藤井郷子+齊藤貿子。カーネーション
2019年6月29日 音楽 渋谷・公園通りクラシックスで、ピアニストの藤井郷子(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2010年8月6日、2012年7月1日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日、2019年1月13日、2019年1月13日)とベルリン在住のヴァイブラフォン奏者の齊藤貿子(2018年7月16日)のデュオによるマチネー公演を見る。5公演持たれた日本ツアーの最終日。松山公演のあとにはホールを借りて、レコーディングもしたそう。
両者、共鳴しあいながら、いろんな音を出し合う。1曲目は斎藤がベルをならして始まり、最初藤井はピアノの弦を糸でこすって響かせる。他にも、藤井はいろんな方策のもと音を出していて、今年出したピアノ・ソロ作はええコレ本当にピアノ一つによる音なのと思わせる仕上がりになっていたが、なるほど。左右マレット2本づつ持ちでことにあたる斎藤は鍵の(縦)端を叩いたり、マレットの肢のお尻の部分で鍵を叩いたり、下の金属共鳴管を叩いたりと、いろいろと枠を外れた奏法で自在に対応。なんと、2曲目はすべて弓で鍵をこすることで終始。おもしろすぎるなあ。
もちろん、正統な(?)楽器演奏で丁々発止する場合もあり。自由に流れるが、基本の曲調/流れの青写真はちゃんとあったはず。また、レコーディングを経て、より整理されてきている部分はあるだろう。ヴァイブラフォンは今のジャズの世界にあっては完全に傍系な楽器となっているが、もっとコンテンポラリーなテクスチャーを持つ表現においてはかなり使いがいのある楽器ではないのいかとも、再確認。その独特の光度や透明感を持つあの楽器の音はそれだけで近代的な建造物のような造形を触れる者にあたえる。
最後のほうの、仲良しな二人の会話がとても面白かった。MC嫌いのぼくが言うのだから、間違いない。この二人による新作にも期待したい。
▶過去の、藤井郷子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201008261616172628/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120701
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
https://43142.diarynote.jp/201801100512178732/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201901141236416025/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201903231350548821/ モリ・イクエ
https://43142.diarynote.jp/201906280923527705/ 2019年ダウンビート誌クリティクス・ポール
▶︎過去の、齊藤貿子/KOTOTOBU
https://43142.diarynote.jp/201807171220429185/
夕方からは直枝政広(歌、ギター)と大田譲(ベース)のカーネーション(2003年10月3日、2004年12月12日、2006年4月14日、2009年12月23日、2011年3月26日、2012年6月1日、2012年12月8日、2014年3月7日)を見る。草月ホール、あれ横を通る地下鉄の音が漏れ聞こえなくなったような。ここで2日続けての出し物で、今日はストリングス・カルテットが付き、明日はホーン・セクションがつく特別編成による。
サポートはドラムの岡本啓佑、キーボードの伊藤隆博とギターの松江潤。そして、ヴァイオリンの美尾洋乃(2012年6月1日)と美尾洋香、ヴィオラの鈴木千夏、チェロの橋本歩がつく。女性のストリングス陣、半数強で加わっていたか。
過去の弦音が付いていた曲を持ち出すとともに、新曲にそれをつけたものもあり。過去弦付き曲において譜面がなくなってしまったものもあったようで、鈴木博文(編集者をやっていた大昔に原稿を頼んだことがあったが、とってもいい印象あり)とのミオフーやリアル・フィッシュの活動でも知られる美尾洋乃が譜面を聞き起こしたり、新たにつけるなど、ストリングス音全般のケアをしたよう。
そんなお膳立て〜選曲のもと、カーネンションの持つロマンティックな部分、軽妙洒脱な部分が前に出されたショウと指摘できる。とともに、コード進行が格好いいなあとも存分に思わせるとともに、直江の歌力も再確認させる。そういえば、チェロとキーボードをバックにギターを持たずにしっとり歌うという曲もあったはずだが、そのさい太田も楽器を持たずコーラスをつける。その曲を聞いて、何気に彼の歌がカーネーションの表現総体に効いているのだと気付いた。
▶過去の、カーネーション
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/200604162050380000/
http://43142.diarynote.jp/201001051628013232/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110326
http://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
http://43142.diarynote.jp/201212131649061802/
https://43142.diarynote.jp/201403090924405532/
▶︎過去の、美尾洋乃
