R.I.P.リチャード・H・カーク(1956年3月21日〜2021年9月21日)。2PIANO 4HANDS「南博×渡辺シュンスケ」、同「スガダイロー×和久井沙良」。「Re:コルトレーン」
2021年9月23日 音楽 英インダストリアル・ミュージックの至高ユニット、キャバレー・ヴォルテールを率いたリチャード・H・カークがお亡くなりになった。シェフィールド出身、シンセサイザーとテープ・ループの実験から始まり、ライヴを意識した活動を介してもう一つの尖った日常を作り、多くの支持者を得た。僕は1980年前後にラフ・トレイド発の諸作を手にし、ジャケット・カヴァーの雰囲気もあったためか、オルタナティヴな彼らを聞いて一つオトナになったような気持ちを受けたりもした。一時はダンサブルでときにポップな志向を取り、その際は心もとない歌が入り、妙な根無し草的感覚/俯瞰感覚を感じさせたためか、ぼくはアート・リンゼイ(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日、2015年6月9日、2016年9月1日、2017年6月23日、2018年10月21日、2018年10月23日)を思い出したりした。カークは1980年からはソロとしても活動するようになり、1990年代にはキャバレー・ヴォルテールは休止したものの、2009年にカークにより再び再開。ミュート発の『BN9Drone』は今年のリリースだった。サントラなどにも関わり、グループ名義にせよ個人名義けっこういろいろ。彼はやりたいことをやり切った、そういう感想も持つ。なお、キャバレー・ヴォルテールはチューリッヒのダダイズム発祥の地と言われる酒場の名前で、スイス大使館が絡んで催しがされたことがあった。https://43142.diarynote.jp/201607140848004102/
▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/
http://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
http://43142.diarynote.jp/201706240934237865/
http://43142.diarynote.jp/201810221139492314/
https://43142.diarynote.jp/201810240904066739/
さて、今日から青山・月見ル君想フでは4日間にわたる、帯公演を持つ。わざわざグランド・ピアノを2台会場に入れて(蓋を取っていた)の、“2PIANO 4HANDS”というピアノ・デュオ企画だ。祭日である今日は3つのプログラムが組まれている。その2番目、南博(2001年10月29日、2005年6月9日、2005年9月11日、2006年10月25日、2007年4月12日、2007年10月17日、2011年3月2日、2013年2月17日他)と渡辺シュンスケ(2012年3月28日、2012年6月1日、2014年6月1日)によるギグを、15時15分からまず見る。
ぼくのなかでは繋がらない2人だが、渡辺は南に4年間ピアノを習っていて、過去にも一緒にやったことがあるよう。渡辺は南のことを、彼ほどセクシーにバラードを弾く人はいない、みたいな紹介の仕方をしたか。
1曲、10分強。渡辺や南のオリジナルを素材に指さばきを重ね合う。演奏は作曲者が主となり始まるが、途中からは役割交換がなされもして、進み方は多彩。また、2曲ではお客さんからお題をもらって、即興で演奏しあう。その際は、南が弾き始め、デュオ演奏は始められる。過去、渡辺シュンスケの演奏は電気キーボード中心のそれしか知らなかったので、ピアノ生一本の演奏は新鮮だ。信頼関係を持つ師弟関係(というと、大げさかもしれないが)っていいなとも、これを見て思わされる。お客さんは、とっても女性の比率が高かった。
70分聞いて、南青山・ブルーノート東京へ移動。しかし、月見ルとブルーノートは本当に近い。住所、同じ南青山だからな。タクシーだと5分もかからない。
▶過去の、南博
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050911
http://43142.diarynote.jp/?day=20061025
http://43142.diarynote.jp/200704151310110000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071107
http://43142.diarynote.jp/201003280551094942/
http://43142.diarynote.jp/201103040841482385/
http://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
▶過去の、渡辺シュンスケ/SCHROEDER-HEADZ
http://43142.diarynote.jp/?day=20120328
https://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
https://43142.diarynote.jp/201406110832491208/
▶︎以前の、2PIANO 4HANDS
https://43142.diarynote.jp/202010060748585515/
こちらは16時45分からの、ファースト・ショウ。今年は、インパルス!・レコード創立60周年となり、その記念ライヴがすでに1度ブルーノート東京で行われている(2021年4月6日)が、今日はその2回目で、テーマはやはりインパルス!と言えば真っ先に名前が上がるジョン・コルトレーンなり。前回は鮮烈あっち側突き抜け作『アセンション』を題材としたのに対し、今回はコルトレーンの滋味ありメロディを持つ楽曲や覇気と人間性に満ちた吹き口に焦点を当てるとなるか。この日の公演は緊急事態宣言で一度飛んだものがリスケジュールされていたが、なんとこの日がコルトレーンの誕生日であるそう。生きていれは、95歳か。
