現代米国ポップ・ミュージック界の重要人物であるクエストラヴ(こんもりアフロ、辞めた。少し、痩せた)率いる、人力ヒップホップ・バンド(2002年12月29日、 2003年12月2日、2004年9月19日、2007年1月15日)のホール公演、渋谷・0-East。スーザフォン奏者を含む7人編成にて、1時間45分をノンストップで遂行。自在のサウンド展開に、ブラック・ソウトのラップや奏者ソロがいい感じで乗る。実はクエストラブの所には2本のマイクが立てられていて、うち1つはメンバーへの指示出し用のもののよう。その指示をプレイヤーたちはイアーフォン型のモニターで聞いて演奏していたみたい。うーん、さすが敏腕プロデューサー。彼のドラムの音、よかったなー。ニューオーリンズのブラス・バンドに不可欠な低音金管楽器であるスーザフォン奏者はベース音と重なり音が拾いにくいところがあったが、そういう酔狂な楽器奏者を入れる姿勢が重要ナリ。軽いプラスチック製ではなく金属製のものを使っていたが、それって子供をおんぶして演奏するようなものか。それで、派手にステップを踏んだり、ステージを走り回ったり、半回転ジャンプを決めたりするデイモン・ブライソンは化け物と言うしかない。歌もときにつけるギタリスト(キューバ出身のかっとび打楽器奏者/歌手のペドリート・マルティネスに髪型ともども似ている)、ベーシストはかなり整備された動きやフリも取る。これまで見た中で一番質が高く、娯楽性も高かったが、その奥から随時イケたグルーヴとともに”繋ぎ”たい=統合や俯瞰するぞという意志があふれており、それに大きく頷く。クール&ザ・ギャングやカーティス・メイフィールド曲等も差し込んだりもし、途中にはZeebraがちょい出て来たりもした。満足度、とても高し。ステージに両端にはマイクが立てられていたが、この晩のショウがライヴ・アルバム化されても、なんら問題ないだろう。終演後、メンバーたちはプロっぽいパフォーマンスとは裏腹に、だらだらとアマチュアっぽく(?)ステージに残り、観客とコミュニケーションを取った。その落差にも、なんかほんわり。26日の毎日新聞夕刊に、ライヴ評が出ます。
▶過去の、ザ・ルーツ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040919
http://43142.diarynote.jp/200701201415300000/
<今日の、懺悔>
かつてこの項で書いたことがあるけど、ぼくは偏屈だけど広角型でもあった英国人ロック・ミュージシャンであるジョー・ジャクソンの大ファンだった。同じころに世に出て、似たような位置にいたエルヴィス・コステロ(2002年7月5日、2004年9月19日、2004年12月8日、2006年5月31日、2006年6月1日、2006年6月2日、2011年3月1日)なんか、目じゃないほどに。だが、基本ずっとメインストリームでい続けつつ、いろんな方面にも着手したアルバムをいろいろ出す機会を持つコステロと異なり、ジャクソンはどんどん存在感が薄くなり傍系の人になってしまい、実際アルバムの面白さも曲作りの部分で翳りが見られもし、ぼくの興味は減じてしまった。まあ、もともと彼は作曲に関しては、ジョー・ウォルシュ(2011年3月5日)のあり方とも似ているのだが、ワン・パターンなところもけっこう持つ。だが、ファンだとそのネタの重なりも愛おしく感じる部分も出てくる……とは、思っているのだけれど。
個人的には、なんか昔の財産に頼ったライヴ盤が散見されたのも、ミュージシャンとしての輝きが減じているような気がして、悲しい気持ちを得た。だって、バンド・サウンドだって、昔のほうが良かったと思えるし。ただし、2010年の欧州ライヴ盤ではイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズの洗練フュージョン曲「インビトゥイーンズ」のカヴァーを披露していて、これは注目したい。あの曲、ぼく大好き。と、ここまで前書きで、以下本題……。
そんなジョー・ジャクソンがなんとクエストラヴをドラマーとして起用していたアルバムを出していたのを、今になって知った。2012年リリースの『ザ・デューク』(レイザー&タイ)。米国黒人音楽史上もっとも優美で成熟した集団表現を作り出したなデューク・エリントンの楽曲を取り上げ、彼なりに披露した内容をそれは持つ。エリントン・トリビュート盤というと、必ずその側近だったビリー・ストレイホーン単体による楽曲も収められるのが常だが、ジャクソンはきっちりエリントンの名が作者としてクレジットされている曲を選んでいて、そのこだわりはとても彼らしい。
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)のサンプル音使用や他のドラマーが叩く曲もあるが、クェストラヴもしっかり参加。わー、今年ザ・ルーツとエルヴィス・コステロはブルーノートから双頭リーダー作を出しているが、クエストラヴはコステロとやる前にジョー・ジャクソンとも絡んでいたのか。でもって、ザ・ルーツ同行メンバーであるキャプテン・カーク・ダグラス(ギター)やデイモン・ブライソン(スーザフォン)の名もそこにはある。さらには、ディープR&B歌手のシャロン・ジョーンズや真性ロッカーのイギー・ポップ、ジャズ界からはベーシストのクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日)やヴァイオリニストのレジーナ・カーター(2006年9月17日、2008年7月19日)も同作には参加。内容的には、ベスト10に入れようかと悩むものではないが、ジャクソンの洒脱や好奇心や捉えどころのない資質はそれなり百花繚乱的に出ていて、手の伸びるところに一応CDを置いておきたいナという気持ちにはさせる。ちなみに、ジャケはエリントン御大の顔の写真を少し処理したもの。JJさま、あなたの力作を見落としていて、本当にごめんなさい。
▶過去の、コステロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200412111752390000/
