アート・リンジーズ・レストレス・サンバ
2015年6月9日 音楽 いやあ。なんかほんわか、ほっこりしていたなあ。
今日〜明日と、南青山・ブルーノート東京で、アート・リンジー(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日)のグループ公演。今日は小山田圭吾(2009年1月21日、2009年10月31日、2011年8月7日、2012年8月12日、2013年8月7日、2013年8月11日、2014年3月31日、2014年10月26日)がゲスト・ギタリストで、翌日は じむお(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日)君。小山田入りのリンゼイの実演は昨年に見ているので、旧NYと旧シカゴの冒険ギタリストの邂逅を見たいと思ったが、故あり小山田出演日(セカンド・ショウ)を見る。そしたら、知り合いといろいろ会い、目が回りそう。かつて日本盤がぽんぽん出ていた頃より、ある意味、今のほうが注目度が高い? たまたまだろうけど、リンジーもなんかそう感じ、もっとばりばり音楽活動に邁進しないかなー。
レストレス・サンバと名乗り、ブラジル人ギタリストと打楽器奏者を連れて来ている。7弦アコースティック・ギターを淡々もくもくと弾くルイス・フィリップ・ヂ・マリは新旧の名のあるブラジル人と絡んでいる名手。パーカッションのマリヴァウド・パイム(2014年10月26日)は昨年のリンジー公演にも同行したバイーアの達人。昨年はヤケになって(?)スルドをずらり並べていたが、今回はわりと常識的な楽器並べで、的をいた余裕のサポートぶり。
中盤までは、その3人によるパフォーマンス。とうぜん、グループ名にもあるように、多大にブラジル音楽に負った流れ(ブラジル曲もいくつか披露)で、リンジーの味は開かれる。アコースティック・ギターと打楽器が形作るもろなブラジル系空間のなかで、リンジーはゆったりと歌い、調子外れなノー・チューニングのギターの刻みを入れる。とくに、その歌の優しく、テンダーな味にはウフフとなる。こんなに、包容力があったっけ? 歌が良かった。
そして、途中からは小山田とベースを弾くバッファロー・ドーターの大野由美子(2002年1月13日、2003年11月8日、2004年12月12日、2006年6月22日、2011年9月16日、2012年6月1日)が加わり、柔和なアンビシャス・ラヴァーズ、もしくはグート・レーベル時代のリンジー表現となる。ここでの小山田役をジム・オルークが務めるのなら、オルークもそんなに飛躍したギター演奏はしなかったと推測される。
やっぱり、リンジーは年を取った。あっち側を提出するのではなく、あっち側を知っているこっち側の自分をより出すようになった、とも書けるか。でも、そんな、歌心に満ちた、穏健なリンジー表現が心地よい。無理して狼藉しなくなった(そういう設定のギグが組まれたら、まだまだ行けるとは思うが。この晩も少し、そういう方向のソロ・パフォーマンスも披露)ためもあるかもしれないが、とても表現全体が隙間を伴う整合感がある。それは、小さな時から高校生までブラジルで親しんだ種を無理なく活用しているからこそとも言えるかもれないが、今の時勢には合っているし、正解ではないか。DNA、ザ・ラウンジ・リザーズ時代から彼の素っ頓狂な振る舞いに胸を焦がし、見守ってきた(つもりの)人間としては、そう思う。そして、そういう大人な(ある意味、成熟した)行き方のなかから、現代越境ポップ・ミュージックのヒントや新たなサウダーヂの感覚が出てくるのではないか。それは、皮膚感覚で、彼のプロデューサー能力、ある種の人材把握能力は衰えていないと思わされるからだ。
▶過去の、アート・リンジー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
▶過去の、マリヴァウド・パイム
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
▶過去の、小山田圭吾
http://43142.diarynote.jp/?day=20090121
http://43142.diarynote.jp/200911010931589797/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130807
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201404031700136483/
http://43142.diarynote.jp/?page=2&month=201410
▶過去の、バッファロー・ドーター/大野由美子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200606270001320000/
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/201109171049342536/
http://43142.diarynote.jp/?month=201206
<今日の、表記>
これまで、アート・リンゼイと表記してきたが、本人が間違いなくリンジーと言っているので、今回はそう書きまーす。
