ほう〜。こんなん。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 ピアノのダニーロ・ペレス(2001年8月3〜5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年4月14日)、ダブル・ベースのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2015年9月6日、2016年5月18日)、そしてドラムのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2016年5月18日、2017年12月16日)からなるトリオの公演。2015年にその3人は連名で曲は3人が各々出し合う『Chaildren of the Light』というトリオ盤をマック・アヴェニューから出し、その後なにげに自在に会話しようとするギグを度々持ってきている。その単位が日本にもやってきた。

 順に、1965年パナマ生まれ、1959年NYC生まれ、1970年ルイジアナ州生まれ。そんな属性が異なる3人が一緒にやるようになったのはウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年9月7日、2015年9月6日)が2000年代初頭に、今も持続しているはずの新カルテットを始めるときに召集をかけたからであり、その後やまほど一緒にやる機会を彼らは共有しているはず。そしたら、度を越した技術や感度を持つ3人は阿吽の呼吸のもと、ちょっと普通の聞き手のジャズ把握を超えるような演奏を繰り広げた。いや、分かるところは分かりすぎるほどに分かる指針。だが、3人の重なりは想像を越えると言いたくなるものがくりだされていたんだよなあ。

 実はぼくがイメージしていたより、淡々と音を重ね合っているとまず思った。そこらあたりは、初日のファースト・セットゆえにゆったり演奏を始めたのかもしれないし、ずっと一緒にやってきていてモードが変わってきているのかもしれない。だが、その含みたっぷりの3者の広がりを見据えた綱引きはもう一筋縄でいかない。全然フリー・ジャズではないのに調性や定型のリズムからもすらりと逃れている部分もあるし、それこそはジャズの美味しいサムシングを体現しているとも言いたくなる。

 まあ、少し余裕ぶっこきすぎ、ちょい説明ぽい部分もなくはないが、こういうものが今の働き盛りジャズ・マンたちによる王道にあるものであってほしいと、ふと思ったところはあるか。とともに、親分ウェイン“電波”ショーターが入るともっとサウンド総体は羽が生えたものになるわけで、逆説的にショーターの凄さを再認識せずにはいられなかった。しかし、リーダー・ライヴでは電気ベースで軽いこともやるパティトゥッチの今回のコントラバス演奏(弓弾きはしなかった)は深かった。最後、ペレスは出自を出すかのようにラテン的フレーズを繰り出したがクラシックもどきの断片を重ねるあたりは、その気取った個性発揮(?)。3人の中では、ペレスがぼくの好みからは離れるのかな。

▶過去の、ペレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
▶過去の、ジョン・パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm 2001年8月3日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm   2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
http://43142.diarynote.jp/201605240831421865/
▶過去の、ブライアン・ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140212
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
http://43142.diarynote.jp/201605240831421865/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160803
http://43142.diarynote.jp/201712181015052794/
▶過去の、ウェイン・ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/

<今日の、地下鉄広告>
 ライヴに向かう際に乗った車両の開閉ドアのガラス部に貼ってあったシール広告は、「ライミングマン」という漫画のそれ。”青春ラッパー漫画”という文字もそこには載っている。おお、そんな漫画があるのか。さすが、ヒップホップ・エラ。掲載されているらしい、週刊アニマルというのは見たことがないな。また、帰りの表参道駅での構内広告には、村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」の音楽劇という舞台の広告がドーンとある。若そうな出演者たちの名前をぼくは知らないが、山下トリオという記載を見て、酔いが少し引く。ええええ。が、よく見たら、山下リオという出演者だった。“下”と“ト”が一緒に脳内で見えちゃったのね。筒井康隆絡みの舞台ならいざ知らず、ああした若手の方々のものに山下洋輔(1999年11月10日、2004年7月27日、2006年3月27日、2013年7月10日2009年7月19日、2013年7月27日、2015年7月21日、2017年7月8日、2017年9月2日)が関与するわけはないのだが、そういう錯覚をえたのは、前日に山下洋輔さんに楽しくインタヴューしたためもあったか。彼、なんと大河ドラマの「西郷どん」にちょい出演したのだそう。その節回しもあり、セリフは楽譜に置き換えて覚えたと言っておりました。
▶過去の、山下洋輔
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040727
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201507221814047783/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170708
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/

コメント