まず、青山一丁目のユニバーサル・ミュージックで試聴会、ポール・マッ
カートニーの新作を聞く。大半が短い曲で、それこそはポップ・ミュージッ
クなり、と言いたくなる部分もあるか。なんと、コンコード(と、スタ
ーバックスのヴェンチャー・レーベル)に移籍してのもの。

 移動し、表参道・ラバン・エ・アロという小スペースでフランク・ブラッ
クのショーケース・ライヴ。電気ギター弾き語り。このギターは
はピクシーズ時代から使っていたんだ、と言ってピクシーズ(2005年12
月5日)の曲から始める。相当なギター好きのようで、ギター小話を挟みな
がら曲を披露していくという感じなのだが、その話がいい風情と相まって面
白いし、弾き語りはしっかり味があるし、これは出色のショーケース・ライ
ヴと言えるのではないか。いやいや、味ある粋人の襞に望外に触れられたよ
うな気分にもなり、これは絶対アリ。通常公演として、5.000 円とってもみ
んなニッコリなのではないかな。途中退出したが、また見たい! 正規公演
としてやってほしい。

 次は広尾のチェコ大使館で、プラハを拠点とするヴィート・シュヴェッツ
・トリオを見る。ベーシストがリーダーのピアノ・トリオ。MCはなぜかピ
アニストがする。よく書かれたオリジナル曲を中心にさりげなくジャズたる
決定的事項を出す。野心や自我を、メロウな風情を通してフレッシュに出し
ていたともいえるか。なるほど、これは存在感のあるユーロ・ジャズの一つ
と感じる。MCをやったチェコ出身とおぼしき青年は鬼のように日本語が達
者でへえ。

 そして、最後は渋谷のJZブラットでMMW(1999年8月5日、2000
年8月13日、2001年2月5日、2002年9月7日、2004年1月24日)とジ
ョン・スコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24
日、2004年3月11日、2006年3月1日)の合体グループの遅いほうのギグを
見る。笑顔のジャム。ながら、もちっとあっち側に行ってよとは感じたけど
。でなきゃ、ザ・ミーターズの屈託のないカヴァーやらんかい。けっこう単
純なリフをつないでいく様はマイルス・デイヴィスのワイト島のライヴに近
いと感じたりも。