映画「ディナー・イン・アメリカ」
2021年8月5日 音楽 京橋テアトル試写室で、2020年アメリカ映画「ディナー・イン・アメリカ(現題:Dinner in America)」を見る。興味深かかった。
監督・脚本・編集をするアダム・レーマイヤーはネブラスカ州リンカーンで(少年期から?)20年間もパンク・ロックをやり、その経験が染み付いているそう。なるほど、ネットで拾うことができるその容貌はグランジ系ロック・バンドの一員ですと言われても違和感はない。とともに、彼はトランプ政権下だったからこそ出来上がった作品という認識も持っているようだ。ようはなんらかのロック的心象とやるせない現況が引き金となる映画とすることができるだろう。
「ディナー・イン・アメリカ」ということでアメリカ人家族が揃って夕食するシーンは3回(主人公はそこにいるが、家族はそれぞれ別だ)あるが、それは表づらを取り繕いいい子ぶるアメリカのサイレント・マジョリティの愚鈍さを表わしているか。クズが長に立つことを許すアメリカ/人々に対する違和感が下敷きになっているとは、やはり思わせる。あー、「ディナー・イン・ジャパン」がなきゃダメだお〜。
中年が入りかけたパンク(犯罪行為も平気できちゃう)なロッカー〜ステージではマスクを被っており、一部では評価を受けている〜と、うだつがまったくあがらない二十歳のスクエアな女性〜ではあるものの、件のパンク・ロック・バンドを密かに聞きながら発散するのが唯一の愉しみ〜のあららな邂逅+ラヴ・ストーリーと言っていいのか。新型コロナ禍に入ってしまい、いくつもの映画祭出展とBlu-rayリリースだけで止まっていて、9月下旬から公開が始まる日本が劇場初上映の国となるようだ。あちらではコメディとも紹介されていたりもし、もちろんクスっと笑えるところはあるのだが、いい意味で笑えない部分もいろいろとある。
冒頭のクレジット群表示と打ち込みビートのかみ合いが格好いい。それだけで、ぼくは足をストンプしたくなった(なぜか、エンドロール部は無音で通される。そんな映画はあまり記憶にない。試写であっても、その最中に立つ人がいた←普通、そういうことはまずない)。まあ、音楽映画と言えなくもないわけだが、音楽を担当しているのはジョン・スウィートハートという人。いろいろ映画畑で仕事をしているらしい。そういえば、ダメなアメリカ人(でも性欲たっぷりのおばさん)が流す音楽として音楽性もルックスもなかなかに痒い1970年代に支持を得たソフト・ポップ・デュオのイングラン・ダン&ジョン・フォード(一人はシールズ&クロフツの片方の弟だ)の曲が使われる。苦笑。その他の挿入歌には監督や、二人の主人公が関与する曲が使われる。劇中には、主人公二人が一緒に作曲をする部分もある。
人によっては、ザ・フー(2008年11月17日)のロック・ミュージカル『トミー』の映画版byケン・ラッセルの「サリー・シンプソン」のくだりを思い出す人もいるかもしれない。親が厳格な真面目な少女がピンボール名手のトミーに夢中になり、いろいろあって彼女はカリフォルニア出身のロックンローラーと結婚するという筋をそれは持っていた。と、やっぱり「ディナー・イン・アメリカ」はロックな映画なんだろうな。
それから、場所と時間は架空という設定なのか。田舎街が舞台となっているので風景はタイムレスな感じとなる。でも、家にあるTVがブラウン管のそれであったり、カセット・テープが使われていたりもし、一応1990年代を舞台においているようだ。
▶︎過去の、ザ・フー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm ジョン・エントウィッスル 2001年11月9日
https://43142.diarynote.jp/200810010211566772/ 映画
https://43142.diarynote.jp/200811201240456237/
<今日の、あっぱれ>
ぼくにとって直近の胸のすく「ディナー・イン・ジャパン」なる音楽商品は、定石越えのシンガー/ソングライターの花咲政之輔(2021年3月1日)率いる太陽肛門スパパーンのアナログ2枚組新作『円谷幸吉と人間』(レフトサイド)だ。物言いが直裁で、音楽的に研ぎ澄まされている佳盤というしかない。兎にも角にもまずはジャズ、ロック、ポップス、ラップなどを多岐に見渡した末の、百花繚乱する冒険心満載の音楽性に魅了される。管音や弦音や肉声群もクール極まりなく使われる。そして、そうしたイケてる器に見合う強いメッセージがこれでもかと流し込まれる。多数が望まない五輪開催の暴挙に代表される不条理への拒否がウヒヒな諧謔とともに乗せられ、ぼくはチャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)のリベレイション・ミュージック・オーケストラやフェラ・クティら秀でた正の民衆の音楽の最新版として愛でたくなってしまう。あっさりと酔狂なことに思うまま当たっている様、良いなあ。ジャズ系猛者がいろいろ入っているなか、エレクトリック・ベースはシアターブルック他の中条卓(2000年7月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2003年6月22日、2007年1月26日,2010年1月12日、2012年10月10日、2014年9月2日、2015年10月3日、2016年11月18日、2019年5月21日)が弾いているのが何気にうれしい。また、まだ内緒なのでこっそり聞いてねと、某ミュージシャンからはうわあなユニティ作の音が届いたりして、この夏死んだふりをしていようと思っていたのだが、そうも行かねえかという気持ちにもなっているかも。。。まったくもって、この夏の生理的にあまりにうれしい清涼剤、いや淀んだ空気をとばす解毒剤だよなあ。
