マーク・リーボウのセラミック・ドッグ
2018年7月24日 音楽 ニューアーク出身で在NYの無勝手派ギタリスト/シンガーのマーク・リーボウ(2001年1月19日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年8月4日、2014年7月28日、2017年5月18日)の2018年来日は、3作目となる新作『YRU Still Here』(Northern Spy)を出したばかりのトリオ・バンドであるセラミック・ドッグでのもの。ヤスミン・ハムダン(2014年9月19)やベン・フロスト(2014年10月2日)やベス・オートン他いろんな人のアルバムにも参加しているフィラデルフィア出身のシャザード・イズマイリー(ベース、キーボード、パーカッション)と、2016年にはECMから『The Bell』といういかにも音大の打楽器学科を出ていますというリーダー盤を出しているサンディエゴ出身のチェス・スミス(ドラム。実は、リーボウの弁によれば、ヘイシャン・ミュージックにも造詣が深いらしい)からなるリズム隊を擁してのもので、その顔ぶれは2008年のファースト作以来、変わっていない。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
リーボウなりのパンク・ロック・バンドであるセラミック・ドッグの新作は諧謔には富んでいるいるものの、それこそトランプが米国の長となる事実への嫌悪をぶちまけていて(実際、トランプが大統領になる前に3分2はできていたが、信じがたいことが起こってしまい作り変えたという)、それを意気揚々と生で場で開く。ザ・ラスト・ポエッツのような、スポークン・ワードを延々としていく曲もあった。そういえば、彼は9月にトム・ウェイツやミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日、2017年1月18日)、スティーヴ・アールらを曲ごとに入れたアルバム『Song of Resistance 1942~2018』(Antai)をリリースすることになっているが、そちらも当然、『YRU Still Here』と繋がる気持ちが横たわっている。正当なバカヤローの、枠を定めない表出はあっぱれと言うしありません。
▶過去の、マーク・リーボウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201408051026553769/
http://43142.diarynote.jp/201705191100017980/
▶︎過去の、ヤスミン・ハムダン
http://43142.diarynote.jp/201409210941511472/
▶︎過去の、ベン・フロスト
http://43142.diarynote.jp/201410031145551479/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
http://43142.diarynote.jp/201701191854055570/
<翌日の、リーボウ>
インタヴューをした。ブルーノート東京の楽屋に行くと、彼は8月下旬に同所で帯公演を持つ矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日、2013年8月11日、2013年11月30日、2014年8月7日、2015年8月20日、2016年9月15日、2017年12月10)にメーセージを手書きしていた。楽屋にいたら、ここで前(2008年8月3日)に彼女とデュオ公演をやったことがフラッッシュ・バックし、一言彼女に残したくなったのだという。その際、リーボウは左手で字を書いていた。だが、彼の実演を見たことがある人なら分かるように、彼は右利きの持ち方でギターを弾く。最初、普通に右手の弾き方でギターを習ってしまい、そのままになってしまったそうな。左利きなのに右利きの持ち方でギターを弾いているという事実は、あなたのギター演奏に影響を及ぼしていると感じていますかと問うと、「もちろん。だから、僕はジョージ・ベンソン(2016年9月17日)のような流麗な弾き方ができなくなった」。思わず、爆笑。
ところで、そんな彼に1枚CDを進呈。鳴らした場合 という変てこな名前を持つグループの『ふつえぬ』(balen disc)。リーダーであるギターの加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、2018年3月15日、2018年6月7日、他)に加え、エレクトロニクスやテープや玩具のYuki Kaneko 、ターンテーブルの村田直哉(2016年11月2日、2017年7月10日)からなるそのトリオの音は、乱暴に言えば、加藤がつまびく生理的に素朴なエレクトリック・ギター音の調べに、他の2人が断続的に様々な音の差し込みを入れていき、総体は流れていき……。ポスト・プロダクションにはそれほど凝らず、その場の自在の丁々発止を素直にまとめたのではないかと推測するが、鋭敏な飛躍や越境の先に、記憶に奥にある甘美な像を浮き上がらさせたりするあたりは、ある種アメリカーナと言われる類の表現が味あわせるどこか不穏な夢心地感覚と繋がる。で、ぼくは『ふつえぬ』という感性と風情が綱引きするアルバムを“アヴァンギャラダイス”(←アヴァンギャルド+パラダイス)なんて称したくなってしまうんだよなあ。
▶過去の、矢野顕子
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200908221621447408/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
http://43142.diarynote.jp/201312051627467488/
