チキンシャック。ベッカ・スティーヴンス・バンド
2015年1月29日 音楽 異能ギタリストの山岸潤史(1999年8月5日、2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30日、2005年7月31日、2007年2月3日、2007年2月4日、2007年2月5日、2008年9月11日、2009年5月19日、2009年7月27日、2010年8月4日、2011年5月17日、2012年9月8日、2013年6月13日、2014年7月29日)はこのライヴのためだけに、訪日。この公演を終え、すぐにニューオーリンズに戻るという。そりゃ、マルディグラのシーズンに突入だからね。今年で、彼はニューオーリンズに渡って20年となる。
バブル期のころ六本木で結成されたソウル思慕を滲ませるアーバン・フュージョン・バンドで、2年前から再び活動するようになり、山岸をはじめ3/5がオリジナル・メンバーとなる。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。彼らの持ち曲とともに、昨年亡くなったジョー・サンプル・トリビュート曲(ザ・クルセイダーズの「ストリート・ライフ」)など、今回のショウ向けの楽曲も披露。山岸が参加していたサンプルのクリオール・バンドは故人の遺志で息子のニック・サンプルとレイ・パーカーJr.を中心に活動を維持、もちろん山岸も継続して関与するという。山岸がニューオーリンズの音楽界の中枢に立つのを助けたザ・ワイルド・マグノリアスのチーフだったボー・ドリスも亡くなったばかりで、コメントあり。最初に山岸があの映えあるマルディグラ・インディアン・グループの一員/音楽監督的立場で来日したときは、ほんとに胸がたかなったよなー。蛇足だが、山岸が加入したころ、ちょうどザ・ワイルド・マグノリアスはブルーノートと契約。そして、ブルーノートの弁護士を通じて、彼は米国のグリーンカードを取得した。それまでは、ジョン・スコフィールドのお兄さん(ニューオーリンズ在住のジョン・ビッガム)の事務所を通して取ろうとしていたが、相談料とかお金だけふんだくられつつ、取得できないでいたのだった。
▶過去の。チキンシャック
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
▶過去の、山岸
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040330
http://43142.diarynote.jp/200508060616450000/
http://43142.diarynote.jp/200508060622480000/
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
http://43142.diarynote.jp/200809160030188727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090519
http://43142.diarynote.jp/?day=20090727
http://43142.diarynote.jp/?day=20100804
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
http://43142.diarynote.jp/201408051721103640/
そして、丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。音大出身(NYのニュー・スクール大学。現在、ジェイソン・モランをはじめ、同大出身者がNYの音楽界で結構のしている)のシンガー・ソングライター。ぎょ、ほぼフル・ハウス。2日前の初日に行った人からそんなに混んでいないときいていたのだが、評判が評判を呼び、どんどん予約が入っていったよう。
アコースティック・ギター、ウクレレ、チャランゴなどを弾きながら歌う当人にくわえ、鍵盤(アコーディオン、ピアノ、キーボード)、ウッド・ベース、ドラムがサポート。彼らが彼女を絶妙に持ち上げる様はなるほどこれは“ワーキング・バンド”と思わせるもので、ベッカ・スティーヴンス・バンドと名乗るのもとても納得が行く。細やかな工夫を持つ演奏だけでなく、鍵盤とベース奏者のコーラスもこれはいいなあと思わせる。片手にシェイカーを持ちもう片方はスネアを叩くというような、純ドラム・セットの奏法から離れることも多かったドラマーはカサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2011年5月5日 、2013年5月31日)『ニュー・ムーン・ドーター』のころのリズム音をよく研究していると思わせた。