https://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
<今日の、新作>
1990年代後半エイベックスからのデビュー時に直江がプロデュースしたディキシー・タンタス(レコード会社表記はデキシー・タンタスだったかもしれない)のリーダーだった、アニーキー・ア・ゴー・ゴー(2009年5月16日、2011年1月15日、2013年3月2日、2013年10月22日、2016年9月23日)の新作『LAUGH IN LIFE』(Spy)が出た。がらっぱちでスウィートでもある、彼の得意技がいろいろ詰められた肉感的なロック・アルバムだ。そういえば、エイベックス契約時にA&Rからは「プロデュースはジョン・サイモンで」と言われたらしいが、契約後に直江を当てがわられたという話を聞いたことがある。これ、彼をくさす記述ではなく、他愛のない笑い話として出す。実際、アニーキーはその共同作業に感謝していて、過去の自分のリーダー作の帯原稿を直江に書いてもらっているよな。中のライナーノーツはぼくが書いた。ところで、ザ・バンドのプロデューシングで何より知られるジョン・サイモンは個人作も何枚も出しているが、パイオニアLDCから珠玉作を2枚出した1990年代はブルーノート東京でリーダー公演を行ったりもしていた。1941年生まれの彼、訃報は届いていていないのでご存命とは思うが、ここのところはとんと話を聞かない。彼のHPも、2012年4月に「ロックンロールにおける私の人生」もしくは「ロックンロール:その起源と帰結」という講演を行ったという記載でとまっている。彼は佐野元春のプロデュースもしたことが90年代後半にあり、そのとき<佐野元春×ジョン・サイモン>という雑誌の企画で彼に会ったことがある。ほんわか、軽妙な紳士だったような。取材場所は、白金にぽっかりあるログ・ハウスのようなような一軒家〜佐野の仕事用の持ち物と聞き、さすがスター・ロッカーは羽振りがいいなと思った記憶あり〜だった。
追記:なんと、彼の2019年7月14日にやった、簡素ソロ・パフォーマンス(”The Relix Session”)がネットにアップされた。洒脱、妙味は一切変わらず。彼は2018年9月に、「Truth, Lies & Hearsay:: A Memoir Of A Musical Life In And Out Of Rock And Roll」をペイパーバックで自主出版した(アマゾンで流通)。それも、宣伝している。
▶過去の、アニーキー・ア・ゴーゴー
http://43142.diarynote.jp/200905181017287290/
http://43142.diarynote.jp/201101171218542943/
http://43142.diarynote.jp/201303070813599854/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
https://43142.diarynote.jp/201609260928001576/
▶︎過去の、ガース・ハドソン/ザ・バンド
https://43142.diarynote.jp/201308110826574632/
両者、共鳴しあいながら、いろんな音を出し合う。1曲目は斎藤がベルをならして始まり、最初藤井はピアノの弦を糸でこすって響かせる。他にも、藤井はいろんな方策のもと音を出していて、今年出したピアノ・ソロ作はええコレ本当にピアノ一つによる音なのと思わせる仕上がりになっていたが、なるほど。左右マレット2本づつ持ちでことにあたる斎藤は鍵の(縦)端を叩いたり、マレットの肢のお尻の部分で鍵を叩いたり、下の金属共鳴管を叩いたりと、いろいろと枠を外れた奏法で自在に対応。なんと、2曲目はすべて弓で鍵をこすることで終始。おもしろすぎるなあ。
もちろん、正統な(?)楽器演奏で丁々発止する場合もあり。自由に流れるが、基本の曲調/流れの青写真はちゃんとあったはず。また、レコーディングを経て、より整理されてきている部分はあるだろう。ヴァイブラフォンは今のジャズの世界にあっては完全に傍系な楽器となっているが、もっとコンテンポラリーなテクスチャーを持つ表現においてはかなり使いがいのある楽器ではないのいかとも、再確認。その独特の光度や透明感を持つあの楽器の音はそれだけで近代的な建造物のような造形を触れる者にあたえる。
最後のほうの、仲良しな二人の会話がとても面白かった。MC嫌いのぼくが言うのだから、間違いない。この二人による新作にも期待したい。
▶過去の、藤井郷子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201008261616172628/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120701
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
https://43142.diarynote.jp/201801100512178732/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201901141236416025/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201903231350548821/ モリ・イクエ
https://43142.diarynote.jp/201906280923527705/ 2019年ダウンビート誌クリティクス・ポール
▶︎過去の、齊藤貿子/KOTOTOBU
https://43142.diarynote.jp/201807171220429185/
