東京ジャズ

2016年9月3日 音楽
 15回を数える、ジャズ・フェスティヴァル@国際東京フォーラム・ホールA。以下、出演者ごとに箇条書きにて記す。

◆過去の、小曽根 真presents JFCオール・スター・ビッグ・バンド・ミーツ・ジュリアード・ジャズ・アンサンブル
 げんざい学生教育にも力を入れている(それは、かつて彼がバークリー音楽院に留学した際に受け、肯定的に感じるプログラム経験をもとに置くようだ)小曽根真(2011年3月28日、2011年8月6日、2012年8月24日、2012年9月8日、2013年8月1日、2013年10月26日、2014年9月7日、2015年9月5日)がジャズ課を持つ4つの音楽大学の選抜奏者でビッグ・バンドを組ませ、それに米ジュリアード音楽院の精鋭アンサンブル・グループ(学生よりは少し年長か)と掛け合わせるという出し物。一緒に演奏したのは、オープナーと終わりの方の2曲であったか。それそれ単独でやった曲もあり。よくまとめたなと思うとともに、学生たちがすんごく刺激を受けるととも、もしこういうのが今後も続くのなら、各音大ジャズ課学生にとっては多大なモチヴェイションにつながることと思う。
▶︎過去の、小曽根真
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/?day=20110806
http://43142.diarynote.jp/?day=20120824
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/?day=20130801
http://43142.diarynote.jp/201310280755386500/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/

◆寺井尚子ミーツ・パブロ・シーグレル
 アルゼンチン人ピアニストのパブロ・シーグレル(2012年11月21日、2013年7月12日)のグループに日本人ジャズ・ヴァイオリニスト(2011年3月28日)が加わるという出し物。2、3曲シーグレル・グループが格調高くも野心とスリルを持つ演奏をしたあと、寺井尚子が入る。そしたら、とても無理なく重なりあって、いささか驚く。タンゴ曲はもちろん、寺井の曲もやっていたようだが、十全。寺井の秀でた演奏の様に少し驚いた。
▶︎過去の、寺井尚子
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
▶︎過去の、パブロ・シーグレル
http://43142.diarynote.jp/201211231437358985/
http://43142.diarynote.jp/201307160734103127/

◆ハービー・ハンコック
 当代きってのジャズ・ピアニストであるハービー・ハンコック(2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日、2014年9月7日、2015年9月6日)が、ベーシストのジェイムズ・ジナス(2012年1月13日、2012年3月3日 、2013年9月3日、2014年9月7日、2015年3月3日)とドラマーのトレヴァー・ローレンス(2012年3月3日)とキーボードやアルト・サックスやヴォコーダーのテラス・マーティン(2016年6月2日)を擁する編成の実演。

 マーティンがハンコックの新作をプロデュースしていることで実現したプログラムだが、ここのところのエレクトリック傾向バンドの行き方を芸なくなぞり、いまいち新作の展望は持ちにくいものであったか。マーティンがヴォコーダーを多用する行き方には何かしらの芽の揺らめきがあるような気もしたが、それだってハンコックは1970年代後期にいろいろとやっており、マーティンのそれはあそこからの影響もあるはずだし……。彼は意外にサックスをぶりぶり吹いておった。

 それから、レイラ・ハサウェイ(2002年5月13日、2004年5月10日、2008年5月13日、2010年7月13日、2012年1月5日、2013年1月25日)が数曲で歌う、その部分、今回限定の華出しのための出演なのか、アルバムにつながるのかは不明。わりとフツーぽかったので、無関係の方が新作に対する期待は持てるが。しかし、彼女は歌わない時もステージ後横にいた。おおらか、気持ちのある人なんだろうな。
▶過去の、ハービー・ハンコック
http://43142.diarynote.jp/200405101355540000/
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
▶過去の、ジャイムス・ジナス
http://43142.diarynote.jp/201201141645353138/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/ ハービー・ハンコック
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ハービー・ハンコック
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/
▶︎過去の、トレヴァー・ローレンス
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/ ハービー・ハンコック
▶︎過去の、テラス・マーティン
http://43142.diarynote.jp/201606121215168031/
▶︎過去の、レイラ・ハサウェイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200805181145040000/
http://43142.diarynote.jp/201007141512402845/
http://43142.diarynote.jp/201201131544153279/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/

◆パット・メセニー&クリスチャン・マクブライド
 パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)とクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日、2014年9月7日、2016年6月26日)のサシの出し物。メセニーはエレクトリック、スティール弦とガット弦をそれぞれ張ったアコースティック・ギターを置いて順に弾き、マクブライドはダブル・ベース一本でことにあたる。けっこう、メセニーはピックで弦をギャア〜ってひっかくアヴァンギャルドな奏法も見せた。
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶過去の、クリスチャン・マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201606281735457440/