なるほどの、示唆に富むアーティスト。弦楽器を爪弾きながらエスペランサを想起させるようなちょい捉えどころのないメロディを悠々と歌うだけでも脱ジャンル的ポップ・ミュージックの素敵をたっぷり伝えるのに、そこに吟味された他楽器音やコーラスが加わり、その総体は自在に伸縮し、いろんなシェイプを描き、色合いもだすのだから、聞き入ってしまう。<今の、有機的な都会のフォーキー・ミュージック>、<ワールド音楽やジャズをはじめとする様々な音楽を享受できる今だからこその、大人の手作りポップ表現>、ここにあり! 彼女やエスペランサ(2008年9月5日、2008年12月1日、2010年9月4日、2011年2月17日、2012年3月7日、2012年9月9日)やグレッチェン・パーラト(2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日)やレベッカ・マーティン(2009年3月1日)らはアルバムに参加し合ったりもし、同じ立ち位置にいると言えなくもないが、歌が一番うまく存在感があるのはスティーヴンスかな。
あと、彼女たちを聞きながら、……。<ザ・ビートルズはリアル・タイムで聞けなかったぼくではあるが、T・レックスはそうできたことには至福を感じる>というようなことを、ぼくはある原稿で書いたことがあるのだけど、それに倣えば、<ジョニ・ミッチェルは間に合わなかったけど、ベッカにはリアル・タイムで接っせて超幸せ>と感じる若い人がいても不思議はないなあ、なんてことをふと思った。そりゃ、今のところはミッチェルのほうが才は上だが(まあ、比較するものでもないが)、ひらりと枠をとっぱらうスティーヴンスも本当に素晴らしい。
ずっこけたのは、研ぎすまされていてクールでもある音楽自体と、音楽をやらない時=MCの際との彼女の持ち味の落差がすごいこと。喋ると、フランク極まりないヤンキー娘100%。もう、張りつめた演奏中に誰かがグラスを落としてがしゃーんという音を出しても、ナイスな効果音ねとか言ってヘラヘラ喜びそうな感じがあるもの。それから、太目の二の腕を剥き出しにする、ノー・スリーヴの黒色のジャンプスーツという格好も謎というか、まるっきり彼女が送り出す音楽性と合わない。でも、あのキャラクターだったらしょうがないかとも思える?
初来日。彼女は日本や日本の聞き手が大好きになってしまったようで、それもあっけらかんと露にする。アンコールではジョニ・ミッチェル、スミス、スティーヴ・ウインウッド(2003年7月27日)の3人の先達の名前を挙げ、客の拍手の大きさでカヴァー曲を選ぶということもやった。別に拍手が大きいとは思わなかったが、彼女がそこで選んだのはウィンウッド曲。そして、2度目のアンコールに出て来て、ミッチェル曲を披露した。そのアレンジ処理も実にお見事!
本質と繋がった、有機的な現代オルタナティヴ・ポップ、確かなかたち。その実演能力にも満ちたショウは、音楽の女神が舞っていた。
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm オーシャン・ブルー・ジャズ・フェスティヴァル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200409070203440000/
http://43142.diarynote.jp/200808121357410000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201306060609052151/
▶過去の、エスペランサ
http://43142.diarynote.jp/200809071430380000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20081201
http://43142.diarynote.jp/?day=20100904
http://43142.diarynote.jp/201102190814495504/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120307
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
▶過去の、パーラト
http://43142.diarynote.jp/200902040424558168/
http://43142.diarynote.jp/201202251301444372/
http://43142.diarynote.jp/201303221327416224/
▶過去の、レベッカ・マーティン
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
▶過去の、スティーヴ・ウィンウッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm フジ・ロック
<今日の、オートグラフ>
