本国では大きな反響を呼び、大ヒットしたというチェコ2020年映画「SNS-少女たちの10日間-(原題:Vsíti。英題:Caught in the Net)」を京橋テアトル試写室で見る。試写の回数が少ないためもあってか、けっこう混んでいた。4月23 日から、ロードショー公開される。

 少女に見える3人の18歳超え女性を12歳と偽らせ、写真付きSNSアカウントを作成。それを見た年上の男性たちが群がり、彼女たちにネットで性的に非道する様を、何気に大掛かり(大きなスタジオに、3人の私物も持ってきてのリアルな子供部屋をそれぞれに作ってしまっている。その立派な部屋を見ると、チェコの住宅環境っていいんだなと思ってしまう。そのスタジオにはたくさんの人がいて、カウンセラーらもその場に随時待機させていたようだ)に、けっこうテンポよく追う。10日間で2500人弱の男性がスケベ心のもと連絡を取ってきて、その選抜者とは実際にカフェで会う様を収めてもいる。

 ヴィート・クルサークとバーラ・ハルポヴァーという、たぶん30代の男女のチェコ人が監督をしていて、言葉はもちろんチェコ語だ。ヤな事実を客観的に並べるなか、ユーモアが出てくる場面もちょいあり。音楽はシンセサイザー系のものが適材適所で入り、それなりに効果的。チェコ人クリエイターが作っているのだろう。ぼくはポーランドやドイツと隣接するチェコのポップ・ミュージックに一切接していないことに気づいた(たぶん)。

 冒頭は普通の西側の都市のように映るチェコ(プラハ?)の街角で携帯をいじる子供や少女たちの姿。こんなドキュメンタリー映画が作られるきっかけは、企画者としてのクレジットも出す男性監督の知人の娘が携帯で男性とやりとりをして裸の写真を送っていた〜娘の友達はみんなやっていて、自分もやらないといじめの対象になってしまう〜という事実に多大な危惧を覚えたからのよう。このフィルムをきっかけに警察が動きもしたようだ。また、画面で狼藉する男性の顔(や股間)には軽いぼかしが入るものの特定は可能で、この映画を訴えた男性も1人いたらしい。

 少し悪趣味なところを感じなくもないが、それゆえに話題を呼ぶのも分かる。ぼくがこれを見て思ったのは、少女ではなく美少年による同様のものをやったとしたら……と、いうこと。おばさんだけでなく、そちらにも一部のおじさんたちは反応するのだろうか?

<今日の、うひゃあ>
 家を出て、最初にすれ違った人から少し怪訝な反応を感じる。ん? ありゃ。マスクをするのを忘れてた。すぐに近所の薬局で購買したが、まさかという感じ。実は、知人から同様のミスを聞き、オレはそれはねえなあなぞと言っていた。ここのところ、注意心が緩くなってきているのだろうか?