モーガン・ジェイムズ。Tabletop Guiters+武田理沙
2018年3月15日 音楽 アイダホ生まれ、NY在住のソウルフルな歌い方をする初来日女性歌手の実演を、南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。実力者であると思う。Youtubeには、ジョニ・ミッチェルの『ブルー』、ジェフ・バックリーの『グレイス』、ジョン・メイヤー(2007年4月5日)の『コンティニュウム』、ディアンジェロ(2015年8月18日)の『ブラック・メサイア』などを全曲自分なりにまんま歌っていく長尺映像をアップしていて、へ〜えと思わせられるもの。
マライア・キャリー(2003年7月6日)の大ファンとライヴMCで言っていたが、なるほどその影響下にある歌い方をするナと確認。髪型とか薄手のジャンプ・スーツとかも、かつてのキャリーを思い出させる? ただし、キャリーは太平楽な円満曲を歌うところ、少なくてもライヴにおいてはブルースとつながるくすんだ情緒を持つ曲を数多くジェイムズは取り上げていた。そう感じさせるのは、バックのサウンドのトーンもあったか。
オルガン(ベース音も担当)のブライアン・シャレット、ギターのダグ・ワンブル、ドラムのビル・キャンベル(2017年4月15日)の3人がサポート。2曲ほどスライド・バーも用いたワンブルはジェイムズの旦那さん。ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)の枯れ味路線作に関与していたりもする彼は、マルサリス・ミュージックやE-1などから、ルーツ・ミュージックからアダルト・ロックまでを横切るようなリーダー作をいくつか出しているシンガー/スライド奏法を得意とするギタリスト。当然、頭に触れた映像や彼女のリーダー作のプロダクションにも関わっている。ときに、いい感じでコーラスをつけてもいたが、彼が前に出た曲があって欲しかった。
▶過去の、ジョン・メイヤー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/
▶︎過去の、マライア・キャリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶︎過去の、ビル・キャンベル
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
▶過去の、ウィントン・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
その後は、千駄木・Bar Issheeへ。店内に入るとセカンド・セットがすでに始まっている。長テーブルの上にそれぞれ楽器を置く4人が異音を即興で重ねあっている。谷保典と加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、他)と永田健太郎、3人のギタリストからなるTabletop Guitersにキーボードの武田理沙という組み合わせ、特にギター奏者たちはエフェクターをいろいろと並べている。ギターという楽器を用いて、通常のギター奏法やギター音から離れた音の断片や浮遊物をださんとするTabletop Guitersは2011年からの活動とか。ちなみに、谷はチューニングしたギター、加藤は非チューニング、永田は半々とか。一緒にやるのは初めてながら見事に重なっていた武田はザッパ曲を鍵盤でやるプロジェクトも持ち、かつてはドラムをやっていたそう。
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
<今日の、朝の1本>
映画チャンネルをつけたら偶然やっていて、なんとなく一つ見てしまう。『ソウルガールズ』という2012年オーストラリア映画で、その表題だけで見るべかという気持ちになるか。原題は『The Sapphires』、それは1960年代に豪州で活動した同名のアボリジナルの女性ヴォーカル・グループの存在を元に自由に脚色したもので、まずは2004年に演劇として作られ、その後それを元に映画化なった。最初の劇を書き、そして映画の脚本にも関与したトニー・ブリグズはザ・サファイアズの一人のメンバーの息子さんであるという。
豪州ではヒットしたというこの映画、日本でもちゃんと公開されていたとは知らなかった。ソウル映画として、これもありでしょう。ポイントは、米国における先住民族やアフリカンたち以上に白豪主義を掲げた豪州移住者/為政者から迫害を受けたとも言われるアボリジナル(かつては、彼らを“狩り”していいという法律もあったようだ。また白人との混血の子供を家族から勝手に奪い施設や白人家庭に入れることも政策としてなされ、映画ではメンバーの一人がそういう境遇にある女性として描かれる)を主役に置いていること。映画中でも黒人と呼ばれ差別を受ける姉妹たちがソウル・コーラス・グループとして活動していく様を描いた映画の半分以上の舞台は、ヴェトナム。彼女たちは米兵慰問音楽グループとして同地に行って(それは土地的にタイやヴェトナムが豪州から近く〜それもあってか、タイ・カレーはカフェ・メニューによくある〜離れたUSから担い手を呼ぶよりも安上がりであったろう)の様が描かれ、ひいては米国の当時の社会状況を透けて見させるような部分もある。そこそこお金がかけられているのも分かり、主役の女性陣にはアボリジナル初の女優(デボラ・メールマン)や豪州の人気シンガー(ジェシカ・マーボイ)などもキャスティング。どこかピリっとしない仕上がりで、興味深い題材を扱っているんだから、もう少し作りようはあったとは思うが、異色のソウル映画として、この『ソウルガールズ』をぼくのなかに留めておくことにしたい。現実のソウル・ガールズたちのその後を最後に伝えるが、みんな意義のある方向に進んでいて、それで肯定的なキブンになれます。
