ギタリストの笹久保伸(2013年8月29日、2014年5月24日、2014年12月12日、2017年2月4日、2018年6月3日、2019年11月24日、2020年9月18日、2021年2月14日)は6月に、魔法のアルバム『CHICHIBU』(Chichibu、2021年)を出した。それにはブラジルのミュージシャンを中心に米国や日本の逸材たちとも1曲づつデーターの交換を1度だけした(ようは、笹久保のオリジナル曲のギター演奏を送り、それを受けて相手は楽器音や歌を入れて戻した)曲群が収められているが、その作法は大成功していて、ぼくは“魔法の”という形容をつけたくなる。

 『CHICHIBU』に収録されていたモニカ・サルマーゾ(2017年10月8日)との協調曲や、やはり1曲参加していたミナス派ベース奏者/シンガー・ソングライターのフレデリコ・エリオドロ(2018年7月26日)がインスタで発表していた曲なども、笹久保は漂う歌唱つきで披露する。詠唱をするというのは、過去のライヴではなかったことではありますね。また、ペルーのフォルクローレや過去のオリジナル曲なども演奏される。なんにせよ、独特の揺れと引っかかりが高度な次元で折り合うギター演奏はスペシャルにして清新であると痛感させる。

 そして、この晩はトーク・ショウとも銘打たれており、しっかりトークの時間を設けるのかと思いきや、曲間のトークを長めにするのに留める。ぼくは日本人のペラペラ喋るMCがとても苦手(ということは、過去何度も書いている)なのだが、彼は例外。シニカルにして率直、興味深い人間性が現れる彼の話は大好きなんだよなあ。もっと喋っていいとも、思えたもの。37歳の彼だが、40歳までに40枚目となるアルバムを出したいとの発言もあった。次作はまた大きく表現が変わるという話もある……。『CHICHIBU』はちょうど30枚目のアルバムとなる。

 終盤に中学生のころからの付き合いを持つサンポーニャの青木大輔(2020年9月18日)も加わり、一緒にフォルクローレ曲を演奏する。彼も、なにげな実力者。そして、彼も人間として面白そう。30代なかばの彼は携帯を所持していないようだ。

▶過去の、笹久保伸
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201405271717357738/
http://43142.diarynote.jp/201412281015581474/
http://43142.diarynote.jp/201702081153548285/
http://43142.diarynote.jp/201710061415044353/
https://43142.diarynote.jp/201806051522321880/
https://43142.diarynote.jp/201911251210191459/
https://43142.diarynote.jp/202009190752549504/
https://43142.diarynote.jp/202102151301034903/
▶︎過去の、青木大輔
https://43142.diarynote.jp/202009190752549504/
▶︎過去の、モニカ・サルマーゾ
https://43142.diarynote.jp/201710121700178187/
▶︎過去の、フレデリコ・エリオドロ
https://43142.diarynote.jp/201807271129401694/

<今日の、ココロの揺れ>
 うわー、夏だぁ。という、1日。一杯目のビールがたいそう美味しゅうございました。なんかすべてが、多数が歓迎しない五輪の犠牲になっており(というのは、東京に住んでいると感じさるを得ない)、来週頭からは緊急事態宣言が8月下旬までしかれる。無観客とはいえ、そういう状況下で五輪が開かれるというのはおかしすぎる。コロナに打ち勝てなかったことを、そんなに派手に宣言したいのか。しかし、IOCってのもほんとロクでもないなあ。関係者みんなにバチがあたらないかああ。なんにせよ、再び店舗での酒類販売御法度になるわけであり、また公演にもいろいろと影響を及ばしそう。一緒にキューバに行ったこともあるという笹久保と青木は、7月下旬だか8月に一緒にロードに出るという。それが、ちゃんとできますように。ともあれ、会場で『CHICHIBU』のアナログを購入。それには、うしし。DJするときに使いたいという願望あり。