成(だったかな)。ニューウェイヴ・ポップを今の世代の息づかいでやっているという感じか。アルバムを聞くと、少しザ・ポリスっぽい感じを与える部分もあったが、実演だとそういう局面はなし。こぼれ出る歌心はたっぷりで、ある意味、それはメインストリーム的かもしれぬと感じたか。
両方の出演者とも文化系的な感じを与える人たちで、ガハハな野卑さとは無縁。軍港なんかもあって荒々しいイメージもある(ロングビーチと混同している?)サンディエゴだが、行ったときにけっこう洗練されてんじゃんと思ったことを、ぼくはぽわーんと酔った頭のなかで思い出した。
LAから車を2時間ほど飛ばすと、カリフォルニア国境の観光も盛んなサンディエゴにつく。すぐ鼻の先はメキシコで、猥雑な街ティファナがある。夜には用事があったのでハマるとまずいと思ってティファナまでは行かなかったが、15年ぐらい前にサンディエゴまでドライヴしたことがあった(元気だったなー、と目を細める……)。大都市(シスコより、人口多いらしい)だがなんかのんびりした開放感がある街で、いい印象を持ったっけ。そのサンディエゴをベースとするロック・アクトが二つつるんだ公演、恵比寿・リキッドルームにて。両者とも90年代後半の結成であり、マルチ・プレイヤー系人物が主導したりもしてて、音楽性は違うけどなにかと関わりがあっても不思議ではない。
最初に出たのは、ジ・アルバム・リーフ。キーボード担当の中心人物に加え、ヴァイオリン/キーボード、ギター(だと思う、あー視力が落ちているナ)/キーボード、ドラムという編成にての実演。ヴォーカル曲も1部披露したが、総じてはポスト・ロックなんて呼ばれたりもする、含みと刺激の種を持つインスト表現を提示。音色にせよ、ビートにせよそこそこ今っぽいが、使用する楽曲の情けなさは一体なんなのか。もう、お涙ちょうだい的なセンチメンタリズムに凝り固まった単純なそれ(ぼくは、それを少女趣味といいたくなる)にはトホホ。それ、かつてニューエイジ・ミュージックと呼ばれた、ロック・エイジによるムード・ミュージック表現(プログレッシヴ・ロックの担い手たちも、そっちに流れた)曲調と寸分たがわず。方向性は分かるが、ぼくにはナッシング。映像がステージ背後に映し出されていて、それ肉眼だとどうってことないが、モニター(ここ、いくつも置いてあったっけ?)で見るとけっこういい感じ。へえ。
休憩時、キャプテン・ビーフハートが流される。ウヒヒ。で、経歴豊かな二人組ユニットなはずの、ピンバックが登場。こちらは、リード・ヴォーカル/ギターを中心に、キーボード、キーボード/ギター、ベース、ドラムといった編成(だったかな)。ニューウェイヴ・ポップを今の世代の息づかいでやっているという感じか。アルバムを聞くと、少しザ・ポリスっぽい感じを与える部分もあったが、実演だとそういう局面はなし。こぼれ出る歌心はたっぷりで、ある意味、それはメインストリーム的かもしれぬと感じたか。
両方の出演者とも文化系的な感じを与える人たちで、ガハハな野卑さとは無縁。軍港なんかもあって荒々しいイメージもある(ロングビーチと混同している?)サンディエゴだが、行ったときにけっこう洗練されてんじゃんと思ったことを、ぼくはぽわーんと酔った頭のなかで思い出した。