NY生まれ、マイアミ育ち(大学は、マイアミ大学)で20代前半からは再びNYで活動している働き盛りジャズ・ギタリスト(2015年7月2日、2018年7月28日)のリーダー公演はオルガンを擁するベースレスの定番型トリオにて行う。丸ノ内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。

 奇人名オルガニストのドクター・ロニー・スミス(2015年7月2日、2018年7月28日)のサポートで来日している人でもありオルガン好きなのと一瞬思ってしまうものの、クリス・クロス他から出している10枚ほどのリーダー作はぼくが耳にしたものはオルガン伴奏にはこだわってはおらず、近い何作かはピアノのゲイリー・ヴェルサーチ(2010年2月5日 、2012年12月17日、2013年12月17日、2017年6月7日)、ベースのマット・ペンマン(2005年5月10日、2008年11月22日、2010年9月5日、2011 年7月4日、2012年5月31日)、ドラムのマーク・ファーバーという単位で彼は録音している。

 サイドマンの2人は、やはりリーダー作を何作も出している人たち。近3回の来日はアコーディオン奏者としてマリア・シュナイダー・オーケストラ(2012年12月17日、2013年12月17日、2017年6月7日)に同行し、今回はオルガンを弾くゲイリー・ヴェルサーチ(2010年2月5日 、2012年12月17日、2013年12月17日、2017年6月7日)。そして、ドラマーはカート・ローゼンウィンケル(2009年3月1日、2010年3月12日、2013年11月20日、2014年3月4日、2016年6月27日、2017年4月15日、2018年1月13日)の2014年公演に入っていたドラマーのコリン・ストラナハン。もしかして、今回の編成は、オルガン演奏にも一言持つクライスバーグがちょいオルガン・トリオでやってみないとリーダーにし進言したことで実現したのではないか。

 そう思わせたのは、ヴェルサーチのハモンド・オルガンさばきに触れていて、なるほど白人としての意気が出る演奏をしているなと思えたから。音色選びとか、フレイジングとか、サステイン・ペダルの作法とか、いわゆるソウルフル型ジャズ・オルガン演奏とは一線を画すもので、これは差別化が図れる。別に音が薄い訳ではなく、おそらく足で抑えていたろうベース音は太めなよく伸びる音が採用されていて、その響きは今っぽいかもしれぬ。

 客に向かって左側に立ち(ドラマーが中央に位置した)フル・アコースティック型のエレクトリック・ギターを弾くクライスバーグはなるほど雄弁(曲によって、エフェクターも使い分け、結構かけたものもあり)、これはリーダー公演をやる資格を持つ奏者であると思わせる。でもって、ドクター・ロニー・スミスのときはかなり抑えた演奏をしていたのもすぐに了解。なにげにスミスはん、細かく締め付けする人だったりして。って、それはないか。ぼくが思っていた以上に今様なジャズ・ギタリストだとも思え、ゆえに後半に弩スタンダード「ボディ&ソウル」を比較的ストレートにやった際には、これは浮くなあと感じた。だが、それをやることで、自分は過去をちゃんと消化しているプレイヤーであることを示したかったのかもしれない。

▶︎過去の、ジョナサン・クライスバーグ/ドクター・ロニー・スミス
http://43142.diarynote.jp/201507030846173120/
http://43142.diarynote.jp/201807290828583298/
▶︎過去の、マット・ペンマン
http://43142.diarynote.jp/200811241224271906/
http://43142.diarynote.jp/201009171511588216/ ジョシュア・レッドマン
http://43142.diarynote.jp/201107111008176019/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶︎過去の、マリア・シュナイダー・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
http://43142.diarynote.jp/201706081034584863/
▶︎過去の、ゲイリー・ヴェルサーチ
http://43142.diarynote.jp/201002072246423695/
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
http://43142.diarynote.jp/201706081034584863/
▶︎過去の、ドラマーのコリン・ストラナハン
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
▶過去の、カート・ローゼンウィンケル
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
http://43142.diarynote.jp/201003131221091991/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
http://43142.diarynote.jp/201801140944229876/

<今日の、ミス>
 目が衰えてきていて、ノートブックPCのメイラーの文字が見づらくなっているので、7月に眼科で処方してもらい、PC限定のメガネを作る。で、どうせ家でしかかけないのだからと、全然フレイム選びにはこらず、普段かけている眼鏡と同じような色のものをテキト〜に選んでしまった。それ、失敗。そしたら、形も素材も違うのに、これが外出する際にそのままかけて出そうになる。いや、一度飲みにでたときは近距離用メガネをかけたまま出てしまい……。こんな場合はまあいいが、ライヴを見る際は本当に気をつけなきゃと再認識していたのだが、今日は見事に遠い方を見るとボケるPC用メガネをかけたまま、ライヴを見に出かけてしまう。うえ〜ん、コリン・ストラナハンが左利きのセッティングをしているのはすぐにわかったが、オルガン奏者の所作(ベース音が足で出しているか。左手で出しているかということですね)がいまいちぼやっと見えて確認できない。結局、聞こえる音で上のように書いた。ちなみに、マッチド・グリップで叩いていたストラナハンはシンプルなキットを用いつつ、手数の多い、生理的にラウドな出音を出す人だった。