渋谷・アップリンクで、2016年スペイン/アイスランド/アメリカ映画「ラ・チャナ」の試写を見る。その表題は1946年生まれのバルセロナ在住フラメンコ・ダンサーの芸名で、情熱的な踊りや足さばき〜この映画を見ると、フラメンコのダンサーは打楽器の担い手でもあると痛感させられる〜で一世を風靡した人とのこと。だが、女性は男性のいいなりであるという風習を持つヒターノの彼女は十代で結婚した旦那から虐げられまくる。そして、ハリウッド進出などさらなる成功の目を摘まれ、全盛期に引退。そのダメ夫が根こそぎ財産を持ちとんずらした後復帰をし……(85年には来日もしているという)。みたいな波乱万丈の人生が、彼女の話を柱にすすめられる。本人にキャラあり、今の旦那との生活は満たされていそう(いい高台の家に住んでいるなあ)でなにより。監督は、クロアチア出身でスペイン在住女性のルツイア・スイェヴィッチ。

 続いては、赤坂・カナダ大使館のオスカー・ピーターソン・シアターに行く。同大使館内にある高円宮記念ギャラリーで6月6日まで持たれているトロントの美術アーティストたちによる“Multi Layered Surface”という展覧会と繋がる公演を見る。トロントで活動するカナダと日本の二人の女性がパフォーマンスをした。

 まず、シンガー・ソングライターでテルミン奏者のクララ・ヴェニスが出てくる。打ち込み型の、暗めのエレ・ポップを披露する人だが、見せ方が面白い。まず、格好がもろに日本の“カワイイ”文化に影響を受けている。で、背後に映像をながしながら、テルミンを操りながら歌う。その映像は質があり、中央に立つ彼女をはさむように彼女が扮した格好や髪型違いの4人の奏者たちが映し出される。私の、ワンマン・バンド……。生の本人をはじめ、スカートにしろパンツにしろレオタードにしろ、みんな太ももを出している(笑い)。

 その後は、日本人ジャズ・シンガーのhisaka。こちらは日本人のピアノ・トリオ(ベースはエレクトリックを弾く場合も)を従えてのもので、MCで私のバンドと言っていたので、今は日本で活動しているのかもしれない。エリン・ボーディ(2009年3月26日)編曲と紹介した曲があり(あれ、エミリー・クレア・バーロウ;2009年8月5日だったっけ? もう記憶が曖昧なりィ)、彼女が好きと言っていたか。メロデイアス曲や「上を向いて歩こう」とかいった曲をジャズ調アレンジで開いていた。

▶︎過去の、エリン・ボーディ
http://43142.diarynote.jp/200903271727246000/
▶︎過去の、エミリー・クレア・バーロウ
http://43142.diarynote.jp/200908072233499662/

 そして、さらに六本木に向かう。ビルボードライブ東京で、ニューオーリンズのブラス・バンドであるザ・ソウル・レベルズ(2015年8月17日)を見る。

 トランペット2、テナー・サックス、トロンボーン2、スーザホン、打楽器2(スネア中心と大太鼓中心。後者はドラム・パッドも設定し、一部で使った)の8人編成でことにあたる。そしたら、あわわわ、いいじゃん。2年前の来日公演よりなぜかいい。ホーンの重なりも、肉声の重なりも、ずっと力があり。鼓舞される。肉声は約半分の曲で繰り出すが、フロントに立つ5人の管楽器奏者が担当し、今回はラップも入る曲も2つ。曲調はそれほどニューオーリンズぽくないのだが、その成り立ちや見る者にぶつかる総体はやはりニューオーリンズであると思わされた。

▶︎過去の、ザ・ソウル・レベルズ
http://43142.diarynote.jp/201508180822235084/

<今日の、ちっ>
 一時より海外からのスパムは減ったとように思えるが、イヤなのはぼくのメール・アドレス(語ったもの)から、一言卑猥な言葉がそえてあり、そこからリンク流れするだろうものが来ること。あー、キブン悪りぃー。これ、多分海外からのものだと思うのだが。思えば、かつてこの欄に書いた、航空機会社を語ったメールとかは、なんかムっとしない類のスパムであったなあ。→
http://43142.diarynote.jp/201312290746219830/