丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。シカゴ出身(デルマーク
から複数枚出したりも)の若手テナー・サックス奏者がカルテットで登場。
ときにかなり音は軽め(盤上だとどこかホンカー的煽情性を感じさせる部分
もあったが、実演ではそういうテイストはあまりない)だが、確かな吹き口
を持つ人。当人はずんぐりむっくり、これでルックスがよかったら、もっと
話題を呼んでもおかしくない。

 バンドのメンバーは主役よりもっと若く、みんな20代半ばではないのか。
ギター、電気ベース(音が大きすぎ、でした)、ドラムという編成。それで
、わりと普通の4ビート曲っぽいものから(ジョン・コルトレーンのマナー
をほんの少し踏襲しようとしたものも)、すこし尖り気味のフュージョン調
(グリーン・デイ曲カヴァーも)までを屈託なく披露。初々しさもあり(今
回、彼らがやったなかで一番綺麗なヴェニューであり、一番いいホテルに泊
まったのでは)、これも今のノリのジャズの一局面かと少し思ったりもした
。ともあれ、総じて明快な伴奏の上に、ちゃんとしたジャズ的ソロを乗せよ
うとするパーフォーマンス。その簡便な編成もあり、今のジャズ研所属学生
が見たら大いに刺激を受けるものなのではないのかとも感じた。