九段下・日本武道館。武道館手前で警備員に、駐車場が満車なのでUター
ンして手前の駐車場に止めてほしいと言われる。車で来る人が多くなる休
日ならともかく、平日でもそんなことがあるのか。アダムスのファンは車を
乗っている人が多いのか。

 満員。仕切りとかがない開放的なステージ設置がなされていて、けっこう
横のほうにもお客が入れられている。彼のことを見るのは初めて。そんなぼ
くは彼のことをどーでいい人と思っている。10年強前に一度、彼のアルバム
の雑誌レヴューを受けてしまい、予定調和な産業ロックぶりに辟易したこと
もあった。だが、結論としては、こういうロックがあってもいい、とは思え
たかな。ランクルやプリウスやMR2があり、一方でカローラを愛好する人
がいてもいいでしょう。それ自体はかなり良くできているのだから。

 とにかく驚かされたのは、その若々しさ。遠目には20代後半と言われれば
信じてしまいそう。短く刈り込んだ顔は精悍だし、体も非常に締まっている
。素直にカッコいいと思えるし、スターとして努力しているナというのがよ
く判る。で、サウンドのほうも生だと思ったほど産業ぽくないし、それなり
に骨っぽい表現を送りだしていたのではないか。ぼくが知っている曲はあま
りなかったが、オーディエンスはけっこう一緒に歌っていたな。それから、
おおっと思ったのは、アダムス以下、みんな黒いTシャツ(無地のもので、
本当に安そうなそれ)とジーンズというお揃いの格好だったこと。爽やか体
育界系、ここにあり? 面白いのはステージ中央だけでなく、左右両端にも
マイク・スタンドを置き、けっこうそっちにも出向き横にいる人を対象に歌
うこと。サーヴィス満点。お客様は神様です。だが、それがワザとらしくな
いところは人徳でしょう。ふーん。戦々恐々と会場入りしたのだが、まあ見
ても良かったとはしっかり思えました。