在NYのギタリストであるカーキ・キング(2004年8月3日、2005年3月26日、2007年4月6日)の久しぶりの来日公演は、過去の彼女のパフォーマンスとは一線を画す設定によるもの。“プロジェクション・マッピング”という映像/PCテクノロジーを活用し、映像効果と渾然一体となったなかでショウは遂行される。この前に見たダンス・ショウ“DOOODLIN‘”(2015年4月8日)もプロジェクション・マッピングをおおいに活用したものと言われていたが、設定がシンプルな今回のショウを見て、それがどういう技術か分った気になった。ようは、特定の場所だけに鮮やかな映像を照射する装置/技術のことをさすのではないか。
過去、ジョン・マッキンタイア(2001年11月7日、2005年1月7日、2006年10月22日、2007年12月2日、2011年11月21日、2012年4月7日、2014年5月7日)やマルコム・バーンなどをプロデューサーに据えるなどしてバスキング乗りインスト派アコースティック・ギター奏者という姿を拡大しようとしていた、彼女のフィジカルとしては一番新しい2012年作『Glow』(Velor)は素のギタリストとしての姿を出す初期に戻ったようななアルバム。だっただけに、逆に新しい方向に出る転機にはなったのかもしれない。蛇足だが、その『Glow』のプロデュース/エンジニアをしていたD・ジェイムス・グッドウィンは、デイヴィッド・トーン(2000年8月16日)の“響く”ギター/ウード・ソロ作『Only Sky』(ECM、2015)の録音を担当している。
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。ステージ中央に白いギターが固定して置いてある。それは椅子に座って弾くと吉と出る高さに設置されていて、ようはその白いギターが映写スクリーンとなる。脱色刈り上げ→サイバーな外見になったキングは白い衣服に身を固め、彼女自身に映像があたる場面もあった。また、ステージ背後のスクリーンには常時映像が流され、それはギターに写るものと関連する場面もある。映像のオペレートは、外国人女性が横にいて、やっていた。
バック・トラックあり。それを基調に映像は展開され、カーキによるギター音も重ねられる。我を持つギタリストとしては、ある意味思い切った行き方と指摘できる。だって、演奏の尺はきっちり決められたなかでのパフォーマンスとなる(ようは、発展がかなり制限される)し、元々それほど押し出しの強い人ではないが、彼女のタッピング多用のギター技巧の個性を奥にしまう方向に、その設定はあるから。でも、ギタリストとしての生き残りの方策を求めるストラグルもそこには見え隠れするわけで、鮮烈さを抱えつつも平穏に流れて行くショウにはある種のドラマがあったとぼくは思う。
ここで使われた音楽は今年i-tunesで配信されたらしいが、やはり映像込みで楽しむべきものか。彼女ホームページ冒頭に掲げられているライヴ映像を見ると、背後のスクリーン映像はなしで、白いギターに映し出される映像効果だけで彼女は勝負しており、そのほうがプロジェクション・マッピングの有り難み、そこから飛躍するパワーは強いのではないかとも思う。ただし、背後映像にはとてもおもしろいパートもあり。白いギターを擬人化して、街を歩くギター君が他のギターたちともろもろやりとりする箇所にはウフフ。その際、ちゃんと日本語の字幕も映し出された。ちゃんと日本向きに手を加えていて、偉いな。そこで、ギターは白いプラスティックのギターと紹介された。そこから、オーネット・コールマン(2006年3月27日)が一時使った白いプラスティックのアルト・サックスを想起し、プルプルとなった人もいたに違いない。
▶過去の、カーキ・キング
http://43142.diarynote.jp/200408030059330000/
http://43142.diarynote.jp/200504051427210000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070406
▶過去の、DOOODLIN’
http://43142.diarynote.jp/201504091238177478/
▶過去の、ジョン・マッケンタイア
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/200610251742410000/
http://43142.diarynote.jp/200712031018200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111121
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/
http://43142.diarynote.jp/201405081408031505/
▶過去の、デイヴィッド・トーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm 16日のティム・バーン
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
その後、代官山・山羊にきく に行って、ボビー・プリヴィットらNYボーダーレス/冒険系奏者の作品にも名が見られたりもするデンマーク人冒険系ジャズ奏者が日本の和楽器系奏者たちと重なる出し物を見に行く。この前のスプラッシュガール(2015年5月8日)のときの様なものを期待して行ったのだが、かなり違った。セカンド・セットを見た。