◆アロルド・ロペス・ヌッサ
 キューバ出身ピアニストのトリオ公演だが、一昨年見たとき(2014年7月19日)よりずっと良かった。セネガル出身のエレクトリック・ベーシストのアリュンヌ・ワッドウ(前回来日時は別の人が同行)と弟のルイ・エイドリアン・ロペス・ヌッサとのトリオによる演奏。アロルド・ロペス・ヌッサとアリュンヌ・ワッドウはデュオ双頭作もリリースしているが、彼はワッドウと出会ったことによりモティヴェイションがあがりっぱなしで、それが彼の私の考える広角型ジャズに輝きを与えているところはあるだろう。というか、数日前に取材をした時、そう言っていた。素で会うと、けっこう幼いあんちゃんなり。ライヴではいろいろ見せ場を作っていて、彼と弟の楽しいピアノ連弾もあり。それ、少年期のロペス・ヌッサ兄弟の所作を見透かさせるか。
▶︎過去の、アロルド・ロペス・ヌッサ・トリオ
http://43142.diarynote.jp/201407221705302936/

◆渡辺貞夫
 渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日、2014年10月5日、2014年12月14日、2015年12月12日、2016年7月3日)、意気揚々。特別プログラムで、トランペットのウォレス・ルーニー(2004年11月3日、2013年3月8日)、ピアノのビリー・チャイルズ(2012年3月15日、2016年3月27日)、ベースのベン・ウィリアムズ(2009年5月18日、2009年9月3日、2010年5月30日、2012年3月3日、2012年5月28日、2013年4月1日、2013年5月21日、2015年1月22日、2015年12月12日、2016年7月3日)、ドラムのジャフ・テイン・ワッツ(2007年12月18日、2010年10月21日、2012年1月13日、2015年3月10日)という面々を呼んでのパフォーマンスを披露。直近のブルーノート東京公演の際より、アルトが鳴っている様に思えたが、前回はオルタナ情緒を抱えるがゆえののりにくさがあったのかもと、これを見ながらぼくは思った。

▶過去の、渡辺貞夫
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/20041221210502000
http://43142.diarynote.jp/200512231955480000/
http://43142.diarynote.jp/200608091255180000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200610080946310000/
http://43142.diarynote.jp/200712171350530000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200907310048137248/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201107111008176019/
http://43142.diarynote.jp/201207031353196616/
http://43142.diarynote.jp/201212171647134119/
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201310050701201281/
http://43142.diarynote.jp/201407091243129270/
http://43142.diarynote.jp/201410061850124929/
http://43142.diarynote.jp/201412281017371613/
http://43142.diarynote.jp/201512151504068292/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
▶︎過去の、ウォレス・ルーニー
http://43142.diarynote.jp/200411071405440000/
http://43142.diarynote.jp/201303110415585115/
▶過去の、ビリー・チャイルズ
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201603281027273371/
▶過去の、ベン・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100530
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201205301445023004/
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
▶過去の、ジャフ・テイン・ワッツ
http://43142.diarynote.jp/200712190953140000/
http://43142.diarynote.jp/201010221631583852/
http://43142.diarynote.jp/201201141645353138/
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150310

 ホールA<夜の部>の3組の出し物が終わり外に出ると、野外無料ステージでパキスタンの変則楽団のサッチャル・ジャズ・アンサンブル(の選抜メンバー)たちが演奏している。ホールから出てきた観客も加わったのだろう、すごい人だかり。面々は床に座って演奏しているはずなので、指揮者以外は全くパーフォーマンスの様子を見ることはできない。あれ、本来いないはずのキーボードやベースの音も聞こえるが、これは???? 当たりカヴァー「テイク・ファイヴ」のときの喝采のすごいことといったなら。

<今日の、パキやん魂?>
 今回の東京ジャズ初日は結構時間的にルーズ〜演奏者たちはタイム・テーブル時間よりも遅めに始まり、演奏は長めにやっていた。そんなわけなので、昼の部と夜の部の間の夕方にインタヴューの予定が入っていたのだが、ハンコックのライヴは最後まで見ずに取材会場に向わざるをえなかった。相手は、クラウド・ファンウンディングで来日が実現し、東京ジャズにも出演したサッチャル・ジャズ・アンサンブル。その代表者3人が答えてくれた(スタジオ所有者、指揮者、ギター奏者。取材はパンジャーブ語でなされると聞いていたが、昔東京でジャズ・アルバムを買っていたというスタジオ所有者が英語で主に回答した)が、彼らの映画「ソング・オブ・ラホール」や有名ポッパー/ロッカーたちがゲスト入りしてポップ曲をやっている(ゆえに、映画とは無関係な)新作『ソング・オブ・ラホール』について、正直に否定的な意見をぶちかましてくれて、あらら。映画の方は、成り立ちをつたえるパキスタンでの映像とウィントン・マルサリス(2000年3月9日)のオーケストラと共演するNY映像がくっつく。映画のNYでのライヴ映像には、ダン・ニマー(2014年4月24日)やアリ・ジャクソン(2012年6月8日、2014年4月24日)らも出てくる。その映画、乱暴に言えば、「ブルース・ブラザース」、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」や「ミュージック・クバーナ」(2006年4月20日)、「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」の系統にあると言える?

▶過去の、ウィントン・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
▶過去の、ダン・ニマー
http://43142.diarynote.jp/201404260901127573/
▶︎過去の、アリ・ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
http://43142.diarynote.jp/201404260901127573/
▶︎過去の、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(バンド)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm 
http://43142.diarynote.jp/?day=20130907
▶︎過去の、映画「ミュージック・クバーナ」
http://43142.diarynote.jp/200604211538590000/
▶︎過去の、映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」
http://43142.diarynote.jp/?day=20100630

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