今回ステージに上がったのは、テナー・サックスの馬場智章(2018年9月28日、2018年12月5日)と西口明宏 (2016年7月21日、2019年1月21日、2021年7月3日、2021年9月19日)、アルト・サックスの中島朱葉(2021年4月11日)と松丸契(2021年4月6日)、そしてピアノのデイヴィッド・ブライアント(2015年1月9日)、ダブル・ベースの須川崇志 (2010年3月14日、2011年7月25日、2016年6月27日、2017年6月21日、2018年1月19日、2018年4月7日、2019年3月29日、2019年12月14日、2019年12月20日、2020年10月29日、2021年4月6日、2021年4月19日、2021年7月30日、2021年9月19日)、ドラムの石若駿 ((2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日、2020年10月29日、2021年4月11日、2021年4月19日、2021年7月9日)。楽曲のテーマ部は4人で吹くが、そのアレンジはMCも担当した馬場がやっていたよう。各リード奏者たちは、全員が判で押したようにソロをつなぐのではなく、テナー・サックス奏者だけで繋いだり、別の曲ではアルト奏者が一緒にブロウしたり、松丸はソロの部分で石若とのデュオ演奏になったりと、けっこう気の利いたディレクションはなされている。みんな、最良の師を念頭に、自分の息遣いを出していた。
ピアニストは現在日本に住むアメリカ人だが、4管が重なったときにもきっちり音が聞こえて、感心する。ソロを取る場合は言わずもがな。とても芯のあるピアノ音を送る様に拍手した。また、須川は普段以上にボンボンという質感を持つ、太く弾んだベース音を送り出し、彼なりのジミー・ギャリソン観を出す? いいネっ。石若は、すべてレギュラー・グリップで通したのではなかったか。彼、ダーツの的の絵みたいというか、漫画のバカボンの着物の柄のような模様がついたキック、タム、フロア・タムを使っていた。
取り上げた曲は、「ブルー・トレイン」や「レザルーション」など、有名曲を本編で5曲。「ナイーマ」と、アンコールにやったコルトレーンの発掘ブルース曲はゲストの日野皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日、2014年4月4日、2015年3月10日、2017年9月3日、2018年8月11日、2019年4月27日)が加わる。イエイ。いつだってなんだって、彼は彼。ぼくは、そんな日野皓正が大好きだ! アンコールのときソロを吹かない際に日野は後ろ横で踊っていたが、彼は一番近い立ち位置の松丸に何か耳打ち。すると、松丸は照れたように苦笑したが、キミも踊ろうよと、言っていたりして。
▶︎過去の、馬場智章
https://43142.diarynote.jp/201809290719113115/
https://43142.diarynote.jp/201812081039071230/
▶︎過去の、西口明宏
https://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/202107041453546495/
https://43142.diarynote.jp/202109200901226322/
▶︎過去の、中島朱葉
https://43142.diarynote.jp/202104121207459452/
▶︎過去の、松丸契
https://43142.diarynote.jp/202104071750586426/
▶︎過去の、デイヴィッド・ブライアント
https://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
▶︎過去の、須川崇志
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160627
http://43142.diarynote.jp/201706220952582448/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201903301004154036/
https://43142.diarynote.jp/201912161052582124/
https://43142.diarynote.jp/201912220907352341/
https://43142.diarynote.jp/202010300958115053/
https://43142.diarynote.jp/202104071750586426/
https://43142.diarynote.jp/202104211350032210/
https://43142.diarynote.jp/202107100947566078/
https://43142.diarynote.jp/202107310742529881/
https://43142.diarynote.jp/202109200901226322/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180404
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/
https://43142.diarynote.jp/202010300958115053/
