桜は本当に綺麗だなあ。花見はいいなあ。毎年、このころ満開だといいの
になあ。もし、なかなか散らない桜なんてのが出てきたら、そりゃ大発明だ
なあ。

 花見でしっかりと浮かれてから、恵比寿・リキッドルーム。場内入りする
と(そんなに混み合っていないのが嬉しい)、K7!と契約するベルギーの
DJ二人組ザ・グリマーズが回している。入口正面、ステージに向かって左
側のところにブースが設営され、そこに二人が和気あいあいと作業している
。なんか、微笑ましい。そんなにちゃんと接しなかったが、ロック的なフッ
クを持つそれと言えるか。最後は大ベタな、ストーンズの「スタート・ミー
・アップ」。あ、ザ・グリマーズって名前、ミック・ジャガーとキース・リ
チャーズの共同作曲者チーム名である、グリマー・トゥインズから来ていた
りして?

 で、切れ目なく(タイムテーブル定刻の10時半)、シアトルのキッチュな
ダンス・ポップの送り手、ユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカ
が登場。リード・ヴォーカルがヴォコーダー使用なこともあり音盤だとダフ
ト・パンクみたいな印象を与える連中だが、生では7人編成のバンドにて生
音で勝負する。ギター/キーボード、ヴォーカル。キーボード、ヴォーカル
。ギター。女性コーラス、二人。そして、ベースとドラム(一曲、ラップも
)。まず曲がいいし、ちゃんと実演能力を持つ、相当に秀逸なパーティ・バ
ンド。ポップなダンス・ミュージックもろもろの、ラヴリーな集積あり。だ
から、高揚感とともに癒しの感覚もしっかり持つ。ちゃんとお金が取れます
ね。こんなバンドが小音量で花見の場にいたら、すごくいいんじゃあなーい
とも思った。あー、花見モードが続いている。

 本編、70分。アンコール5分。楽しかった。終演後、一緒に流れるような
人がいず(まあ、時間も時間だけどよお)、なんとなく家まで歩いて帰っち
ゃおっかなー、となる。帰り道、花見名所の目黒側ぞい(いや、本当に見事
だと思います)をゆっくりと通って帰宅するのもこの季節ならオツじゃない
か。目黒川まで来るとけっこう人はいた。ざわざわ。その側に住んでいる人
はちとうるさいだろうなあ。だが、川の両側にずらりと設置された提灯ライ
ト(すごい、数だろうなあ。普段はどこに保管しているんだろう? とか、
余計なことを考えたくなる)はすでに消灯されていて、暗がりのなか桜が非
常に地味に見えてそれにはがっかり。提灯の光量って凄かったんだあ。魅力
90パーセント減。だが、なぜか知り合いとは会い、近くに流れる。で、時々
ぼくの頭のなかにはユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカの至福
的ダンス・チューンがぽわーんと頭のなかで流れていたのであった。