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201508210809254412/
http://43142.diarynote.jp/201609201813357761/
http://43142.diarynote.jp/201712111145326498/
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
http://43142.diarynote.jp/?day=20180315
http://43142.diarynote.jp/201806081020157759/
▶︎過去の、村田直哉
http://43142.diarynote.jp/?day=20161102
http://43142.diarynote.jp/201707111737453393/
リーボウなりのパンク・ロック・バンドであるセラミック・ドッグの新作は諧謔には富んでいるいるものの、それこそトランプが米国の長となる事実への嫌悪をぶちまけていて(実際、トランプが大統領になる前に3分2はできていたが、信じがたいことが起こってしまい作り変えたという)、それを意気揚々と生で場で開く。ザ・ラスト・ポエッツのような、スポークン・ワードを延々としていく曲もあった。そういえば、彼は9月にトム・ウェイツやミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日、2017年1月18日)、スティーヴ・アールらを曲ごとに入れたアルバム『Song of Resistance 1942~2018』(Antai)をリリースすることになっているが、そちらも当然、『YRU Still Here』と繋がる気持ちが横たわっている。正当なバカヤローの、枠を定めない表出はあっぱれと言うしありません。
▶過去の、マーク・リーボウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
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▶︎過去の、ヤスミン・ハムダン
http://43142.diarynote.jp/201409210941511472/
▶︎過去の、ベン・フロスト
http://43142.diarynote.jp/201410031145551479/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
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<翌日の、リーボウ>
インタヴューをした。ブルーノート東京の楽屋に行くと、彼は8月下旬に同所で帯公演を持つ矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日、2013年8月11日、2013年11月30日、2014年8月7日、2015年8月20日、2016年9月15日、2017年12月10)にメーセージを手書きしていた。楽屋にいたら、ここで前(2008年8月3日)に彼女とデュオ公演をやったことがフラッッシュ・バックし、一言彼女に残したくなったのだという。その際、リーボウは左手で字を書いていた。だが、彼の実演を見たことがある人なら分かるように、彼は右利きの持ち方でギターを弾く。最初、普通に右手の弾き方でギターを習ってしまい、そのままになってしまったそうな。左利きなのに右利きの持ち方でギターを弾いているという事実は、あなたのギター演奏に影響を及ぼしていると感じていますかと問うと、「もちろん。だから、僕はジョージ・ベンソン(2016年9月17日)のような流麗な弾き方ができなくなった」。思わず、爆笑。
ところで、そんな彼に1枚CDを進呈。鳴らした場合 という変てこな名前を持つグループの『ふつえぬ』(balen disc)。リーダーであるギターの加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、2018年3月15日、2018年6月7日、他)に加え、エレクトロニクスやテープや玩具のYuki Kaneko 、ターンテーブルの村田直哉(2016年11月2日、2017年7月10日)からなるそのトリオの音は、乱暴に言えば、加藤がつまびく生理的に素朴なエレクトリック・ギター音の調べに、他の2人が断続的に様々な音の差し込みを入れていき、総体は流れていき……。ポスト・プロダクションにはそれほど凝らず、その場の自在の丁々発止を素直にまとめたのではないかと推測するが、鋭敏な飛躍や越境の先に、記憶に奥にある甘美な像を浮き上がらさせたりするあたりは、ある種アメリカーナと言われる類の表現が味あわせるどこか不穏な夢心地感覚と繋がる。で、ぼくは『ふつえぬ』という感性と風情が綱引きするアルバムを“アヴァンギャラダイス”(←アヴァンギャルド+パラダイス)なんて称したくなってしまうんだよなあ。
▶過去の、矢野顕子
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
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http://43142.diarynote.jp/201712111145326498/
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
http://43142.diarynote.jp/?day=20180315
http://43142.diarynote.jp/201806081020157759/
▶︎過去の、村田直哉
http://43142.diarynote.jp/?day=20161102
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