クール&ザ・ギャング。勝井祐二×ミト
2014年12月26日 音楽 聞き手によって、そのアーティスト観が大きく異なるという担い手がいる。たとえば、ロス・ロボス(2004年10月7日、2005年7月31日、2011年1月19日)。もともとはイーストLAの土着チカーノ・ロックンロール・バンドであったが、アルバム・デビューして約15年後に彼らは大きく舵を取った。少なくてもアルバム上においては、音色/音響に大胆細心に凝ったサイバーなロック・バンドへと、彼らは転換する。新路線にあった清新さは、そのプロデューサーであるミッチェル・フルームとチャド・ブレイクを一躍時代の寵児な制作者にした。あの鮮やかな変化は、ファン層を大きく二分したかもしれない。
クール&ザ・ギャングという、1970年代のウォー(2007年11月6日、2009年8月9日)やEW&F(2006年1月19日、2012年5月17 日)と肩を並べたNYのアフリカンたちのバンドも、同様。いや、ぼくにてっては、ロス・ロボス以上に大きな聞き手の“断絶”を自ら持ち込んだグループと言わざるをえない。その変換期は1977年とか1978年。それ以前は豪快に彷徨するブラス体をかかえたグルーヴィ極まりない超弩級のファンク・バンド。そして、メロディアス要素も少し入れた1977年の『ザ・フォース』をリリースした後は、柔和な、過去と比較するなら猫をかぶりまくったポップ・ソウル・バンドとして、彼らは活動する。見事なぐらい、変化前も変化後も、セールスは上々。秀でたソング・ライティング力があったことが前提となるが、リーダーのロバート“クール”ベルは見事に米国ブラック・ミュージックのメインストリームの変化を読み取ったというしかない。
だけどさあ、オレは昔のギトギトしていてイナたいクール&ザ・ギャングが好きなんだよお。ポップ期クール&ザ・ギャングのフロント・マンであるJ.T.テイラー公演(2006年11月27日、2014年3月4日)の項で触れているように、今ならばポップ期のクール&ザ・ギャングもにっこり聞けちゃう。だけど、どっちかしか聞けないとなったら、ぼくは当然1970年代上半期の彼らを取る。そのころの彼の表現は代えがないが、後の彼らに代えがある。
ベーシストのロバート”クール”ベルは健在なのだな。横を通った彼を見たら、そんなに老けてない。あと、打楽器とキーボードのジョージ“ファンキー”ブラウン(彼もそんなにじじいに見えない)もオリジナル・メンバーと言っていいのかな。他に構成員はギター、ドラム、キーボード、トランペット2、サックス。そして、ヴォーカルを取る青年が2人いて、主に歌うほうはときにギターも手にする。もう一人は背が高く、格好いい。ステージ前にいるヴォーカル2人と管奏者はよく動き、健気にポーズを決める。ポップ期のクール&ザ・ギャング曲はあまり管音を必要としないので、それも当然。というか、途中で3曲昔のファンク・チューン(「N.T.」、「ジャングル・ブギー」、「ハルウッド・スウィング」。なぜに、「ファンキー・スタッフ」はやらん?)を披露した以外はすべて1970年代後期以降の曲(やはり、いい曲が多い、とは素直に思う)をやったのだから、基本ブラス奏者は演奏で活躍する場があなりない。15〜20分ぐらいだけのために、よく3人の管奏者を抱えているナ。そうした効率化をはからない姿勢は偉い。だけど、クール・ベルの中にも、<今クール&ザ・ギャングと言えば、1970年代後期以降の姿>という認識があるのか。
トランペッター1/2のマイケル・レイは1970年代からサン・ラー・アーケストラ(2000年8月14日、2002年9月7日、2003年7月25日、2014年7月4日)にいて、1980年代に入ると、クール&ザ・ギャングも掛け持ちするようになった。実は、「ジャングル・ブギー」のリフを聞きながら、本当にあの頃の彼らの管セクション音って個性があり格好いいと思ったが、この晩聞いた音はけっこう不揃いであった。それを目の当たりにし、クール&ザ・ギャングのホーン・セクション音って難しいんだなと実感もした。
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。視覚的にも、いろんな楽しみを提供したショウであり、満場の客もけっこう立っていた。でも、上に書いた理由で、ぼくにとってはうれしさも中ぐらいナリ。で、ありました。だけど、次来たら、また行くゼっ!