▶︎過去の、花咲政之輔
https://43142.diarynote.jp/202103031127296987/
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm 彼のライナーノーツの金言付記
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶︎過去の、フェラ・クティの息子たち
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
▶︎過去の、中条卓
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック 7.29フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm シアターブルック+マルコス・スザーノ12/22
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm シアターブルック
http://43142.diarynote.jp/?day=20070126 OKI DUB AINU BAND
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/ blues.the-butcher-590213
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/ OKI DUB AINU BAND
http://43142.diarynote.jp/?day=20140902 blues.the-butcher-590213
http://43142.diarynote.jp/201510051403147675/ シアターブルック
http://43142.diarynote.jp/?day=20161118
https://43142.diarynote.jp/201905220902467859/
監督・脚本・編集をするアダム・レーマイヤーはネブラスカ州リンカーンで(少年期から?)20年間もパンク・ロックをやり、その経験が染み付いているそう。なるほど、ネットで拾うことができるその容貌はグランジ系ロック・バンドの一員ですと言われても違和感はない。とともに、彼はトランプ政権下だったからこそ出来上がった作品という認識も持っているようだ。ようはなんらかのロック的心象とやるせない現況が引き金となる映画とすることができるだろう。
「ディナー・イン・アメリカ」ということでアメリカ人家族が揃って夕食するシーンは3回(主人公はそこにいるが、家族はそれぞれ別だ)あるが、それは表づらを取り繕いいい子ぶるアメリカのサイレント・マジョリティの愚鈍さを表わしているか。クズが長に立つことを許すアメリカ/人々に対する違和感が下敷きになっているとは、やはり思わせる。あー、「ディナー・イン・ジャパン」がなきゃダメだお〜。
中年が入りかけたパンク(犯罪行為も平気できちゃう)なロッカー〜ステージではマスクを被っており、一部では評価を受けている〜と、うだつがまったくあがらない二十歳のスクエアな女性〜ではあるものの、件のパンク・ロック・バンドを密かに聞きながら発散するのが唯一の愉しみ〜のあららな邂逅+ラヴ・ストーリーと言っていいのか。新型コロナ禍に入ってしまい、いくつもの映画祭出展とBlu-rayリリースだけで止まっていて、9月下旬から公開が始まる日本が劇場初上映の国となるようだ。あちらではコメディとも紹介されていたりもし、もちろんクスっと笑えるところはあるのだが、いい意味で笑えない部分もいろいろとある。
冒頭のクレジット群表示と打ち込みビートのかみ合いが格好いい。それだけで、ぼくは足をストンプしたくなった(なぜか、エンドロール部は無音で通される。そんな映画はあまり記憶にない。試写であっても、その最中に立つ人がいた←普通、そういうことはまずない)。まあ、音楽映画と言えなくもないわけだが、音楽を担当しているのはジョン・スウィートハートという人。いろいろ映画畑で仕事をしているらしい。そういえば、ダメなアメリカ人(でも性欲たっぷりのおばさん)が流す音楽として音楽性もルックスもなかなかに痒い1970年代に支持を得たソフト・ポップ・デュオのイングラン・ダン&ジョン・フォード(一人はシールズ&クロフツの片方の弟だ)の曲が使われる。苦笑。その他の挿入歌には監督や、二人の主人公が関与する曲が使われる。劇中には、主人公二人が一緒に作曲をする部分もある。