今日〜明日と、南青山・ブルーノート東京で、アート・リンジー(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日)のグループ公演。今日は小山田圭吾(2009年1月21日、2009年10月31日、2011年8月7日、2012年8月12日、2013年8月7日、2013年8月11日、2014年3月31日、2014年10月26日)がゲスト・ギタリストで、翌日は じむお(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日)君。小山田入りのリンゼイの実演は昨年に見ているので、旧NYと旧シカゴの冒険ギタリストの邂逅を見たいと思ったが、故あり小山田出演日(セカンド・ショウ)を見る。そしたら、知り合いといろいろ会い、目が回りそう。かつて日本盤がぽんぽん出ていた頃より、ある意味、今のほうが注目度が高い? たまたまだろうけど、リンジーもなんかそう感じ、もっとばりばり音楽活動に邁進しないかなー。
レストレス・サンバと名乗り、ブラジル人ギタリストと打楽器奏者を連れて来ている。7弦アコースティック・ギターを淡々もくもくと弾くルイス・フィリップ・ヂ・マリは新旧の名のあるブラジル人と絡んでいる名手。パーカッションのマリヴァウド・パイム(2014年10月26日)は昨年のリンジー公演にも同行したバイーアの達人。昨年はヤケになって(?)スルドをずらり並べていたが、今回はわりと常識的な楽器並べで、的をいた余裕のサポートぶり。
中盤までは、その3人によるパフォーマンス。とうぜん、グループ名にもあるように、多大にブラジル音楽に負った流れ(ブラジル曲もいくつか披露)で、リンジーの味は開かれる。アコースティック・ギターと打楽器が形作るもろなブラジル系空間のなかで、リンジーはゆったりと歌い、調子外れなノー・チューニングのギターの刻みを入れる。とくに、その歌の優しく、テンダーな味にはウフフとなる。こんなに、包容力があったっけ? 歌が良かった。
そして、途中からは小山田とベースを弾くバッファロー・ドーターの大野由美子(2002年1月13日、2003年11月8日、2004年12月12日、2006年6月22日、2011年9月16日、2012年6月1日)が加わり、柔和なアンビシャス・ラヴァーズ、もしくはグート・レーベル時代のリンジー表現となる。ここでの小山田役をジム・オルークが務めるのなら、オルークもそんなに飛躍したギター演奏はしなかったと推測される。
やっぱり、リンジーは年を取った。あっち側を提出するのではなく、あっち側を知っているこっち側の自分をより出すようになった、とも書けるか。でも、そんな、歌心に満ちた、穏健なリンジー表現が心地よい。無理して狼藉しなくなった(そういう設定のギグが組まれたら、まだまだ行けるとは思うが。この晩も少し、そういう方向のソロ・パフォーマンスも披露)ためもあるかもしれないが、とても表現全体が隙間を伴う整合感がある。それは、小さな時から高校生までブラジルで親しんだ種を無理なく活用しているからこそとも言えるかもれないが、今の時勢には合っているし、正解ではないか。DNA、ザ・ラウンジ・リザーズ時代から彼の素っ頓狂な振る舞いに胸を焦がし、見守ってきた(つもりの)人間としては、そう思う。そして、そういう大人な(ある意味、成熟した)行き方のなかから、現代越境ポップ・ミュージックのヒントや新たなサウダーヂの感覚が出てくるのではないか。それは、皮膚感覚で、彼のプロデューサー能力、ある種の人材把握能力は衰えていないと思わされるからだ。
▶過去の、アート・リンジー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
▶過去の、マリヴァウド・パイム
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
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http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
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http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
▶過去の、小山田圭吾
http://43142.diarynote.jp/?day=20090121
http://43142.diarynote.jp/200911010931589797/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130807
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201404031700136483/
http://43142.diarynote.jp/?page=2&month=201410
▶過去の、バッファロー・ドーター/大野由美子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200606270001320000/
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/201109171049342536/
http://43142.diarynote.jp/?month=201206
<今日の、表記>
これまで、アート・リンゼイと表記してきたが、本人が間違いなくリンジーと言っているので、今回はそう書きまーす。
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