ぼくがインタヴュー取材をしたりする境遇になって以降、プロ意識からわりと心がけているのは、取材時にサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりしないこと。←変なところ、潔癖というか、意固地だったよねー。まあ、かつては馬鹿みたいにインタヴューする機会が多くて(レギュラーで持っていたFMステーション誌だけでも、週に2回ほど来日ミュージシャンに取材していたよナ)、いちいち絡んでいたらキリがねえという思いもあったけど。とはいえ、例外はあって、先方から一緒に写真を撮ろうよと言ってきた場合や、よほど好きな人と会うときは別。大昔、P-ファンクの主要メンバーとの2ショット写真制覇なんて、意気込んでいたこともあった。でも、職歴の長さからすれば、あっと驚くほど、ぼくはミュージシャンと一緒に撮った写真やもらったサインなどは所有していないと思う。どうせ、だらしないので、どっかに行ってしまうしね。だが、この日は公演前に楽屋で山岸潤史にニューオーリンズ話を聞く取材があったので、ベーシストのウォーネルさんに、彼の若き日のステージ写真が二葉ほどジャケットに載せられている(当然、演奏もきっちりしている)ニルス・ロフグレンの『ナイト・アフター・ナイト』(A&M、1977年)のアナログを持参し、サインをもらってしまう。そのとき、彼はまだ10代であったとか。外見は変わっていないと、ジャケの写真を見た他のメンバーからひやかされていました。今回わざわざサインをもらった理由は、前回のチキンシャック公演時の文章に書いてあります。ロック心が密かに燃える……。ぼく、ロック・バンドで演奏する黒人ミュージシャンが大好きでした。ウォーネル・ジョーンズは行ったり来たりしたものの、1985年から東京に住んでいるという。こっちに来て、そんなに長いのかあ。2010年代にはいるまで、とんと知りませんでした。
バブル期のころ六本木で結成されたソウル思慕を滲ませるアーバン・フュージョン・バンドで、2年前から再び活動するようになり、山岸をはじめ3/5がオリジナル・メンバーとなる。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。彼らの持ち曲とともに、昨年亡くなったジョー・サンプル・トリビュート曲(ザ・クルセイダーズの「ストリート・ライフ」)など、今回のショウ向けの楽曲も披露。山岸が参加していたサンプルのクリオール・バンドは故人の遺志で息子のニック・サンプルとレイ・パーカーJr.を中心に活動を維持、もちろん山岸も継続して関与するという。山岸がニューオーリンズの音楽界の中枢に立つのを助けたザ・ワイルド・マグノリアスのチーフだったボー・ドリスも亡くなったばかりで、コメントあり。最初に山岸があの映えあるマルディグラ・インディアン・グループの一員/音楽監督的立場で来日したときは、ほんとに胸がたかなったよなー。蛇足だが、山岸が加入したころ、ちょうどザ・ワイルド・マグノリアスはブルーノートと契約。そして、ブルーノートの弁護士を通じて、彼は米国のグリーンカードを取得した。それまでは、ジョン・スコフィールドのお兄さん(ニューオーリンズ在住のジョン・ビッガム)の事務所を通して取ろうとしていたが、相談料とかお金だけふんだくられつつ、取得できないでいたのだった。
▶過去の。チキンシャック
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
▶過去の、山岸
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そして、丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。音大出身(NYのニュー・スクール大学。現在、ジェイソン・モランをはじめ、同大出身者がNYの音楽界で結構のしている)のシンガー・ソングライター。ぎょ、ほぼフル・ハウス。2日前の初日に行った人からそんなに混んでいないときいていたのだが、評判が評判を呼び、どんどん予約が入っていったよう。
アコースティック・ギター、ウクレレ、チャランゴなどを弾きながら歌う当人にくわえ、鍵盤(アコーディオン、ピアノ、キーボード)、ウッド・ベース、ドラムがサポート。彼らが彼女を絶妙に持ち上げる様はなるほどこれは“ワーキング・バンド”と思わせるもので、ベッカ・スティーヴンス・バンドと名乗るのもとても納得が行く。細やかな工夫を持つ演奏だけでなく、鍵盤とベース奏者のコーラスもこれはいいなあと思わせる。片手にシェイカーを持ちもう片方はスネアを叩くというような、純ドラム・セットの奏法から離れることも多かったドラマーはカサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2011年5月5日 、2013年5月31日)『ニュー・ムーン・ドーター』のころのリズム音をよく研究していると思わせた。
なるほどの、示唆に富むアーティスト。弦楽器を爪弾きながらエスペランサを想起させるようなちょい捉えどころのないメロディを悠々と歌うだけでも脱ジャンル的ポップ・ミュージックの素敵をたっぷり伝えるのに、そこに吟味された他楽器音やコーラスが加わり、その総体は自在に伸縮し、いろんなシェイプを描き、色合いもだすのだから、聞き入ってしまう。<今の、有機的な都会のフォーキー・ミュージック>、<ワールド音楽やジャズをはじめとする様々な音楽を享受できる今だからこその、大人の手作りポップ表現>、ここにあり! 彼女やエスペランサ(2008年9月5日、2008年12月1日、2010年9月4日、2011年2月17日、2012年3月7日、2012年9月9日)やグレッチェン・パーラト(2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日)やレベッカ・マーティン(2009年3月1日)らはアルバムに参加し合ったりもし、同じ立ち位置にいると言えなくもないが、歌が一番うまく存在感があるのはスティーヴンスかな。
