南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。トランペッターの黒田 卓也(2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年5月25日、2015年1月30日、2015年2月15日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年7月12日、2018年2月21日、2018年4月4日 )のリーダー公演は例により、NY在住者を擁してのもの。テナー・サックスのクレイグ・ヒル(2016年12月16日)、キーボードとピアノの泉川貴広(2016年9月17日)、ベースのラシャーン・カーター(2014年5月25日、2015年6月16日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年6月29日)、ドラムのアダム・ジャクソン(2014年5月25日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年7月12日)がステージ上に上がる。米国人は皆アフリカ系だ。

 前回の黒田のリーダー公演から加わっているヒルは、きっちりブロウ。もちろん、黒田も雄弁にソロを取り、いいインプロヴァイザーであるナと思わされる。そんな彼とヒルの2菅はちゃんとジャズ、ながらビートと鍵盤音は今様という図式を持つ演奏が繰り広げられる。朝顔からの音を拾うマイクを2本立てる黒田もそうだが、ヒルはときに自分の音にエフェクトをかけ、フレイズとの相乗で面白い聞き味を得ていた。

 過去の2枚の黒田のリーダー作収録曲から、新曲まで。彼は今年、じっくり次作用の作業にあたっている。それは本人がコツコツと積み上げた音が基調になる、よりサウンド・クリエイターとしての顔が出るものになるはずだ。

▶過去の、黒田卓也
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201501310942048841/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
http://43142.diarynote.jp/201804051207119119/
▶︎過去の、クレイグ・ヒル
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
▶︎過去の、泉川貴広
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
▶︎過去の、ラシャーン・カーター
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079
http://43142.diarynote.jp/201506180954176007/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161216
http://43142.diarynote.jp/?day=20170629
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
▶︎過去の、アダム・ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/

 続き千代田線で移動し、シンガーの松田美緒(2005年7月11日、2010年4月19日、2010年10月16日、2012年6月13日、2014年2月9日、2014年6月16日、2015年11月18日)と長年NY在住でサンバ・ジャズをやっているというピアニストのMIKAのユニットであるクアトロMを見る。下北沢 ・コムカフェ音倉。

 2016年に知人の紹介のもと会ったら意気投合し一緒にやるようになり、すでに2年連続でツアーも持っているという両者のアルバム『プリメイロ・パッソ』(コア・ポート)をフォロウするツアーの初日となるもの。アルバムと同様、歌とピアノだけが重なり合う素の表現が、まろやかさや淡い光の感覚を伴いながら、潔く送り出される。ジョアン・ドナード(2008年8月18日、2009年6月7日、2009年9月29日)やドリヴァル・カイミらブラジル曲が題材となるそれは、ブラジル音楽が持つ魅力的なインターナショナル変容性を、指し示していたはず。

▶過去の、松田美緒
http://43142.diarynote.jp/200507161355250000/
http://43142.diarynote.jp/201004211621084144/
http://43142.diarynote.jp/201010191403189326/
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140209
http://43142.diarynote.jp/?day=20140616
http://43142.diarynote.jp/201511191454294398/
▶︎過去の、ジョアン・ドナート
http://43142.diarynote.jp/200808221741070000/
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/

<今日の、アフター>
 その後、会場で会った中原仁夫妻と3軒流れる。1983年からの付き合いとなり、家も近いのだが、先週も同様の流れあり。我々、元気だね、飲むの好きだね。彼が監修し(もちろん、原稿もいろいろ書いている)「21世紀ブラジル音楽ガイド」(ele-king books/Pヴァイン)は今のブラジル音楽を知るにはとっても吉となる一冊。そのワクワクしちゃう広がりを、無理なく、明解に伝える章立てのもと、アルバム(全カラー頁)がいろいろ紹介される。もう、ぼくのようにつまみ食いで聞いてきている人には点と点をちゃんとたくさんの面として提示してくれてありがたいことこのうえなし。しかし、索引の人名の数、すごいな。装丁がシンプルで読みやすい。一緒に飲んでいて、1987年の六本木ピットイン10周年コンサートのパンフレットの編集を中原さんから声をかけられて一緒にやったことをふと思い出した。そのときの、アート・ディレクターは安齋 肇さんだった。

コメント