上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト。青葉市子、三宅純、山本達久
2016年11月16日 音楽 上原ひろみ(2004年11月25日、2005年7月31日、2006年9月3日、2009年9月4日、2010年12月3日、2011年9月3日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年7月25日、2012年12月9日、2014年9月6日、2014年9月7日、2016年9月4日、2016年9月15日)のワーキング・バンドであるザ・トリオ・プロジェクトを、六本木・EXシアターで見る。この夏にも同トリオのフェス系ツアーが予定されていたが、かなり年長であるベースのアンソニー・ジャクソンとドラムのサイモン・フィリップス(2011年9月3日、2011年9月27日、2012年7月25日、2012年12月9日、2014年9月7日)がともにダウンし、ソロ+αのものに変更されたという経緯を経てのもの。そして、この師走にむかってのツアーは復帰したフィリップスと、新規補充エレクトリック・ベーシストのアドリアン・フェローによる。
というわけで、この晩のがショウの興味ひかれるポイントは、新メンバーによるザ・トリオ・プロジェクトであることと、スタンディング会場でのライヴであることの2点と言える。
新しく加わったアドリアン・フェローはフランス人で、過去ジョン・マクラフリン(2005年1月31日、2014年3月25日)やビレリ・ラグレーン、チック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日、2016年9月16日)らのアルバムに参加している人。けっこう“ペラ男”モード全開の演奏をするぞと身構えていたら(リーダー作を聞いたら、もろにそういう演奏をしている)、これが意外なほどペラペラふにゃふにゃした要素は少なく、望外に好印象。サム・ピック多用で、もしかすると4弦のそれを弾いていた? 低音をちゃんと抑える意識は強く、何気にまっとう。ベースというよりはギター的な位相で演奏していたジャクソンと比すなら、今回のトリオは通常のバンド力学が宿る方向に揺り戻されたと書けるかもしれない。そして、それによりその総体はパキっとした明快さを増しただろう。それにより上原の指さばきは金太郎飴的な印象を強めるかもしれないが、何をやろうと、技量と真心をスパークさせる彼女の演奏はエモーショナルすぎるし、訴求力ありすぎ。
ザ・トリオ・プロジェクトの力一杯の公演は2時間超えという印象があるが、スタンディング会場ゆえ、この日は90分演奏しますとの事前告知があり、確かにそれをちょい超える演奏時間だった。公演を持つ場合は着席会場でなされ、スタンディングの場合はフェス出演時に限られていた上原だが、扇情的(で、多少これ見よがしな)なピアノ演奏にストレートに歓声をあげるなど、今回の客の反応はフェス時に近いような気もした。MCでここでやるのは、新宿ロフト開店40周年お祝いの一環みたいな説明の仕方を、彼女はした。あら、そうなのか。
この新しい顔ぶれで10月初旬から海外でツアーをしているため、3者のかみ合いはそれなりに形になっている。そして、そこから導かれるのは、プログ・ロックと言いたくなるような像。そのもっともインタープレイがある形……。もしくは、インストのプログ・ポップ。素晴らしく、キレや沸き上がりがあり、ありえないほど饒舌な……。そう捉えちゃった方が、ぼくにとってはこのトリオは聞きやすい。あと、矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日、2013年8月11日、2013年11月30日、2014年8月7日、2015年8月20日、2016年9月15日、2016年11月12日)の影を、ちょっとしたメロディ使いや曲構成に、今回ぼくは感じてしまった。
▶過去の、上原ひろみ
http://43142.diarynote.jp/200411292356580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101203
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201207310933428147/
http://43142.diarynote.jp/201212140959573710/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160915
▶過去の、フィリップス
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
http://43142.diarynote.jp/201207310933428147/
http://43142.diarynote.jp/201212140959573710/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
▶過去の、ジョン・マクラフリン
http://43142.diarynote.jp/200502041825460000/
http://43142.diarynote.jp/201403270907123498/
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
▶過去の、矢野顕子