▶過去の、ロス・ロボス
http://43142.diarynote.jp/200410162216580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
▶過去の、ウォー関連
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
2006年1月19日、2008年3月21日、2011年9月15日、2012年5月17 日)
▶過去の、E.W.&.F.関連
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm フィリップ・ベイリー
http://43142.diarynote.jp/200601271855390000/
http://43142.diarynote.jp/200803051002560000/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/200804030045430000/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/ ラリー・ダン シェルドン・レイノルズ
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/ フィリップ・ベイリー モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201109171048385669/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201209191235365909/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201301051329276221/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201205301252113538/
http://43142.diarynote.jp/201412011305372891/ アル・マッケイ
▶過去の、J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
▶過去の、サン・ラー・アーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201407051336285619/
その後、千駄木・Bar Issheeに行く。セカンド・セットから見た。
出し物は勝井祐二(2000年7月29日、2000年9月14日、2002年9月7日、2002年9月14日、2003年3月6日、2003年7月29日、2004年1月16日、2004年5月28日、2004年5月31日、2004年6月2日、2004年6月3日、2004年11月19日、2005年2月15日、2005年2月19日。2005年4月11日。2005年10月30日、2006年5月30日、2006年7月7日、2006年8月27日,2006年12月3日,2006年12月28日、2007年6月29日、2008年1月30日、2008年2月18日、2012年12月23日、2013年1月7日、2013年2月11日、2013年6月6日、2014年7月8日、他)とクラムボン(2007年9月24日)のミトのデュオ。勝井は5弦のエレクトリック・ヴァオリンをエフェクター込みで扱い、ミトはアナログ・シンセサイザーとリズム・マシーンをオペレートしていたのかな。ミトがピンク・フロイドの「虚空のスキャット」の出だしのサウンドみたいなのを出すのから、2人の演奏は始まったそれは、乱暴に書けば、プログ・ロック・ビヨンドのインプロ表現……。店主の石田さんの思いつきのもと、両者は今日初めての顔合わせだったよう。噛み合っているんだかいないんだかよく分らぬ会話でも、2人は延々と丁々発止しておりました。
▶過去の、勝井/ROVO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/
http://43142.diarynote.jp/200406080043380000/
http://43142.diarynote.jp/200406100011020000/
http://43142.diarynote.jp/200406111859060000/
http://43142.diarynote.jp/200411231717590000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050215
http://43142.diarynote.jp/?day=20050219
http://43142.diarynote.jp/200511130013450000/
http://43142.diarynote.jp/200606071931300000/
http://43142.diarynote.jp/200607100307170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060827
http://43142.diarynote.jp/200612060136540000/
http://43142.diarynote.jp/200612291257400000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/200802051634040000/
http://43142.diarynote.jp/200802212248350000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121223
http://43142.diarynote.jp/201301151819527787/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/201306111556299464/
http://43142.diarynote.jp/201407091243129270/
▶過去の、ミト/クラムボン
http://43142.diarynote.jp/200709261218590000/
<今日の、念願>
1年半の休息を経て、この8月から新店舗で営業をはじめたBar Issheeにやっと行った。年内、なんとか間に合った。渋谷にあった(ぼくは”渋谷フリー・ミュージックの聖地”なんて、知り合いに説明したりしていたな)ころには時々顔を出していたが、千代田線で東京を横断する感覚を持ってしまう千駄木は生理的な距離感も感じてしまい、なかなか行けなかった。ともあれ、駅を出てからは近い。地下一階にあり、同フロアのもう一つのお店は居酒屋(食べ物の出前、取れるそう)。今度のお店は、長方形なのか。やるほうにとっても、見るほうにとってもやりやすいか。前は、ジャズのライヴをやっていたお店だったそう。
クール&ザ・ギャングという、1970年代のウォー(2007年11月6日、2009年8月9日)やEW&F(2006年1月19日、2012年5月17 日)と肩を並べたNYのアフリカンたちのバンドも、同様。いや、ぼくにてっては、ロス・ロボス以上に大きな聞き手の“断絶”を自ら持ち込んだグループと言わざるをえない。その変換期は1977年とか1978年。それ以前は豪快に彷徨するブラス体をかかえたグルーヴィ極まりない超弩級のファンク・バンド。そして、メロディアス要素も少し入れた1977年の『ザ・フォース』をリリースした後は、柔和な、過去と比較するなら猫をかぶりまくったポップ・ソウル・バンドとして、彼らは活動する。見事なぐらい、変化前も変化後も、セールスは上々。秀でたソング・ライティング力があったことが前提となるが、リーダーのロバート“クール”ベルは見事に米国ブラック・ミュージックのメインストリームの変化を読み取ったというしかない。
だけどさあ、オレは昔のギトギトしていてイナたいクール&ザ・ギャングが好きなんだよお。ポップ期クール&ザ・ギャングのフロント・マンであるJ.T.テイラー公演(2006年11月27日、2014年3月4日)の項で触れているように、今ならばポップ期のクール&ザ・ギャングもにっこり聞けちゃう。だけど、どっちかしか聞けないとなったら、ぼくは当然1970年代上半期の彼らを取る。そのころの彼の表現は代えがないが、後の彼らに代えがある。
ベーシストのロバート”クール”ベルは健在なのだな。横を通った彼を見たら、そんなに老けてない。あと、打楽器とキーボードのジョージ“ファンキー”ブラウン(彼もそんなにじじいに見えない)もオリジナル・メンバーと言っていいのかな。他に構成員はギター、ドラム、キーボード、トランペット2、サックス。そして、ヴォーカルを取る青年が2人いて、主に歌うほうはときにギターも手にする。もう一人は背が高く、格好いい。ステージ前にいるヴォーカル2人と管奏者はよく動き、健気にポーズを決める。ポップ期のクール&ザ・ギャング曲はあまり管音を必要としないので、それも当然。というか、途中で3曲昔のファンク・チューン(「N.T.」、「ジャングル・ブギー」、「ハルウッド・スウィング」。なぜに、「ファンキー・スタッフ」はやらん?)を披露した以外はすべて1970年代後期以降の曲(やはり、いい曲が多い、とは素直に思う)をやったのだから、基本ブラス奏者は演奏で活躍する場があなりない。15〜20分ぐらいだけのために、よく3人の管奏者を抱えているナ。そうした効率化をはからない姿勢は偉い。だけど、クール・ベルの中にも、<今クール&ザ・ギャングと言えば、1970年代後期以降の姿>という認識があるのか。
トランペッター1/2のマイケル・レイは1970年代からサン・ラー・アーケストラ(2000年8月14日、2002年9月7日、2003年7月25日、2014年7月4日)にいて、1980年代に入ると、クール&ザ・ギャングも掛け持ちするようになった。実は、「ジャングル・ブギー」のリフを聞きながら、本当にあの頃の彼らの管セクション音って個性があり格好いいと思ったが、この晩聞いた音はけっこう不揃いであった。それを目の当たりにし、クール&ザ・ギャングのホーン・セクション音って難しいんだなと実感もした。
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。視覚的にも、いろんな楽しみを提供したショウであり、満場の客もけっこう立っていた。でも、上に書いた理由で、ぼくにとってはうれしさも中ぐらいナリ。で、ありました。だけど、次来たら、また行くゼっ!
