面白い人と注目したいと思っていたが、実演は想像以上。しっかり聞く者に働きかけ、いい表現者だという感想をしっかりと持たせる。1992年南アフリカ生まれ、ベルリン在住のロック系列にある女性シンガー・ソングライターの初来日公演を、代官山晴れたら空に豆まいてで見る。もう、会場激込み。そして、終演後のCD即売サイン会には長い列ができていたが、ショウに触れるとそれにも納得ですね。

 基本エレクトリック・ギターを弾きながら歌う彼女を、ドラムを叩くかキーボードを弾く男性とベーシストでときにリズム音も担当した奏者が付く。初来日となる今回、弾き語りだけでもパフォーマンスは維持できるはず(YouTubeでは、そういう映像もある)だが、彼女は最小限のワーキング・バンドの選抜隊でやってきた。結果、いいバンドを持っていることを示唆。サックス奏者も含む今のバンド員は彼女と同じく皆ベルリン在住だが、イスラエル、豪州、イタリアなど多国籍の者たちで成り立っている。

 ショウに触れ、まず声に存在感があると再認識。基本透明感を与える声の持ち主なんだが、質量感をしっかりと持ち、ときに繰り出す歌唱アクセント〜もしかすると、それはアフリカ出身であることを感じさせる?〜も繰り出す。表現力ある、いい歌い手だな。CDよりも線が太く、今を伸び伸びと生きようとする姿勢がしなやかに聞き手に向かう。曲趣にも、満ちる。子供のころ好きだったのはボブ・ディラン、ルー・リード、ジミ・ヘンドリックスといった親流れの大御所たちだったが、そうした愛好につながる本質を感じさせつつ、浮遊感ある今の誘いを持ち(曲によっては、エレクトロな質感を持つ味付けも持つ)、祈りや癒しを持つ曲もあり。今後、大注目の存在であることを、しかと確認しました。

<先週の、アリス>
 金曜日に、インタヴューをした。なんか、当人とても喜んでいた。今年中にリリースされるだろう新作は、ジョアンナ・ニューサム(2010年2月8日、2016年1月27日)やデヴェンドラ・バンハート(2010年2月4日、2011年8月4日、2017年5月10日)を手がけているノア・ジョージソンをプロデューサーに立てて、自己バンドとともにカリフォルニアに飛びレコーディングされている。インディペンデントであることはとても重要で、音楽で得たお金をそれにつぎ込んだとのこと。かなり、ライヴ感のある内容であるという。ところで、彼女との取材場所になったのは、道玄坂を登った先にあるTurn Tableというビル。レストラン、バー、野菜などの売店、ドミトリーからスイート・ルームまでがある宿泊施設などを持つよう。へえ、家からの徒歩圏内でこんな建物があるんだと思ったら、徳島県のアンテナ・ショップ+であるそう。その隣には、NADESHIKO HOTELという和を強調したような施設があって、そちらは女性専用のカプセル・ホテルのよう。
▶過去の、ジョアンナ・ニューサム
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
▶︎過去の、デヴェンドラ・バンハート
http://43142.diarynote.jp/201002072245512219/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201705100944346055/