https://43142.diarynote.jp/202104121207459452/
https://43142.diarynote.jp/202104211350032210/
https://43142.diarynote.jp/202107100947566078/
▶過去の、日野皓正
http://43142.diarynote.jp/200506120639310000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061103
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110902
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201404070654593139/
http://43142.diarynote.jp/201503110740041978/
http://43142.diarynote.jp/201709101639096076/
https://43142.diarynote.jp/201808120917002515/
https://43142.diarynote.jp/201904271153238361/
https://43142.diarynote.jp/201904281151232549/
▶︎過去の、インパルス・レコード創立60周年記念ライヴ・シリーズ の1回目。
https://43142.diarynote.jp/202104071750586426/
そのあとは、再び月見ル君想フに戻り、“2PIANO 4HANDS”。 18時半からの「スガダイロー×和久井沙良」を見る。
スガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日、2019年5月30日、2019年6月14日、2019年7月8日、2019年12月14日、2021年4月6日)と和久井沙良(2021年4月25日)、この無頼漢おじさんと1988年生まれのお嬢さんは正真正銘、この日が初顔合わせだそう。
2人とも譜面の類は一切置かない。最初、和久井が出てきて弾きはじめ、少ししてスガが出てきて、触発しあい、重なりまくる。完全な即興で通し、30分の塊を2つ提出し、アンコールはとなる10分弱のもの。このときは、2人は弾くピアノを交換した。もう徹頭徹尾、察知と反応というアンテナを張り巡らし、テンションがハイすぎ、審美眼が磨かれすぎのやりとりを、潮の満ち引きのような強弱を伴いながら、両者は繰り広げていく。もう、圧巻。多くの場合、スガは顔を伏せて弾き、和久井は目を閉じて少し上を見上げる感じでピアノを弾く。ほとんどアイ・コンタクトはなされないが、相手の音を十全に聞き、理解し、自分の中から湧いてくる音を鍵盤に移すという作業にそれは必要ないのダと思わせられる。彼らは全身全霊のもと、コンタクトし合っていた。ひょえ〜。これぞ、研ぎ澄まされた裸のピアノ・デュオ? しかし、この手の大家であるスガに一切臆することなく、自分の音と技を繰り出し、スガにいろんな引き出しも開かせた和久井は驚異的だ。前見たときと全然違う演奏に、ぼくは驚きつつ頭を垂れ、身をまかせた。
この顔合わせは、この“2PIANO 4HANDS”や“パラシュート・セッション”などこのハコ特有の出し物を企画する、店長のタカハシコーキの発案だそう。普段、過剰にジャズの現場とは関わっていないと思われるのに、他のブッキングを含めてよくぞという感じではあるなあ。あ、普段は非ジャズにもたんまり関わっているからこその高い経験値を下敷きにする、しなやかな自由さは間違いなくあるだろう。
▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/ 取材
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
https://43142.diarynote.jp/201912161052582124/
▶︎過去の、和久井沙良
https://43142.diarynote.jp/202104270842552952/
<今日の、もう一つの拍手>
月見ルにおける“2PIANO 4HANDS”の2つのギグは、ともに配信用の映像が映るモニターが見える席で見ていた。複数のカメラによる、その映像は質高し。2フロア分の吹き抜けのここはクレーンを用いるカメラも導入していて、それは真上から鍵盤に指を踊らせる様をばっちり捉え、まことこの企画にドンピシャだぁ。
▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/
http://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
http://43142.diarynote.jp/201706240934237865/
http://43142.diarynote.jp/201810221139492314/
https://43142.diarynote.jp/201810240904066739/
さて、今日から青山・月見ル君想フでは4日間にわたる、帯公演を持つ。わざわざグランド・ピアノを2台会場に入れて(蓋を取っていた)の、“2PIANO 4HANDS”というピアノ・デュオ企画だ。祭日である今日は3つのプログラムが組まれている。その2番目、南博(2001年10月29日、2005年6月9日、2005年9月11日、2006年10月25日、2007年4月12日、2007年10月17日、2011年3月2日、2013年2月17日他)と渡辺シュンスケ(2012年3月28日、2012年6月1日、2014年6月1日)によるギグを、15時15分からまず見る。