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200908221621447408/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
http://43142.diarynote.jp/201312051627467488/
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201508210809254412/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160915
http://43142.diarynote.jp/201611121006546827/
その後は、代官山・晴れたら空にまめまいて に。歌とギターの青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)、ピアノと電気ピアノと一部フューゲルホーンの三宅純(2012年6月30日、2016年11月10日)、ドラムの山本達久(2010年6月7日、2010年9月11日、2012 年1月10日、2013年4月21日、2013年5月24日)のお手合わせライヴを、セカンド・セットから見る。ZAKがエンジニアをやっていたよう。1日、リハもしているようだが、これは面白かった。
青葉の漂う生ギター弾き語りが、基調となる。そこに広がりや奥行や骨格や剛性を加えるかのように、男性陣2人は合いの手を入れていく。三宅はよりメロディのある楽器なので、適切な音を差し込むのは大変だろう(楽譜をたくさんおいていた)が、さすが実力者。特にゆがんだ電気ピアノの使い方は美味しい。マイルス・デイヴィスのエレクトリック期の鍵盤音を消化〜昇華させていると書きたくなるか。実のある邂逅ライヴ、場内は混んでいた。
アンコールは三宅の当たり歌「Alvierde」をやる。青葉は達者にギターを爪弾きながら、スキャットする。この前の三宅のブルーノート東京公演のアンコールも、この曲でした。
▶過去の、青葉市子
http://43142.diarynote.jp/201308110827534904/
http://43142.diarynote.jp/201401141413008927/
▶︎過去の、三宅純
http://43142.diarynote.jp/201207031354181031/
http://43142.diarynote.jp/201611111651363466/
▶︎過去の、山本達久
http://43142.diarynote.jp/201009231546089571/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
<今日の、朗報?>
なんかPCの字が見づらくなっているとはずっと感じてきていて、年も年だし、そのうちちゃんと検査しなきゃと思ってはいた。だが、ずるずる日時は過ぎてしまっていたところ、意を決して(医者の類、嫌いなんっすよ)本日眼科へ行ってきた。いろいろ検査してもらったが、なんともなし、正常。イエイ。え、じゃあ、目が弱くなってきている(上原ショウで後から見ていたとはいえ、ベースの弦の数があやふやなのは、そのせいだー)のは老いでしかない? 少し悲しい。。
というわけで、この晩のがショウの興味ひかれるポイントは、新メンバーによるザ・トリオ・プロジェクトであることと、スタンディング会場でのライヴであることの2点と言える。
新しく加わったアドリアン・フェローはフランス人で、過去ジョン・マクラフリン(2005年1月31日、2014年3月25日)やビレリ・ラグレーン、チック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日、2016年9月16日)らのアルバムに参加している人。けっこう“ペラ男”モード全開の演奏をするぞと身構えていたら(リーダー作を聞いたら、もろにそういう演奏をしている)、これが意外なほどペラペラふにゃふにゃした要素は少なく、望外に好印象。サム・ピック多用で、もしかすると4弦のそれを弾いていた? 低音をちゃんと抑える意識は強く、何気にまっとう。ベースというよりはギター的な位相で演奏していたジャクソンと比すなら、今回のトリオは通常のバンド力学が宿る方向に揺り戻されたと書けるかもしれない。そして、それによりその総体はパキっとした明快さを増しただろう。それにより上原の指さばきは金太郎飴的な印象を強めるかもしれないが、何をやろうと、技量と真心をスパークさせる彼女の演奏はエモーショナルすぎるし、訴求力ありすぎ。
ザ・トリオ・プロジェクトの力一杯の公演は2時間超えという印象があるが、スタンディング会場ゆえ、この日は90分演奏しますとの事前告知があり、確かにそれをちょい超える演奏時間だった。公演を持つ場合は着席会場でなされ、スタンディングの場合はフェス出演時に限られていた上原だが、扇情的(で、多少これ見よがしな)なピアノ演奏にストレートに歓声をあげるなど、今回の客の反応はフェス時に近いような気もした。MCでここでやるのは、新宿ロフト開店40周年お祝いの一環みたいな説明の仕方を、彼女はした。あら、そうなのか。
