LAきってのジャズ希望の星的存在(2014年5月28日)の公演、ブルーノート東京(ファースト・ショウ)。見事な入り、でした。で、ブリブリ本格的に吹けて、サウンド作りに対する野心も持つ。ということで、こりゃ高揚させられた。
テナー・サックスを吹く本人に加え、トロンボーンのライアン・ポーター、キーボードのブランドン・コールマン、ダブル・ベースのマイルス・モズレー、ツイン・ドラムとしてロナルド・ブルーナーJr.(2009年9月15日、2014年9月10日)とトニー・オースティン、ヴォーカルのパトリス・クインという陣容にて。で、まず、そのサウンドが興味深い。巧者が重なり合う二つのドラムの作法(時には、片方だけが叩いてもう一人は休んでいるときも。ブルーナーJr.の叩き方が一部マイク・クラーク〜2002年3月12日〜ぽくてありゃ)が面白くないはずがないし、縦ベースもまた得体の知れぬ実力者。けっこう足元にエフェクターを置いていて、アルコ弾きも多用し、エフェクトを噛ませる。が、それなのに、ぼくはジャンプ/ジャイヴ期のスター・ベーシストのスラム・スチュアートの演奏を思い出したりもしたんだよなー。でも、それもワシントン一派の幅の広さゆえだと思う。
ノード・エレクトロを弾いていたコールマンは1曲目、ものすごーくとっちらかった演奏をしていた。さすがに張っちゃけすぎでしょと思ったが、1曲ショルダー・キーボード(モウグ社製だったような)を下げて演奏した際には頷く。ショルダー・キーボードなんて音的にはどうでもいい楽器だと思っていたが、ぼくがこれまで接したショルダー・キーボード演奏の中で一番聞き所を感じさせるものであった。へーえ。管楽器と対等な位置にいるという感じで、時に声をだしていたクイン嬢は力量はたいしたことはないが、スリムかついい人そうなのでマル。彼女は一部で渋さ知らズと感じがかなり似ているコーラスを入れるときもあるのと、クリフォード・ブラウンの演奏でまず知られるジャズ・スタンダードの「チェロキー」では大々的にフィーチャーされる。トロンボーンはもう少しフィーチャーされてもよかったのではないか。なお、純ツイン・ドラム編成はジャズだとオーネット・コールマン(2006年3月27日)は何度も試みていますね。
で、リーダーのワシントンはといえば、威風堂々。もうぶっとく、野卑においらを噴出させていて、気持ちいい。とともに、その吹き口はまったくもってジャズ。音程が少し甘いのも、往年の吹き手の香りを感じさせる? 途中から、痩身のリード奏者(ソプラノ・サックス、クラリネット)が出て来て加わる。それは、カマシの父のリッキー・ワシントン。カマシはいろんな意味で、父を超えていますね。
年齢(1981年生まれ)相応の好奇心に支えられた、雑食性の強い、私の考えるスピリチュアル度と祭祀性の強いジャズの、確かな開示。彼らはみんな仲間のようであり、ある種のコミュニティ感覚を持っていると感じさせるところが、ドキドキさせる。そかから、B.A.G.でもA.A.C.M.でもストラタ・イーストでも、かつての進歩的ジャズ・マンの互助団体のあり方を思い出す事も可能だろう。こういう中堅層の台頭の様に触れ、この前のスタンリー・クラーク(2015年9月30日)は負けちゃ行けねえと、気がふれてしまったのかな。
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
▶過去の、マイク・クラーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
▶過去の、スタンリー・クラーク
http://43142.diarynote.jp/?day=20080908
http://43142.diarynote.jp/201012051906481605/
http://43142.diarynote.jp/201212131141531884/
http://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
<今日の、帽子>
上に触れたこと以外でも、ワシントンの表現は今のジャズであることを感じさせつつ、そのもろもろは1960年代の流儀をいろいろと感じさせる。たとえば、彼がカマシというアフリカ名やアフリカ調と言えなくもない衣装を身に付けていること。で、そうしたワシントンの示唆に富む音楽に触れていると、ジャズ〜もといアフリカン・アメリカン・ミュージックは一日にしてならず、興味深い芽はすべからく過去の種との連続線の先にあると思いたくなる。ある人から、ワシントンの頭はピグモンみたいですとメールがあったが、それはライヴ中ニットの帽子を被っていたので分らなかった。