▶過去の、ロス・ロボス
http://43142.diarynote.jp/200410162216580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
▶過去の、ウォー関連
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
2006年1月19日、2008年3月21日、2011年9月15日、2012年5月17 日)
▶過去の、E.W.&.F.関連
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm フィリップ・ベイリー
http://43142.diarynote.jp/200601271855390000/
http://43142.diarynote.jp/200803051002560000/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/200804030045430000/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/ ラリー・ダン シェルドン・レイノルズ
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/ フィリップ・ベイリー モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201109171048385669/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201209191235365909/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201301051329276221/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201205301252113538/
http://43142.diarynote.jp/201412011305372891/ アル・マッケイ
▶過去の、J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
▶過去の、サン・ラー・アーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201407051336285619/
その後、千駄木・Bar Issheeに行く。セカンド・セットから見た。
出し物は勝井祐二(2000年7月29日、2000年9月14日、2002年9月7日、2002年9月14日、2003年3月6日、2003年7月29日、2004年1月16日、2004年5月28日、2004年5月31日、2004年6月2日、2004年6月3日、2004年11月19日、2005年2月15日、2005年2月19日。2005年4月11日。2005年10月30日、2006年5月30日、2006年7月7日、2006年8月27日,2006年12月3日,2006年12月28日、2007年6月29日、2008年1月30日、2008年2月18日、2012年12月23日、2013年1月7日、2013年2月11日、2013年6月6日、2014年7月8日、他)とクラムボン(2007年9月24日)のミトのデュオ。勝井は5弦のエレクトリック・ヴァオリンをエフェクター込みで扱い、ミトはアナログ・シンセサイザーとリズム・マシーンをオペレートしていたのかな。ミトがピンク・フロイドの「虚空のスキャット」の出だしのサウンドみたいなのを出すのから、2人の演奏は始まったそれは、乱暴に書けば、プログ・ロック・ビヨンドのインプロ表現……。店主の石田さんの思いつきのもと、両者は今日初めての顔合わせだったよう。噛み合っているんだかいないんだかよく分らぬ会話でも、2人は延々と丁々発止しておりました。
▶過去の、勝井/ROVO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/
http://43142.diarynote.jp/200406080043380000/
http://43142.diarynote.jp/200406100011020000/
http://43142.diarynote.jp/200406111859060000/
http://43142.diarynote.jp/200411231717590000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050215
http://43142.diarynote.jp/?day=20050219
http://43142.diarynote.jp/200511130013450000/
http://43142.diarynote.jp/200606071931300000/
http://43142.diarynote.jp/200607100307170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060827
http://43142.diarynote.jp/200612060136540000/
http://43142.diarynote.jp/200612291257400000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/200802051634040000/
http://43142.diarynote.jp/200802212248350000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121223
http://43142.diarynote.jp/201301151819527787/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/201306111556299464/
http://43142.diarynote.jp/201407091243129270/
▶過去の、ミト/クラムボン
http://43142.diarynote.jp/200709261218590000/
<今日の、念願>
1年半の休息を経て、この8月から新店舗で営業をはじめたBar Issheeにやっと行った。年内、なんとか間に合った。渋谷にあった(ぼくは”渋谷フリー・ミュージックの聖地”なんて、知り合いに説明したりしていたな)ころには時々顔を出していたが、千代田線で東京を横断する感覚を持ってしまう千駄木は生理的な距離感も感じてしまい、なかなか行けなかった。ともあれ、駅を出てからは近い。地下一階にあり、同フロアのもう一つのお店は居酒屋(食べ物の出前、取れるそう)。今度のお店は、長方形なのか。やるほうにとっても、見るほうにとってもやりやすいか。前は、ジャズのライヴをやっていたお店だったそう。
コメント