この新しい顔ぶれで10月初旬から海外でツアーをしているため、3者のかみ合いはそれなりに形になっている。そして、そこから導かれるのは、プログ・ロックと言いたくなるような像。そのもっともインタープレイがある形……。もしくは、インストのプログ・ポップ。素晴らしく、キレや沸き上がりがあり、ありえないほど饒舌な……。そう捉えちゃった方が、ぼくにとってはこのトリオは聞きやすい。あと、矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日、2013年8月11日、2013年11月30日、2014年8月7日、2015年8月20日、2016年9月15日、2016年11月12日)の影を、ちょっとしたメロディ使いや曲構成に、今回ぼくは感じてしまった。
▶過去の、上原ひろみ
http://43142.diarynote.jp/200411292356580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101203
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201207310933428147/
http://43142.diarynote.jp/201212140959573710/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160915
▶過去の、フィリップス
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
http://43142.diarynote.jp/201207310933428147/
http://43142.diarynote.jp/201212140959573710/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
▶過去の、ジョン・マクラフリン
http://43142.diarynote.jp/200502041825460000/
http://43142.diarynote.jp/201403270907123498/
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
▶過去の、矢野顕子
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200908221621447408/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
http://43142.diarynote.jp/201312051627467488/
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201508210809254412/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160915
http://43142.diarynote.jp/201611121006546827/
その後は、代官山・晴れたら空にまめまいて に。歌とギターの青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)、ピアノと電気ピアノと一部フューゲルホーンの三宅純(2012年6月30日、2016年11月10日)、ドラムの山本達久(2010年6月7日、2010年9月11日、2012 年1月10日、2013年4月21日、2013年5月24日)のお手合わせライヴを、セカンド・セットから見る。ZAKがエンジニアをやっていたよう。1日、リハもしているようだが、これは面白かった。
青葉の漂う生ギター弾き語りが、基調となる。そこに広がりや奥行や骨格や剛性を加えるかのように、男性陣2人は合いの手を入れていく。三宅はよりメロディのある楽器なので、適切な音を差し込むのは大変だろう(楽譜をたくさんおいていた)が、さすが実力者。特にゆがんだ電気ピアノの使い方は美味しい。マイルス・デイヴィスのエレクトリック期の鍵盤音を消化〜昇華させていると書きたくなるか。実のある邂逅ライヴ、場内は混んでいた。
アンコールは三宅の当たり歌「Alvierde」をやる。青葉は達者にギターを爪弾きながら、スキャットする。この前の三宅のブルーノート東京公演のアンコールも、この曲でした。
▶過去の、青葉市子
http://43142.diarynote.jp/201308110827534904/
http://43142.diarynote.jp/201401141413008927/
▶︎過去の、三宅純
http://43142.diarynote.jp/201207031354181031/
http://43142.diarynote.jp/201611111651363466/
▶︎過去の、山本達久
http://43142.diarynote.jp/201009231546089571/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
<今日の、朗報?>
なんかPCの字が見づらくなっているとはずっと感じてきていて、年も年だし、そのうちちゃんと検査しなきゃと思ってはいた。だが、ずるずる日時は過ぎてしまっていたところ、意を決して(医者の類、嫌いなんっすよ)本日眼科へ行ってきた。いろいろ検査してもらったが、なんともなし、正常。イエイ。え、じゃあ、目が弱くなってきている(上原ショウで後から見ていたとはいえ、ベースの弦の数があやふやなのは、そのせいだー)のは老いでしかない? 少し悲しい。。
コメント