上野・東京文化会館で、ジャズ・ピアニストの小曽根真(2011年3月28日、2011年8月6日、2012年8月24日、2012年9月8日、2013年8月1日、2013年10月26日、2014年9月7日、2015年9月5日、2016年9月3日、2017年9月12日、2018年3月29日)と新日本フィルハーモニー交響楽団(2012年10月2日、2012年11月30日、2015年9月26日、2016年5月7日)の共演コンサートを見る。指揮は、1994年生まれの太田弦。本来指揮は米国人のアラン・ギルバートが務め、オケは彼やこの会場と近い東京都交響楽団(2013年10月26日)でなされる予定であったみたい。

 最初は、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K488。3楽章で、30分。純正クラシックな演奏だろう。もちろん、ぼくは初めて聞く曲だ。すぐに、楽器音の重なりが優美と思う。管楽器奏者は少なめ、小曽根もクラシックのピアニストをまっとうする。

 休憩を挟んで披露されたのは、2003年秋の山形県国民文化祭のために井上ひさしに頼まれ小曽根が作ったピアノ協奏曲「もがみ」。それが彼にとって初めて書いたオーケストラの譜面だそう。今回は米国人編曲家のガース・サンダーランドによりスコアの改定がなされ、その初演とか。曲名のもがみは最上川のこと。最初の彼の出だしのピアノ演奏はとっても川のゆらゆらしている様を表すような演奏で頷く。こちらは、夏、冬、春をそれぞれ表す3楽章でなり、40分。

 モーツァルト曲と異なり、オーケストラの陣容が大きくなる。コントラバス奏者や菅楽器奏者の数がおおいに増え、打楽器奏者も4人後方に位置する。袖にはハモンド・オルガン(とレスリー・スピーカー)も置かれ、それは本来組み込まれる合唱団の代役音を小曽根じゃない人が弾く。そんな設定に現れているように、いろいろ強弱に満ちたドラマティックな演目と言えようか。アブストラクトというか、うねうなくねっているような部分も少なくなく、楽譜から目を話したら、どこだっけっとなっちゃのではないかとも、ぼくは思った。ブックレットには井上から「最上川舟唄」を素材として使ってほしいとの依頼があり、それに応じたとある。だが、この晩の演奏に触れる限り、そういう和の部分はぼくは感じなかった。

 それから、1部のアンコールでやった、クラリネット演奏をフィーチャーした小曲がとってもメロディアス&柔和な情緒を持つ曲でかなり良かった。そこでは、少しジャジーな指さばきを小曽根はした。

▶︎過去の、小曽根真
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▶過去の、新日本フィルハーモニー交響楽団
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▶︎過去の、東京都交響楽団
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<今日の、ダウンタウン>
 世間における4連休のなかの、3日目。行きは、いつものように銀座線を使わず余計に10分かかるJRで向かう。地上換気がされるし、車内が空いてそうだから。そして、上野駅公園口を出るとすぐに会場があり、これは便利。地下鉄だと駅で降りて地下通路を延々歩き、地上に出てからも坂道を登るので、10分は楽にリカヴァリーできると思った。品川駅と高輪ゲートウェイ駅先までの間、向かって左側にエンプティな土地がごわーんと続いていて、あららら。このすごい資産価値がありそうとも思わせるが、何を作るのか?
 会場は満場だったが、きっちり1席づつ開けて座るようになっている。また、舞台前の4列(だったかな?)も空けられている。オーケストラ員の方々は黒い服を着ているが、マスク着用。ただし、管楽器奏者は楽器を口で吹かなきゃいけないので、当然マスクなし。小曽根と指揮者はマスクをしない。握手の代わりに、小曽根は指揮者やコンサート・マスターと肘を重ね合っていた。彼の演目終了後のMCによれば、「もがみ」は今年の3月に山形でやる予定だったところ、1回リハーサルをやったあとストップがかかったそう。そして、今回も先週から陽性者の数が増えているため、いつ中止の連絡が入るか気が気ではなかったとのこと。こうして今日、披露できるのが本当にうれしそうだった。
 彼は不思議な上着を着ており、休憩時に色違いのものに着替えていた。それ、前から見るといい生地で仕立てた普通のシャツのように見えるが、後ろは丈がどわーんと長く燕尾服のような見かけを持つというものだった。
 終演後、少し探索。アメ横(マスク40枚入りの箱を1000円で売っていた)の著名居酒屋の大統領のへんの飲み屋群、すごい密になっていておののく。ぼくはあんまり客引きを受けない人なのだが、ほんの少し歩いただけで、ケバブ屋と服屋の外国人から声をかけられる。客商売なんだからマスクぐらいはして、話しかけてよ。なんか、ケイオス……。
 知人ととっても密じゃない焼肉屋(こういう時分、外食するとしたら、火が通るものを出す店を選びがち)でゆったり食事し、帰りは銀座線の少し先の駅から乗車。歩いて帰ろうと思った……わけはなく、酔い覚ましをかねた運動ですね。けっこう、今日は歩いたんじゃないか。松坂屋の前を初めて通り、パルコがあること知った。パルコ上野店ではなく、パルコ屋と名乗っているよう。

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