サンプラーを巧みに用いたシンガー・ソングライターであり、彼女が生まれ住むアルゼンチンの創造性の高さもあっさり示しもしちゃうファナ・モリーナ(2002年9月7日、9月15日。2003年7月29日、2011年8月1日)の公演は、やっぱりファナ・モリーナの妙味全開だった。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 5年ぶりとなるはずの新作『ウェンズデイ21』(クラムド・ディスクス)のタイトル・トラックがショウのオープナー。付属音送り出し奏者とドラマーを従え(プリセット音も過剰にならず用いる)、清新にしてほのかな流動性や刺も持つ設定とともに、今っぽい歌心をすうっと放出。コンテンポラリーだが、その襞にはアルゼンチンで育まれてきた揺れや情緒が息ずいていると思わせるのも、うっとりできる。
 
 アンコールの1曲目だかで、彼女はギター弾き語りでパフォーマンスを始める。その素の瑞々しい実演に触れて、まずは生身の実演能力が秀でた人であることを再確認。確か途中から、サンプラーを使い出した(ここらへんの記憶が曖昧)はずだが、1曲ぐらいは、まったく裸のパフォーマンスを披露してくれても良かったかも。そうすると、彼女の飛躍力もまた明快に伝わるはずだから。

▶過去の、ファナ・モリーナ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110801


<今日の、徘徊>
 ライヴのあとに知人と2軒流れたあと、共通の知り合いがいるクラブに乱入。うひゃあ。クラブにふらりと行くなんていつ以来だあ。