画像解像度磨きとオノ セイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日、2015年4月17日、2015年9月13日、2015年9月24日、2015年10月9日、2016年3月14日、2016年5月22日、2016年7月26日、2017年5月7日、2018年6月7日、2018年11月12日、2019年9月27日、2020年9月4日)の5.1チャンネル・サラウンド処理のもと来月にBlu-rayが発表される、1959年米国の著名ジャズ映画「真夏の夜のジャズ(原題:Jazz On A Summer’s Day)」の試写を見る。飯田橋・角川本社ビル。回数は多くないが、今開催中のピーター・バラカンズ・ミュージック・フェスティヴァルでも上映された。

 避暑地でもあったロードアイランド州ニューポートのアクィドネック島で毎夏行われていたジャズ・フェスの1958年の模様を収めたフィルムだ。とっても久しぶりに見たが風情に満ちた映画であり、ある意味アメリカの幸せな時代の、豊かで洒脱な部分を切り取った作品である。上映はシネスコープではなく、いわゆるTV的な画面サイズにて。オリジナルもそうであったのか。なお、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルは一時はニューヨークでも開かれ、日本ビクターが冠についた。また、長野県斑尾でもそのライセンスを受けたジャズ・フェスがずっと持たれたこともあった。

 監督は、広告カメラマンのバート・スターンと映像作家のアラム・アヴァキアンのお二人。アヴァキアンはジャズに理解があったらしいが、スターンはジャズになんの思い入れもなかったと伝えられる人物であり、それが功を奏した作品であったとも言われる。冒頭に出演者たちのクレジットが出されるなか(どのリーダーのサポートかは分からないものの、サイド・マンの名前もちゃんと出される)、ジム・ホール(2005年1月18日、2012年6月4日)入りのジミ・ジュフリーの音楽が流れ、ステージの実写になったと思ったら、演奏は終わる。昼の部の演奏は大げさに言えば、おしなべてそんな感じ。演奏された音楽はちゃんと流れるものの〜それに触れると、各楽器のバランスがとてもよく、どう録ったかは分からぬがもともとサウンドがちゃんとした映画なのではないかとも思わされる〜、ちゃんとステージの演奏の模様を伝えようとする気持ちははなかっらないようなカット割り映像が続く。

 2番目に登場するセロニアス・モンクなんて、ベースのヘンリー・グライムスの姿はかろうじて映るが、ドラムを叩くロイ・ヘインズは写っていなかったかもしれない。この翌年のモンクの姿が、映画『ジャズ・ロフト』(2021年7月3日)には出てくるわけですね。という按配で映画は演奏音だけは残し、その島に来ている人たちのいろんな所作を追う。だが、それがなんかいい感じで当時のアメリカの環境やジャズの受け入れられ方を(恵まれた白人のそれであるが)すうっと浮かび上がらせて、大きくうなずかせるのだ。ザ・ドキュメンタリー。昼の部の出演者では、ちゃんとパフォーマンスを伝えるアニタ・オデイのステージは良い。いろんな意味で実力者、才を再確認した。

 夜の部になると周りが暗いこともあり、もっとステージを写す映像が多くなるが、随時音楽に反応する観客の姿はやはり入れられる。ほとんどが白人客(そのなかにマックス・ローチもいたらしい)だが、その様を見るのは楽しい。そして、ブルース曲を歌うビッグ・メイベル、純ジャズ・マンのリズム隊演奏のもと「スウィート・リトル・シックスティーン」を俺様で披露するチャック・ベリー(なんと中間部にはクラリネット奏者のソロも入る)など音楽の幅が広げられる。マレー・ラーナー(2010年9月3日)監督の1960年代上半期のニューポート・フォーク・フェスティヴァルのモノクロ記録映画「フェスティヴァル」もそうだが、昔から音楽フェスティヴァルは幅を太っ腹にとるアーティスト集めがされていたんだよな。

 なかなかオルタナティヴとも言えるチコ・ハミルトン・クインテットはエリック・ドルフィー入り。その後任が、チャールズ・ロイド(2005年5月11日、2008年4月6日、2013年1月6日、2017年1月12日、2017年1月13日、2019年9月2日、2019年9月3日)であったわけだ。ラストの二つは、オールスターを謳うルイ・アームストロング、そしてマへリア・ジャクソン。もちろん歌も歌うアームストロングは、ニューオーリンズ/スウィングというには何気にそれを超える設定も見せている。ジャクソンは今聞くと少し味が薄いかなと思った。ぼくたちはその後、ゴスペル経験をしかと持つシンガーを山ほど触れてしまっているわけで、それは致し方ないか。

 終演後、オノはアニタ・オデイの出演部を使いDVD で選択可能なモノラル・サウンドも聞かせる。そちらも、彼が擬似ステレオであったものを本来のモノに調整し直したよう。彼もモノラルの音の方も良いと言っていたが、ぼくはモノラルのほうが安心して聞ける。聞き比べると面白そう。大昔、セイゲンに勧められてSACDのハードを買って、名作のサラウンド・サウンドを聴き漁った日々が懐かしい。仕事場にSACDのオーディオをもう一つ置くのは窮屈で、ぼくは寝室にそれをセットしたんだよな。リリースの数も減り、いつの間にかリア・スピーカーを外してしまった。。。

▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201509250943244179/
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
http://43142.diarynote.jp/201705081232023349/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180607
https://43142.diarynote.jp/201811141355524842/
https://43142.diarynote.jp/201909291507533777/
https://43142.diarynote.jp/202009051915549699/
▶過去の、ジム・ホール
http://43142.diarynote.jp/200501222324430000/
http://43142.diarynote.jp/201206110916017268/
https://43142.diarynote.jp/201401221302405299/ 追悼公演
▶︎過去の、ヘンリー・グライムス(訃報)
https://43142.diarynote.jp/202004181611021870/
▶︎過去の、映画「ジャズ・ロフト」
https://43142.diarynote.jp/202107041453546495/
▶︎チャック・ベリーの訃報と映画
https://43142.diarynote.jp/201703211232135720/ 下の方
http://43142.diarynote.jp/?day=20041115
▶︎過去の、マレー・ラーナー
https://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
▶︎過去の、チャールス・ロイド
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200804081928430000/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
https://43142.diarynote.jp/201701141241544133/
https://43142.diarynote.jp/201909031830055314/
https://43142.diarynote.jp/201909071014576603/

<今日の、TV>
 10時ぐらいだったか。ガーッとやっていた原稿を終え、ふとネット・ニュースを見る。すると、野球の大谷選手が参加している大リーグのホームラン大会の速報があり、その4つの組のなか大谷が入っている対戦だけ結果が載っていない。ふむ。見れるかなと思い、光ファイヴァー通信のスポーツ・チャンネルをつけると、ちょうど大谷が打っている。シード1位とシード8位との組み合わせ。2度タイとなり、その後の延長で8位選手が規定の3球をすべてホームランし、その後の大谷が1球目を打ち損じて幕。あらら。どうして、参加選手たちは自分のチームのユニフォームでありつつ、みんな44番をつけているのだろう。最初、大谷はエンジェルスで44番をつけているのかと思ってしまった。←たぶん、最初から放映を見ていればその説明を聞くことができたのだろう。お祭りなのに大谷が1回目で負けて、番組の日本人解説の方々はどうしてあんなにバツが悪そうに、暗い顔つき&どうでもいい取り繕い話をするのだろう。その生理的なトホホさのため、ぼくはすぐにTVを消した。すごい話題になっているのはもちろん知っていて、少しは興味を持っていたが、地上波はうちでは映らないし(ニュースも見ることができない)、大谷の勇姿をTVで見るのは初めてだった。なんか健やかな感じのルックスでとっても親近感を持つが、わざわざ出場試合日/放映時間を調べて試合を見るほどではなかった。サッカーと違い野球はどーでもいいぼくは、大谷選手の背番号どころかフル・ネームをちゃんと認知していない。これ、野球や大谷に興味を持っている人には、コイツ何阿呆なことを書いてるんだと思ってしまう記載だろうな。人の興味や問題意識なんて、それぞれ。逆のことをしないように自戒したい。今の大谷は大リーグで一番の選手なはずで(でしょう?)するとサッカーならクリスチャン・ロナルドやリオネル・メッシ級となるのか。いや、わりと新進ということで、ドルトムンドのアーリング・ハーランドの名前を出すべきか。それはすごいよなあ。今日は火曜日、夜はナショナル・ジオグラフィック・チャンネルでアリサ・フランクリンの伝記番組だあ。今晩は5〜6話の放映だ。何気にフランクリン以外の効果音的芸中歌の使い方もイケてるんだよな。そこでは、市井の人々だけでなく、当時のアフリカ系成功者への白いアメリカの仕打ちも伝えられる。2話だったかには、キング牧師と彼女が心を通わせたことも描かれていた。
 5話には、ライヴ盤にもなったフィルモア・ウェストのライヴの模様も出てくる。そして、バック・バンドを率いたキング・カーティスに、あなたのサックスは私の第2の声よ、といった彼女の発言も出てくる。その5話の最後はそのライヴの少し後にカーティスが刺殺されてしまったことを伝えて終わる。……。そして、第6話は全面的に、一昨年やっと公開された映画「アメイジング・グレイス」にもなった、1972年LAの教会でのゴスペル公演のことに全編割かれる。かつて世話になったジェイムズ・クリーヴランド牧師とともに彼の教会でゴスペル公演をやりたいというフランクリンの提案に最初はなんで後戻りするんだと難色を示したアトランティックのジェリー・ウェクスラーだったが、思い直してもっとデカい会場で映画も撮っちゃおうと提案したのは彼だった。そのリハのときに、ベースを弾くチャック・レイニーに彼女が指示を出す場面もある。映画を見ると緊張している様が窺えるが、それはウェクスラーが用意したシドニー・ポラック側撮影陣の使えなさに対する苛立ちや、わだかまりを持ち呼んでいなかった俗物エロ牧師たる父親のC.L.フランクリンが2日目に教会に現れたことと関係しているのかもしれない。客席にいたミック・ジャガーには触れられていない。なお、効果音的挿入音楽は、テレンス・ブランチャード(2002年7月3日、2005年8月21日、2009年3月26日、2013年8月18日)が担当しているようだ。
▶︎過去の、映画「アメイジング・グレイス」
https://43142.diarynote.jp/201909260737052277/ 下部のほう
+テレンス・ブランチャード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 3日
http://43142.diarynote.jp/?day=20050821
http://43142.diarynote.jp/200903271727246000/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
https://43142.diarynote.jp/201903050842467108/ 映画音楽

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