テナー・サックスを吹く本人に加え、トロンボーンのライアン・ポーター、キーボードのブランドン・コールマン、ダブル・ベースのマイルス・モズレー、ツイン・ドラムとしてロナルド・ブルーナーJr.(2009年9月15日、2014年9月10日)とトニー・オースティン、ヴォーカルのパトリス・クインという陣容にて。で、まず、そのサウンドが興味深い。巧者が重なり合う二つのドラムの作法(時には、片方だけが叩いてもう一人は休んでいるときも。ブルーナーJr.の叩き方が一部マイク・クラーク〜2002年3月12日〜ぽくてありゃ)が面白くないはずがないし、縦ベースもまた得体の知れぬ実力者。けっこう足元にエフェクターを置いていて、アルコ弾きも多用し、エフェクトを噛ませる。が、それなのに、ぼくはジャンプ/ジャイヴ期のスター・ベーシストのスラム・スチュアートの演奏を思い出したりもしたんだよなー。でも、それもワシントン一派の幅の広さゆえだと思う。
ノード・エレクトロを弾いていたコールマンは1曲目、ものすごーくとっちらかった演奏をしていた。さすがに張っちゃけすぎでしょと思ったが、1曲ショルダー・キーボード(モウグ社製だったような)を下げて演奏した際には頷く。ショルダー・キーボードなんて音的にはどうでもいい楽器だと思っていたが、ぼくがこれまで接したショルダー・キーボード演奏の中で一番聞き所を感じさせるものであった。へーえ。管楽器と対等な位置にいるという感じで、時に声をだしていたクイン嬢は力量はたいしたことはないが、スリムかついい人そうなのでマル。彼女は一部で渋さ知らズと感じがかなり似ているコーラスを入れるときもあるのと、クリフォード・ブラウンの演奏でまず知られるジャズ・スタンダードの「チェロキー」では大々的にフィーチャーされる。トロンボーンはもう少しフィーチャーされてもよかったのではないか。なお、純ツイン・ドラム編成はジャズだとオーネット・コールマン(2006年3月27日)は何度も試みていますね。
で、リーダーのワシントンはといえば、威風堂々。もうぶっとく、野卑においらを噴出させていて、気持ちいい。とともに、その吹き口はまったくもってジャズ。音程が少し甘いのも、往年の吹き手の香りを感じさせる? 途中から、痩身のリード奏者(ソプラノ・サックス、クラリネット)が出て来て加わる。それは、カマシの父のリッキー・ワシントン。カマシはいろんな意味で、父を超えていますね。
年齢(1981年生まれ)相応の好奇心に支えられた、雑食性の強い、私の考えるスピリチュアル度と祭祀性の強いジャズの、確かな開示。彼らはみんな仲間のようであり、ある種のコミュニティ感覚を持っていると感じさせるところが、ドキドキさせる。そかから、B.A.G.でもA.A.C.M.でもストラタ・イーストでも、かつての進歩的ジャズ・マンの互助団体のあり方を思い出す事も可能だろう。こういう中堅層の台頭の様に触れ、この前のスタンリー・クラーク(2015年9月30日)は負けちゃ行けねえと、気がふれてしまったのかな。
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
▶過去の、マイク・クラーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
▶過去の、スタンリー・クラーク
http://43142.diarynote.jp/?day=20080908
http://43142.diarynote.jp/201012051906481605/
http://43142.diarynote.jp/201212131141531884/
http://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
<今日の、帽子>
上に触れたこと以外でも、ワシントンの表現は今のジャズであることを感じさせつつ、そのもろもろは1960年代の流儀をいろいろと感じさせる。たとえば、彼がカマシというアフリカ名やアフリカ調と言えなくもない衣装を身に付けていること。で、そうしたワシントンの示唆に富む音楽に触れていると、ジャズ〜もといアフリカン・アメリカン・ミュージックは一日にしてならず、興味深い芽はすべからく過去の種との連続線の先にあると思いたくなる。ある人から、ワシントンの頭はピグモンみたいですとメールがあったが、それはライヴ中ニットの帽子を被っていたので分らなかった。
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