まず、小山豊(三線)、一噌幸弘(納管、篠笛など)、大多和正樹(和太鼓。2006年3月24日)、磯部舞子(ヴァイオリン)という面々が出て来て、構成を持つ曲を演奏。和楽器の音色や息づかいを活かしたインスト長尺曲、なり。和太鼓はいろんなものを組み込んだ大きなセットで、目を引く。ヴァイオリン奏者は中川五郎1999年8月9日、2004年2月1日、2005年6月17日)ともよくやるそうだ。この4人は2日後に、新宿ピットインにこのまま出るそう。
そして、そこにニスル・デヴィッドセン(アコースティック・バース)とアナス・モーンセン(ドラム)が加わる。先の日本人4人の演奏/流儀に、デンマーク勢が控え目にあわせる。フリーフォームでなかったのは残念&北欧リズム隊の真価は見極めることは困難だった。
このリズム・セクションは明日、晴れたら空に豆まいて で、ピアニストの南博(2001年10月29日、2005年6月9日、2005年9月11日、2006年10月25日、2007年4月12日、2007年10月17日、2010年3月26日、2011年3月2日、2013年2月17日)とトリオ演奏をする。その単位で、レコーディングもしているようだ。
▶過去の、スプラッシュガール
http://43142.diarynote.jp/201505091418013376/
▶過去の、大多和正樹
http://43142.diarynote.jp/200603281333540000/
▶過去の、中川五郎
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200402051852240000/
http://43142.diarynote.jp/200506200011180000/
▶過去の、南博
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050911
http://43142.diarynote.jp/?day=20061025
http://43142.diarynote.jp/200704151310110000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071107
http://43142.diarynote.jp/201003280551094942/
http://43142.diarynote.jp/201103040841482385/
http://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
<今日の、買い物>
ぼくが昔、最初に買ったプリンターはキャノンのレーザー・プリンターだった。白黒しか印刷しないから、それが適切だと判断し購入した。だが、2度目か3度目のトナー交換をするとき、トナー・カートリッジの端から黒い粉がぼろぼろ出てきてしまったことがあり、それでレーザー・プリンターがいやになり、キャノンのカラー・ブリンターに変更。その後、エプソンのカラー・プリンターに代わりずっと使っていたのだが、このたび故障。そして、なんとなく、またレーザー・プリンター(今回は、ブラザー。ころころメーカーを変えているのに他意はない)にしたのだが、これがサクサク印刷できてとっても気持ちがいい。色ごとにインクが切れたという表示が出ないと思うだけで、とても心持ちも良い。これは、いい買い物したなあ、と思うことしきり。
過去、ジョン・マッキンタイア(2001年11月7日、2005年1月7日、2006年10月22日、2007年12月2日、2011年11月21日、2012年4月7日、2014年5月7日)やマルコム・バーンなどをプロデューサーに据えるなどしてバスキング乗りインスト派アコースティック・ギター奏者という姿を拡大しようとしていた、彼女のフィジカルとしては一番新しい2012年作『Glow』(Velor)は素のギタリストとしての姿を出す初期に戻ったようななアルバム。だっただけに、逆に新しい方向に出る転機にはなったのかもしれない。蛇足だが、その『Glow』のプロデュース/エンジニアをしていたD・ジェイムス・グッドウィンは、デイヴィッド・トーン(2000年8月16日)の“響く”ギター/ウード・ソロ作『Only Sky』(ECM、2015)の録音を担当している。
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。ステージ中央に白いギターが固定して置いてある。それは椅子に座って弾くと吉と出る高さに設置されていて、ようはその白いギターが映写スクリーンとなる。脱色刈り上げ→サイバーな外見になったキングは白い衣服に身を固め、彼女自身に映像があたる場面もあった。また、ステージ背後のスクリーンには常時映像が流され、それはギターに写るものと関連する場面もある。映像のオペレートは、外国人女性が横にいて、やっていた。
バック・トラックあり。それを基調に映像は展開され、カーキによるギター音も重ねられる。我を持つギタリストとしては、ある意味思い切った行き方と指摘できる。だって、演奏の尺はきっちり決められたなかでのパフォーマンスとなる(ようは、発展がかなり制限される)し、元々それほど押し出しの強い人ではないが、彼女のタッピング多用のギター技巧の個性を奥にしまう方向に、その設定はあるから。でも、ギタリストとしての生き残りの方策を求めるストラグルもそこには見え隠れするわけで、鮮烈さを抱えつつも平穏に流れて行くショウにはある種のドラマがあったとぼくは思う。
ここで使われた音楽は今年i-tunesで配信されたらしいが、やはり映像込みで楽しむべきものか。彼女ホームページ冒頭に掲げられているライヴ映像を見ると、背後のスクリーン映像はなしで、白いギターに映し出される映像効果だけで彼女は勝負しており、そのほうがプロジェクション・マッピングの有り難み、そこから飛躍するパワーは強いのではないかとも思う。ただし、背後映像にはとてもおもしろいパートもあり。白いギターを擬人化して、街を歩くギター君が他のギターたちともろもろやりとりする箇所にはウフフ。その際、ちゃんと日本語の字幕も映し出された。ちゃんと日本向きに手を加えていて、偉いな。そこで、ギターは白いプラスティックのギターと紹介された。そこから、オーネット・コールマン(2006年3月27日)が一時使った白いプラスティックのアルト・サックスを想起し、プルプルとなった人もいたに違いない。
