まず、りんかい線の十条駅側にあるシネカフェ・ソトに行く。ちゃんと映写機が設置されていて、映画上映ができることを売りにしている会場だが、中に入ってありゃ。映写機が置かれていた側にステージが作られていた前回来たときと異なり、逆側がステージになっていたもので。だが、後でそれには納得。LONESOME STRINGS(2007年6月29日、2012年6月14日)のこの晩のライヴは昨年秋に出された新作『ロンサムストリングスの映画音楽』(ミディ)負うものだが、なんと流す映画に合わせて彼らが演奏するという体裁を持つ実演であったのだ。

 ただし、4人が取り上げた映画音楽とは全然関係のない映画を上映するというのが、いい加減というか、今回のライヴの興味深いところ。『ロンサムストリングスの映画音楽』では、ボブ・ディランが一部出演し音楽を担当した1973年映画「ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯」やマイルス・デイヴィスが音楽を担当した1971年ドキュメンタリー映画「ジャック・ジョンソン」やマイク・ブルームフィールド/エレクトリック・フラッグが音楽を担当した1967年サイケデリック映画「白昼の幻想」やロック勢の楽曲を用いた1970年のカウンター・カルチャー映画「砂丘」(そこに使われていたピンク・フロイド、ジェリー・カガルシア、ロスコー・ホルコム、ジョン・フェイヒーの曲を、LONESOME STRINGSはアルバムで取り上げた)などの曲を素材にしていたが、ここで上映した映画はマレーネ・デートリッヒ主演の1931年モノクロ映画「間謀×27」。(関係のない映画と音楽が)ときにシンクロするところもあってのおもしろい、みたいなMC発言もあったか。そんなライヴは、昨日と今日の二日間持たれた。今日の方が手慣れていたのかな?

 映画を流すので、場内自体は暗い。最初はライトが照らされるなかで面々が演奏する様を見たいと思った。だが、徐々に映像と音楽は新たな関係を作っていく感覚も得られていき……。最後のシーンとなる囚われたスパイのデートリッヒが処刑の場に向かい銃殺される箇所で演奏されたのは、ディランの「ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア」だった。

 ギターの桜井芳樹(2001年3月24日、2005年2月19日。2007年6月29日、2012年6月14日、2014年8月16日)、スティール・ギターの田村玄一(1999年9月19日、2000年6月12日、2007年5月26日、2007年6月29日、2011年9月16日、2012年6月14日)、5弦バンジョーの原さとし(2007年6月29日、2012年6月14日、2014年8月16日)、ダブル・ベースの千ヶ崎学(2013年3月23、2016年12月29日)。千ヶ崎は松永孝義(2005年2月19日、2007年6月29日)亡き後ここで弾くようになって、3年経つという。ところで、田村や原はそれなりにエフェクターのボードを組んでいたが、桜井は一つ(ヴォリューム・ペダル?)しかギターとアンプの間につないていなくて、ほう。

▶︎過去の、ロンサム・ストリングス
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
▶︎過去の、桜井
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
▶過去の、桜井
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm シカラムータ
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
http://43142.diarynote.jp/201408180925374091/
▶︎過去の、田村
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm リトルテンポ(LKJ)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/?day=20070526 リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
http://43142.diarynote.jp/201109171049342536/ リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
▶過去の、原さとし
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
http://43142.diarynote.jp/201408180925374091/
▶︎過去の、松永孝義
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
▶︎過去の、千ヶ崎学
http://43142.diarynote.jp/?day=20130323
http://43142.diarynote.jp/201612310826453297/

 その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて に行き、アート・リンゼイ(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日、2015年6月9日、2016年9月1日、2017年6月23日)とジム・オルーク(2000年3月25日、2001年2月20日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日、2017年2月5日)のデュオ公演を見る。リンゼイは立ち、オルークは座ってパフォーマンス。この二人は、昨年もここでさしの公演を持っている。

 ギグによってはヴィンテージ・シンセサイザーだけを操ることもあるオルークだが、この晩の彼のギター演奏に専念する様に触れて、やっぱりうまい。味もエッジもあると、大きく頷く。彼は十全に音楽的な音を繰り出し、リンゼイの無勝手流の演奏を支える。リンゼイはある意味、マイ・ペースだが、普段とはまた別の“触媒”を得たことによるうれしさは出ていたのではないか。アリ曲を提示してそこに茶々を差し込み合い発展していくものを中心に、最初からインプロしていくものもあったか。

▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/
http://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
http://43142.diarynote.jp/201706240934237865/
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm ソニック・ユース
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
http://43142.diarynote.jp/201702081154435197/

<今日の、会場>
 最初の会場のカフェシネでは、それなりに由緒ありそげな日本酒を何本か、一合500円で販売したいた。常温になっちゃっていたのが痛し痒しだが、これは安い。そのLONESOME STRINGSのショウは2部制で持たれ、映画は途中で切られ、2部はその続きから上映された。一番外側の席に座っていたのを幸いに、意を決して2部の途中でお代わりを買いにでる。そのあと、本当にココロ安らぎ、実演に接することができました。このライヴの模様はミュージック・マガジン誌で書きます。

コメント