夕方からは直枝政広(歌、ギター)と大田譲(ベース)のカーネーション(2003年10月3日、2004年12月12日、2006年4月14日、2009年12月23日、2011年3月26日、2012年6月1日、2012年12月8日、2014年3月7日)を見る。草月ホール、あれ横を通る地下鉄の音が漏れ聞こえなくなったような。ここで2日続けての出し物で、今日はストリングス・カルテットが付き、明日はホーン・セクションがつく特別編成による。
サポートはドラムの岡本啓佑、キーボードの伊藤隆博とギターの松江潤。そして、ヴァイオリンの美尾洋乃(2012年6月1日)と美尾洋香、ヴィオラの鈴木千夏、チェロの橋本歩がつく。女性のストリングス陣、半数強で加わっていたか。
過去の弦音が付いていた曲を持ち出すとともに、新曲にそれをつけたものもあり。過去弦付き曲において譜面がなくなってしまったものもあったようで、鈴木博文(編集者をやっていた大昔に原稿を頼んだことがあったが、とってもいい印象あり)とのミオフーやリアル・フィッシュの活動でも知られる美尾洋乃が譜面を聞き起こしたり、新たにつけるなど、ストリングス音全般のケアをしたよう。
そんなお膳立て〜選曲のもと、カーネンションの持つロマンティックな部分、軽妙洒脱な部分が前に出されたショウと指摘できる。とともに、コード進行が格好いいなあとも存分に思わせるとともに、直江の歌力も再確認させる。そういえば、チェロとキーボードをバックにギターを持たずにしっとり歌うという曲もあったはずだが、そのさい太田も楽器を持たずコーラスをつける。その曲を聞いて、何気に彼の歌がカーネーションの表現総体に効いているのだと気付いた。
▶過去の、カーネーション
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/200604162050380000/
http://43142.diarynote.jp/201001051628013232/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110326
http://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
http://43142.diarynote.jp/201212131649061802/
https://43142.diarynote.jp/201403090924405532/
▶︎過去の、美尾洋乃
https://43142.diarynote.jp/201206021156313888/
<今日の、新作>
1990年代後半エイベックスからのデビュー時に直江がプロデュースしたディキシー・タンタス(レコード会社表記はデキシー・タンタスだったかもしれない)のリーダーだった、アニーキー・ア・ゴー・ゴー(2009年5月16日、2011年1月15日、2013年3月2日、2013年10月22日、2016年9月23日)の新作『LAUGH IN LIFE』(Spy)が出た。がらっぱちでスウィートでもある、彼の得意技がいろいろ詰められた肉感的なロック・アルバムだ。そういえば、エイベックス契約時にA&Rからは「プロデュースはジョン・サイモンで」と言われたらしいが、契約後に直江を当てがわられたという話を聞いたことがある。これ、彼をくさす記述ではなく、他愛のない笑い話として出す。実際、アニーキーはその共同作業に感謝していて、過去の自分のリーダー作の帯原稿を直江に書いてもらっているよな。中のライナーノーツはぼくが書いた。ところで、ザ・バンドのプロデューシングで何より知られるジョン・サイモンは個人作も何枚も出しているが、パイオニアLDCから珠玉作を2枚出した1990年代はブルーノート東京でリーダー公演を行ったりもしていた。1941年生まれの彼、訃報は届いていていないのでご存命とは思うが、ここのところはとんと話を聞かない。彼のHPも、2012年4月に「ロックンロールにおける私の人生」もしくは「ロックンロール:その起源と帰結」という講演を行ったという記載でとまっている。彼は佐野元春のプロデュースもしたことが90年代後半にあり、そのとき<佐野元春×ジョン・サイモン>という雑誌の企画で彼に会ったことがある。ほんわか、軽妙な紳士だったような。取材場所は、白金にぽっかりあるログ・ハウスのようなような一軒家〜佐野の仕事用の持ち物と聞き、さすがスター・ロッカーは羽振りがいいなと思った記憶あり〜だった。
追記:なんと、彼の2019年7月14日にやった、簡素ソロ・パフォーマンス(”The Relix Session”)がネットにアップされた。洒脱、妙味は一切変わらず。彼は2018年9月に、「Truth, Lies & Hearsay:: A Memoir Of A Musical Life In And Out Of Rock And Roll」をペイパーバックで自主出版した(アマゾンで流通)。それも、宣伝している。
▶過去の、アニーキー・ア・ゴーゴー
http://43142.diarynote.jp/200905181017287290/
http://43142.diarynote.jp/201101171218542943/
http://43142.diarynote.jp/201303070813599854/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
https://43142.diarynote.jp/201609260928001576/
▶︎過去の、ガース・ハドソン/ザ・バンド
https://43142.diarynote.jp/201308110826574632/
コメント