マライア・キャリー(2003年7月6日)の大ファンとライヴMCで言っていたが、なるほどその影響下にある歌い方をするナと確認。髪型とか薄手のジャンプ・スーツとかも、かつてのキャリーを思い出させる? ただし、キャリーは太平楽な円満曲を歌うところ、少なくてもライヴにおいてはブルースとつながるくすんだ情緒を持つ曲を数多くジェイムズは取り上げていた。そう感じさせるのは、バックのサウンドのトーンもあったか。
オルガン(ベース音も担当)のブライアン・シャレット、ギターのダグ・ワンブル、ドラムのビル・キャンベル(2017年4月15日)の3人がサポート。2曲ほどスライド・バーも用いたワンブルはジェイムズの旦那さん。ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)の枯れ味路線作に関与していたりもする彼は、マルサリス・ミュージックやE-1などから、ルーツ・ミュージックからアダルト・ロックまでを横切るようなリーダー作をいくつか出しているシンガー/スライド奏法を得意とするギタリスト。当然、頭に触れた映像や彼女のリーダー作のプロダクションにも関わっている。ときに、いい感じでコーラスをつけてもいたが、彼が前に出た曲があって欲しかった。
▶過去の、ジョン・メイヤー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/
▶︎過去の、マライア・キャリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶︎過去の、ビル・キャンベル
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
▶過去の、ウィントン・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
その後は、千駄木・Bar Issheeへ。店内に入るとセカンド・セットがすでに始まっている。長テーブルの上にそれぞれ楽器を置く4人が異音を即興で重ねあっている。谷保典と加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、他)と永田健太郎、3人のギタリストからなるTabletop Guitersにキーボードの武田理沙という組み合わせ、特にギター奏者たちはエフェクターをいろいろと並べている。ギターという楽器を用いて、通常のギター奏法やギター音から離れた音の断片や浮遊物をださんとするTabletop Guitersは2011年からの活動とか。ちなみに、谷はチューニングしたギター、加藤は非チューニング、永田は半々とか。一緒にやるのは初めてながら見事に重なっていた武田はザッパ曲を鍵盤でやるプロジェクトも持ち、かつてはドラムをやっていたそう。
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
<今日の、朝の1本>
映画チャンネルをつけたら偶然やっていて、なんとなく一つ見てしまう。『ソウルガールズ』という2012年オーストラリア映画で、その表題だけで見るべかという気持ちになるか。原題は『The Sapphires』、それは1960年代に豪州で活動した同名のアボリジナルの女性ヴォーカル・グループの存在を元に自由に脚色したもので、まずは2004年に演劇として作られ、その後それを元に映画化なった。最初の劇を書き、そして映画の脚本にも関与したトニー・ブリグズはザ・サファイアズの一人のメンバーの息子さんであるという。
豪州ではヒットしたというこの映画、日本でもちゃんと公開されていたとは知らなかった。ソウル映画として、これもありでしょう。ポイントは、米国における先住民族やアフリカンたち以上に白豪主義を掲げた豪州移住者/為政者から迫害を受けたとも言われるアボリジナル(かつては、彼らを“狩り”していいという法律もあったようだ。また白人との混血の子供を家族から勝手に奪い施設や白人家庭に入れることも政策としてなされ、映画ではメンバーの一人がそういう境遇にある女性として描かれる)を主役に置いていること。映画中でも黒人と呼ばれ差別を受ける姉妹たちがソウル・コーラス・グループとして活動していく様を描いた映画の半分以上の舞台は、ヴェトナム。彼女たちは米兵慰問音楽グループとして同地に行って(それは土地的にタイやヴェトナムが豪州から近く〜それもあってか、タイ・カレーはカフェ・メニューによくある〜離れたUSから担い手を呼ぶよりも安上がりであったろう)の様が描かれ、ひいては米国の当時の社会状況を透けて見させるような部分もある。そこそこお金がかけられているのも分かり、主役の女性陣にはアボリジナル初の女優(デボラ・メールマン)や豪州の人気シンガー(ジェシカ・マーボイ)などもキャスティング。どこかピリっとしない仕上がりで、興味深い題材を扱っているんだから、もう少し作りようはあったとは思うが、異色のソウル映画として、この『ソウルガールズ』をぼくのなかに留めておくことにしたい。現実のソウル・ガールズたちのその後を最後に伝えるが、みんな意義のある方向に進んでいて、それで肯定的なキブンになれます。