ぼくのなかでは繋がらない2人だが、渡辺は南に4年間ピアノを習っていて、過去にも一緒にやったことがあるよう。渡辺は南のことを、彼ほどセクシーにバラードを弾く人はいない、みたいな紹介の仕方をしたか。
1曲、10分強。渡辺や南のオリジナルを素材に指さばきを重ね合う。演奏は作曲者が主となり始まるが、途中からは役割交換がなされもして、進み方は多彩。また、2曲ではお客さんからお題をもらって、即興で演奏しあう。その際は、南が弾き始め、デュオ演奏は始められる。過去、渡辺シュンスケの演奏は電気キーボード中心のそれしか知らなかったので、ピアノ生一本の演奏は新鮮だ。信頼関係を持つ師弟関係(というと、大げさかもしれないが)っていいなとも、これを見て思わされる。お客さんは、とっても女性の比率が高かった。
70分聞いて、南青山・ブルーノート東京へ移動。しかし、月見ルとブルーノートは本当に近い。住所、同じ南青山だからな。タクシーだと5分もかからない。
▶過去の、南博
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050911
http://43142.diarynote.jp/?day=20061025
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http://43142.diarynote.jp/?day=20071107
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http://43142.diarynote.jp/201103040841482385/
http://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
▶過去の、渡辺シュンスケ/SCHROEDER-HEADZ
http://43142.diarynote.jp/?day=20120328
https://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
https://43142.diarynote.jp/201406110832491208/
▶︎以前の、2PIANO 4HANDS
https://43142.diarynote.jp/202010060748585515/
こちらは16時45分からの、ファースト・ショウ。今年は、インパルス!・レコード創立60周年となり、その記念ライヴがすでに1度ブルーノート東京で行われている(2021年4月6日)が、今日はその2回目で、テーマはやはりインパルス!と言えば真っ先に名前が上がるジョン・コルトレーンなり。前回は鮮烈あっち側突き抜け作『アセンション』を題材としたのに対し、今回はコルトレーンの滋味ありメロディを持つ楽曲や覇気と人間性に満ちた吹き口に焦点を当てるとなるか。この日の公演は緊急事態宣言で一度飛んだものがリスケジュールされていたが、なんとこの日がコルトレーンの誕生日であるそう。生きていれは、95歳か。
今回ステージに上がったのは、テナー・サックスの馬場智章(2018年9月28日、2018年12月5日)と西口明宏 (2016年7月21日、2019年1月21日、2021年7月3日、2021年9月19日)、アルト・サックスの中島朱葉(2021年4月11日)と松丸契(2021年4月6日)、そしてピアノのデイヴィッド・ブライアント(2015年1月9日)、ダブル・ベースの須川崇志 (2010年3月14日、2011年7月25日、2016年6月27日、2017年6月21日、2018年1月19日、2018年4月7日、2019年3月29日、2019年12月14日、2019年12月20日、2020年10月29日、2021年4月6日、2021年4月19日、2021年7月30日、2021年9月19日)、ドラムの石若駿 ((2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日、2020年10月29日、2021年4月11日、2021年4月19日、2021年7月9日)。楽曲のテーマ部は4人で吹くが、そのアレンジはMCも担当した馬場がやっていたよう。各リード奏者たちは、全員が判で押したようにソロをつなぐのではなく、テナー・サックス奏者だけで繋いだり、別の曲ではアルト奏者が一緒にブロウしたり、松丸はソロの部分で石若とのデュオ演奏になったりと、けっこう気の利いたディレクションはなされている。みんな、最良の師を念頭に、自分の息遣いを出していた。
ピアニストは現在日本に住むアメリカ人だが、4管が重なったときにもきっちり音が聞こえて、感心する。ソロを取る場合は言わずもがな。とても芯のあるピアノ音を送る様に拍手した。また、須川は普段以上にボンボンという質感を持つ、太く弾んだベース音を送り出し、彼なりのジミー・ギャリソン観を出す? いいネっ。石若は、すべてレギュラー・グリップで通したのではなかったか。彼、ダーツの的の絵みたいというか、漫画のバカボンの着物の柄のような模様がついたキック、タム、フロア・タムを使っていた。
取り上げた曲は、「ブルー・トレイン」や「レザルーション」など、有名曲を本編で5曲。「ナイーマ」と、アンコールにやったコルトレーンの発掘ブルース曲はゲストの日野皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日、2014年4月4日、2015年3月10日、2017年9月3日、2018年8月11日、2019年4月27日)が加わる。イエイ。いつだってなんだって、彼は彼。ぼくは、そんな日野皓正が大好きだ! アンコールのときソロを吹かない際に日野は後ろ横で踊っていたが、彼は一番近い立ち位置の松丸に何か耳打ち。すると、松丸は照れたように苦笑したが、キミも踊ろうよと、言っていたりして。