人によっては、ザ・フー(2008年11月17日)のロック・ミュージカル『トミー』の映画版byケン・ラッセルの「サリー・シンプソン」のくだりを思い出す人もいるかもしれない。親が厳格な真面目な少女がピンボール名手のトミーに夢中になり、いろいろあって彼女はカリフォルニア出身のロックンローラーと結婚するという筋をそれは持っていた。と、やっぱり「ディナー・イン・アメリカ」はロックな映画なんだろうな。
それから、場所と時間は架空という設定なのか。田舎街が舞台となっているので風景はタイムレスな感じとなる。でも、家にあるTVがブラウン管のそれであったり、カセット・テープが使われていたりもし、一応1990年代を舞台においているようだ。
▶︎過去の、ザ・フー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm ジョン・エントウィッスル 2001年11月9日
https://43142.diarynote.jp/200810010211566772/ 映画
https://43142.diarynote.jp/200811201240456237/
<今日の、あっぱれ>
ぼくにとって直近の胸のすく「ディナー・イン・ジャパン」なる音楽商品は、定石越えのシンガー/ソングライターの花咲政之輔(2021年3月1日)率いる太陽肛門スパパーンのアナログ2枚組新作『円谷幸吉と人間』(レフトサイド)だ。物言いが直裁で、音楽的に研ぎ澄まされている佳盤というしかない。兎にも角にもまずはジャズ、ロック、ポップス、ラップなどを多岐に見渡した末の、百花繚乱する冒険心満載の音楽性に魅了される。管音や弦音や肉声群もクール極まりなく使われる。そして、そうしたイケてる器に見合う強いメッセージがこれでもかと流し込まれる。多数が望まない五輪開催の暴挙に代表される不条理への拒否がウヒヒな諧謔とともに乗せられ、ぼくはチャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)のリベレイション・ミュージック・オーケストラやフェラ・クティら秀でた正の民衆の音楽の最新版として愛でたくなってしまう。あっさりと酔狂なことに思うまま当たっている様、良いなあ。ジャズ系猛者がいろいろ入っているなか、エレクトリック・ベースはシアターブルック他の中条卓(2000年7月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2003年6月22日、2007年1月26日,2010年1月12日、2012年10月10日、2014年9月2日、2015年10月3日、2016年11月18日、2019年5月21日)が弾いているのが何気にうれしい。また、まだ内緒なのでこっそり聞いてねと、某ミュージシャンからはうわあなユニティ作の音が届いたりして、この夏死んだふりをしていようと思っていたのだが、そうも行かねえかという気持ちにもなっているかも。。。まったくもって、この夏の生理的にあまりにうれしい清涼剤、いや淀んだ空気をとばす解毒剤だよなあ。
▶︎過去の、花咲政之輔
https://43142.diarynote.jp/202103031127296987/
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm 彼のライナーノーツの金言付記
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶︎過去の、フェラ・クティの息子たち
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
▶︎過去の、中条卓
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック 7.29フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm シアターブルック+マルコス・スザーノ12/22
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm シアターブルック
http://43142.diarynote.jp/?day=20070126 OKI DUB AINU BAND
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/ blues.the-butcher-590213
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/ OKI DUB AINU BAND
http://43142.diarynote.jp/?day=20140902 blues.the-butcher-590213
http://43142.diarynote.jp/201510051403147675/ シアターブルック
http://43142.diarynote.jp/?day=20161118
https://43142.diarynote.jp/201905220902467859/
コメント