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200606101341360000/
http://43142.diarynote.jp/201103040825532252/
▶過去の、ウォルシュ
http://43142.diarynote.jp/201103091707591166/
▶過去の、マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
▶過去の、カーター
http://43142.diarynote.jp/200807200958460000/
2006年6月2日、2011年9月9日
▶過去の、ジョー・ジャクソンを扱った記述
http://43142.diarynote.jp/?day=20060602
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
▶過去の、ザ・ルーツ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040919
http://43142.diarynote.jp/200701201415300000/
<今日の、懺悔>
かつてこの項で書いたことがあるけど、ぼくは偏屈だけど広角型でもあった英国人ロック・ミュージシャンであるジョー・ジャクソンの大ファンだった。同じころに世に出て、似たような位置にいたエルヴィス・コステロ(2002年7月5日、2004年9月19日、2004年12月8日、2006年5月31日、2006年6月1日、2006年6月2日、2011年3月1日)なんか、目じゃないほどに。だが、基本ずっとメインストリームでい続けつつ、いろんな方面にも着手したアルバムをいろいろ出す機会を持つコステロと異なり、ジャクソンはどんどん存在感が薄くなり傍系の人になってしまい、実際アルバムの面白さも曲作りの部分で翳りが見られもし、ぼくの興味は減じてしまった。まあ、もともと彼は作曲に関しては、ジョー・ウォルシュ(2011年3月5日)のあり方とも似ているのだが、ワン・パターンなところもけっこう持つ。だが、ファンだとそのネタの重なりも愛おしく感じる部分も出てくる……とは、思っているのだけれど。
個人的には、なんか昔の財産に頼ったライヴ盤が散見されたのも、ミュージシャンとしての輝きが減じているような気がして、悲しい気持ちを得た。だって、バンド・サウンドだって、昔のほうが良かったと思えるし。ただし、2010年の欧州ライヴ盤ではイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズの洗練フュージョン曲「インビトゥイーンズ」のカヴァーを披露していて、これは注目したい。あの曲、ぼく大好き。と、ここまで前書きで、以下本題……。
そんなジョー・ジャクソンがなんとクエストラヴをドラマーとして起用していたアルバムを出していたのを、今になって知った。2012年リリースの『ザ・デューク』(レイザー&タイ)。米国黒人音楽史上もっとも優美で成熟した集団表現を作り出したなデューク・エリントンの楽曲を取り上げ、彼なりに披露した内容をそれは持つ。エリントン・トリビュート盤というと、必ずその側近だったビリー・ストレイホーン単体による楽曲も収められるのが常だが、ジャクソンはきっちりエリントンの名が作者としてクレジットされている曲を選んでいて、そのこだわりはとても彼らしい。
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)のサンプル音使用や他のドラマーが叩く曲もあるが、クェストラヴもしっかり参加。わー、今年ザ・ルーツとエルヴィス・コステロはブルーノートから双頭リーダー作を出しているが、クエストラヴはコステロとやる前にジョー・ジャクソンとも絡んでいたのか。でもって、ザ・ルーツ同行メンバーであるキャプテン・カーク・ダグラス(ギター)やデイモン・ブライソン(スーザフォン)の名もそこにはある。さらには、ディープR&B歌手のシャロン・ジョーンズや真性ロッカーのイギー・ポップ、ジャズ界からはベーシストのクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日)やヴァイオリニストのレジーナ・カーター(2006年9月17日、2008年7月19日)も同作には参加。内容的には、ベスト10に入れようかと悩むものではないが、ジャクソンの洒脱や好奇心や捉えどころのない資質はそれなり百花繚乱的に出ていて、手の伸びるところに一応CDを置いておきたいナという気持ちにはさせる。ちなみに、ジャケはエリントン御大の顔の写真を少し処理したもの。JJさま、あなたの力作を見落としていて、本当にごめんなさい。
▶過去の、コステロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200412111752390000/
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200606101341360000/
http://43142.diarynote.jp/201103040825532252/
▶過去の、ウォルシュ
http://43142.diarynote.jp/201103091707591166/
▶過去の、マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
▶過去の、カーター
http://43142.diarynote.jp/200807200958460000/
2006年6月2日、2011年9月9日
▶過去の、ジョー・ジャクソンを扱った記述
http://43142.diarynote.jp/?day=20060602
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
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