あと、彼女たちを聞きながら、……。<ザ・ビートルズはリアル・タイムで聞けなかったぼくではあるが、T・レックスはそうできたことには至福を感じる>というようなことを、ぼくはある原稿で書いたことがあるのだけど、それに倣えば、<ジョニ・ミッチェルは間に合わなかったけど、ベッカにはリアル・タイムで接っせて超幸せ>と感じる若い人がいても不思議はないなあ、なんてことをふと思った。そりゃ、今のところはミッチェルのほうが才は上だが(まあ、比較するものでもないが)、ひらりと枠をとっぱらうスティーヴンスも本当に素晴らしい。
ずっこけたのは、研ぎすまされていてクールでもある音楽自体と、音楽をやらない時=MCの際との彼女の持ち味の落差がすごいこと。喋ると、フランク極まりないヤンキー娘100%。もう、張りつめた演奏中に誰かがグラスを落としてがしゃーんという音を出しても、ナイスな効果音ねとか言ってヘラヘラ喜びそうな感じがあるもの。それから、太目の二の腕を剥き出しにする、ノー・スリーヴの黒色のジャンプスーツという格好も謎というか、まるっきり彼女が送り出す音楽性と合わない。でも、あのキャラクターだったらしょうがないかとも思える?
初来日。彼女は日本や日本の聞き手が大好きになってしまったようで、それもあっけらかんと露にする。アンコールではジョニ・ミッチェル、スミス、スティーヴ・ウインウッド(2003年7月27日)の3人の先達の名前を挙げ、客の拍手の大きさでカヴァー曲を選ぶということもやった。別に拍手が大きいとは思わなかったが、彼女がそこで選んだのはウィンウッド曲。そして、2度目のアンコールに出て来て、ミッチェル曲を披露した。そのアレンジ処理も実にお見事!
本質と繋がった、有機的な現代オルタナティヴ・ポップ、確かなかたち。その実演能力にも満ちたショウは、音楽の女神が舞っていた。
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm オーシャン・ブルー・ジャズ・フェスティヴァル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
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▶過去の、エスペランサ
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▶過去の、パーラト
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▶過去の、レベッカ・マーティン
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▶過去の、スティーヴ・ウィンウッド
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<今日の、オートグラフ>
ぼくがインタヴュー取材をしたりする境遇になって以降、プロ意識からわりと心がけているのは、取材時にサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりしないこと。←変なところ、潔癖というか、意固地だったよねー。まあ、かつては馬鹿みたいにインタヴューする機会が多くて(レギュラーで持っていたFMステーション誌だけでも、週に2回ほど来日ミュージシャンに取材していたよナ)、いちいち絡んでいたらキリがねえという思いもあったけど。とはいえ、例外はあって、先方から一緒に写真を撮ろうよと言ってきた場合や、よほど好きな人と会うときは別。大昔、P-ファンクの主要メンバーとの2ショット写真制覇なんて、意気込んでいたこともあった。でも、職歴の長さからすれば、あっと驚くほど、ぼくはミュージシャンと一緒に撮った写真やもらったサインなどは所有していないと思う。どうせ、だらしないので、どっかに行ってしまうしね。だが、この日は公演前に楽屋で山岸潤史にニューオーリンズ話を聞く取材があったので、ベーシストのウォーネルさんに、彼の若き日のステージ写真が二葉ほどジャケットに載せられている(当然、演奏もきっちりしている)ニルス・ロフグレンの『ナイト・アフター・ナイト』(A&M、1977年)のアナログを持参し、サインをもらってしまう。そのとき、彼はまだ10代であったとか。外見は変わっていないと、ジャケの写真を見た他のメンバーからひやかされていました。今回わざわざサインをもらった理由は、前回のチキンシャック公演時の文章に書いてあります。ロック心が密かに燃える……。ぼく、ロック・バンドで演奏する黒人ミュージシャンが大好きでした。ウォーネル・ジョーンズは行ったり来たりしたものの、1985年から東京に住んでいるという。こっちに来て、そんなに長いのかあ。2010年代にはいるまで、とんと知りませんでした。
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