▶︎過去の、馬場智章
https://43142.diarynote.jp/201809290719113115/
https://43142.diarynote.jp/201812081039071230/
▶︎過去の、西口明宏
https://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
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https://43142.diarynote.jp/202109200901226322/
▶︎過去の、中島朱葉
https://43142.diarynote.jp/202104121207459452/
▶︎過去の、松丸契
https://43142.diarynote.jp/202104071750586426/
▶︎過去の、デイヴィッド・ブライアント
https://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
▶︎過去の、須川崇志
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160627
http://43142.diarynote.jp/201706220952582448/
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https://43142.diarynote.jp/201912220907352341/
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▶︎過去の、石若駿
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▶過去の、日野皓正
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http://43142.diarynote.jp/201709101639096076/
https://43142.diarynote.jp/201808120917002515/
https://43142.diarynote.jp/201904271153238361/
https://43142.diarynote.jp/201904281151232549/
▶︎過去の、インパルス・レコード創立60周年記念ライヴ・シリーズ の1回目。
https://43142.diarynote.jp/202104071750586426/
そのあとは、再び月見ル君想フに戻り、“2PIANO 4HANDS”。 18時半からの「スガダイロー×和久井沙良」を見る。
スガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日、2019年5月30日、2019年6月14日、2019年7月8日、2019年12月14日、2021年4月6日)と和久井沙良(2021年4月25日)、この無頼漢おじさんと1988年生まれのお嬢さんは正真正銘、この日が初顔合わせだそう。
2人とも譜面の類は一切置かない。最初、和久井が出てきて弾きはじめ、少ししてスガが出てきて、触発しあい、重なりまくる。完全な即興で通し、30分の塊を2つ提出し、アンコールはとなる10分弱のもの。このときは、2人は弾くピアノを交換した。もう徹頭徹尾、察知と反応というアンテナを張り巡らし、テンションがハイすぎ、審美眼が磨かれすぎのやりとりを、潮の満ち引きのような強弱を伴いながら、両者は繰り広げていく。もう、圧巻。多くの場合、スガは顔を伏せて弾き、和久井は目を閉じて少し上を見上げる感じでピアノを弾く。ほとんどアイ・コンタクトはなされないが、相手の音を十全に聞き、理解し、自分の中から湧いてくる音を鍵盤に移すという作業にそれは必要ないのダと思わせられる。彼らは全身全霊のもと、コンタクトし合っていた。ひょえ〜。これぞ、研ぎ澄まされた裸のピアノ・デュオ? しかし、この手の大家であるスガに一切臆することなく、自分の音と技を繰り出し、スガにいろんな引き出しも開かせた和久井は驚異的だ。前見たときと全然違う演奏に、ぼくは驚きつつ頭を垂れ、身をまかせた。
この顔合わせは、この“2PIANO 4HANDS”や“パラシュート・セッション”などこのハコ特有の出し物を企画する、店長のタカハシコーキの発案だそう。普段、過剰にジャズの現場とは関わっていないと思われるのに、他のブッキングを含めてよくぞという感じではあるなあ。あ、普段は非ジャズにもたんまり関わっているからこその高い経験値を下敷きにする、しなやかな自由さは間違いなくあるだろう。
▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/ 取材
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
https://43142.diarynote.jp/201912161052582124/
▶︎過去の、和久井沙良
https://43142.diarynote.jp/202104270842552952/
<今日の、もう一つの拍手>
月見ルにおける“2PIANO 4HANDS”の2つのギグは、ともに配信用の映像が映るモニターが見える席で見ていた。複数のカメラによる、その映像は質高し。2フロア分の吹き抜けのここはクレーンを用いるカメラも導入していて、それは真上から鍵盤に指を踊らせる様をばっちり捉え、まことこの企画にドンピシャだぁ。
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