六本木・インボイス劇場。テレビ朝日の交差点を挟んだところが入り口で、その奥のほうにこの出し物専用の劇場が作られている。もともとは何があったところなのか。工務店の冠がついていて、会場のつくりはしっかり、椅子もそれなりに座り心地はいい。興行期間は長いようで、当分先まで続くようだ。
 
 89年NYのストリートで結成された3人組のパフォーマンス集団。その後、評判をとりオフ・ブロードウェイに進出(02年にそこで見た人の話によれば、半分ぐらいの出し物が今も受け継がれているそう)、さらには国内外の大都市長期公演をいろいろやっているようだ。昨年、サマソニ(2007年8月11日)にも出たらしいがどんな感じでやったのだろうか。主役の3人は青いぴったりマスクをかぶっていて匿名性はたっぷり。だからこそ、いろんな場所でできるんだろうとも思うし、東京にも予備の人も来ているのかもしれない。

 ハイテクとローテクとアイデアとスキルをいろいろと集め、それらをウィットとナンセンスさでもって整理したような出し物。妙な人間くささを出す3人がいて、人間力の面白さやアイデアの豊富さや感情の多様さをさらりと示唆するような全100分のショウが繰り広げられる。基本は無声で、情報はモニターなどで流される場合(もちろん、日本語で)もある。とにかく、いろんな部分でアメリカの出し物だなと思えるところは多々。のっけから食べ物ネタでせまるが、日本だったら食べ物を粗末にするなという声も出てきそうか。また、ロック小ネタもいくつか。それから、客いじりもかなり行い、それもたいそうアメリカ的と思わせる。半分ぐらいは音楽を重要伴奏(デジタル・ビート主体のそれはだいぶ前に日本でもCD発売されたことがあった)として用い、ときに4人の生バンド(日本人の小僧くんたち)のシルエットも映し出されるが、それらはプリセットの音が使われているのかもしれない。

 客席には学生服を来た一団が。修学旅行の一環でのものか。場所や設定も含めて、彼らさぞやドキドキできたことと思う。基本、ぼくはそういう学校行事を斜に構えて接していた奴だったナ(別にそのことをなんら後悔することもないが)と、大昔のことを思い出す。中学校の修学旅行は転校したばかりでいまいちで、高校のときは体調不調だったっけなー。でも、写真は楽しそうな顔して映っていたかもしれない。生徒を受け入れているように、子供が見ても大丈夫なものとしてこの出し物は作られているが、18禁の不埒な大人ネタでせまるようなやつを彼らはやらないのかな。