▶過去の、カーキ・キング
http://43142.diarynote.jp/200408030059330000/
http://43142.diarynote.jp/200504051427210000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070406
▶過去の、DOOODLIN’
http://43142.diarynote.jp/201504091238177478/
▶過去の、ジョン・マッケンタイア
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/200610251742410000/
http://43142.diarynote.jp/200712031018200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111121
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/
http://43142.diarynote.jp/201405081408031505/
▶過去の、デイヴィッド・トーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm 16日のティム・バーン
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
その後、代官山・山羊にきく に行って、ボビー・プリヴィットらNYボーダーレス/冒険系奏者の作品にも名が見られたりもするデンマーク人冒険系ジャズ奏者が日本の和楽器系奏者たちと重なる出し物を見に行く。この前のスプラッシュガール(2015年5月8日)のときの様なものを期待して行ったのだが、かなり違った。セカンド・セットを見た。
まず、小山豊(三線)、一噌幸弘(納管、篠笛など)、大多和正樹(和太鼓。2006年3月24日)、磯部舞子(ヴァイオリン)という面々が出て来て、構成を持つ曲を演奏。和楽器の音色や息づかいを活かしたインスト長尺曲、なり。和太鼓はいろんなものを組み込んだ大きなセットで、目を引く。ヴァイオリン奏者は中川五郎1999年8月9日、2004年2月1日、2005年6月17日)ともよくやるそうだ。この4人は2日後に、新宿ピットインにこのまま出るそう。
そして、そこにニスル・デヴィッドセン(アコースティック・バース)とアナス・モーンセン(ドラム)が加わる。先の日本人4人の演奏/流儀に、デンマーク勢が控え目にあわせる。フリーフォームでなかったのは残念&北欧リズム隊の真価は見極めることは困難だった。
このリズム・セクションは明日、晴れたら空に豆まいて で、ピアニストの南博(2001年10月29日、2005年6月9日、2005年9月11日、2006年10月25日、2007年4月12日、2007年10月17日、2010年3月26日、2011年3月2日、2013年2月17日)とトリオ演奏をする。その単位で、レコーディングもしているようだ。
▶過去の、スプラッシュガール
http://43142.diarynote.jp/201505091418013376/
▶過去の、大多和正樹
http://43142.diarynote.jp/200603281333540000/
▶過去の、中川五郎
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200402051852240000/
http://43142.diarynote.jp/200506200011180000/
▶過去の、南博
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050911
http://43142.diarynote.jp/?day=20061025
http://43142.diarynote.jp/200704151310110000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071107
http://43142.diarynote.jp/201003280551094942/
http://43142.diarynote.jp/201103040841482385/
http://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
<今日の、買い物>
ぼくが昔、最初に買ったプリンターはキャノンのレーザー・プリンターだった。白黒しか印刷しないから、それが適切だと判断し購入した。だが、2度目か3度目のトナー交換をするとき、トナー・カートリッジの端から黒い粉がぼろぼろ出てきてしまったことがあり、それでレーザー・プリンターがいやになり、キャノンのカラー・ブリンターに変更。その後、エプソンのカラー・プリンターに代わりずっと使っていたのだが、このたび故障。そして、なんとなく、またレーザー・プリンター(今回は、ブラザー。ころころメーカーを変えているのに他意はない)にしたのだが、これがサクサク印刷できてとっても気持ちがいい。色ごとにインクが切れたという表示が出ないと思うだけで、とても心持ちも良い。これは、いい買い物したなあ、と思うことしきり。
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