TOKYO LAB 2017

2017年6月21日 音楽
 渋谷・クラブクアトロにて、クロスオーヴァー派若手ジャズ・マンのグループがいろいろ出た興味深いイヴェントを見る。トランペッターの類家心平(2011年5月5日、2014年6月13日、2014年9月25日、2014年12月28日、2016年9月7日、2016年9月27日)、ベースの守谷巧、ギターの井上銘(2016年6月27日)、ドラムの石若駿(2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日)、その4者それぞれのリーダー・バンドが登場。出演者と出演者の間に回していたのは、大塚広子。音は大きくなく、知人と話をするのにまったく邪魔にならないものであったが、そのTPOをわきまえた所作にプロDJの矜持を感じたかも。彼女は生演奏バンドのRM jazz legacyをディレクションしているが、この晩の<beyond JAZZ>の出演者の少なくない人たちはそれに関与していますね。

 所用を経て遅れて会場入りすると、二つの出演者は終わっていて、この日がアルバム発売日であるという井上銘STEREO CHAMPの演奏が始まる。トランペッターの類家心平、キーボードの渡辺ショータ、エレクトリック・ベースの山本連(2016年3月15日)、ドラムの石若駿という面々を擁してのパフォーマンス。”ネクスト”と言うのは憚れるが、今の芯のあるフュージョンを聞かせる。そのオープナーはジミ・ヘンドリックス曲を改変したものだった。相変わらず、テンションの高いソロを聞かせる類家の様を見ながら、彼がかつてurb(2003年8月1、2日)というフュージョン・バンドに入っていたことをふと思いだす。彼らはソニーと契約していたバンドで、鍵盤の菱山正太(2012年8月4日)はリーダー格だったんだっけ? あ、変なこと、思い出した。彼らを取材するためにソニー乃木坂ビルに車で向かっていたら、バイク便のオートバイに突っ込んでこられて、後日に取材日を再設定してもらったことがあった……。人間て、ヤなこと忘れるものよのお。

 続く、石若駿Clean Up Trioの演奏には驚かされる。MCで、カート・ローゼンウィンケル(2009年3月1日、2010年3月12日、2013年11月20日、2014年3月4日、2016年6月27日、2017年4月15日)を迎えたブルーノート公演(2016年6月27日)を起点におくみたいなこと言っていたが、あんときと全然違うんだもの。構成とストーリー性と伸縮性の妙に満ちた曲は石若が書いているのか? もう、深くなり、不明な箇所が増大し、ドキドキできた。井上銘、ベースの須川崇志(2010年3月14日、2011年7月25日、2016年6月27日)、豪州から来ているというトランペットのニラン・ダオスカという構成員たちも石若の意図を汲み自在に絡み、飛躍を作る。ふむ、こりゃイケてるリアル・ジャズ以外の何ものでもない。拍手!

 そして、最後のアクトはキーボードを弾く冨田恵一(冨田ラボ)が仕切るT.O.C.BANDという集団。先に出た出演者の選抜+アルファからなるもので、前には4管が並ぶ。ツイン・キーボード、ツイン・ドラム、ステージ上には10人ぐらいいたか。ドラムの松下マサナオ(2013年8月22日 )と石若駿(ds)、電気ベースの角田隆太(2016年8月10日)、類家心平、テナー・サックスの後関好宏(2010年9月25日、2014年6月13日、2015年7月12日,2016年9月7日)、井上銘、キーボードの江﨑文武(2017年2月15日、2017年3月16日) 、などなど。

 ジャズの要素を入れた、視点ありのポップ・インストを和気藹々と開示。彼らレパートリーを増やして、今年のブルノート・ジャズ・フェスティヴァルに出演するそう。

▶︎過去の、井上銘
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
▶過去の、類家心平
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160927
▶︎過去の、山本達
http://43142.diarynote.jp/201603170929502385/
▶︎過去の、urb
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 名前は出ていないが、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル・イン・斑尾に出演
▶︎過去の、菱山正太
http://43142.diarynote.jp/201208091349221661/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
▶︎過去の、須川崇志
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160627
▶過去の、カート・ローゼンウィンケル
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
http://43142.diarynote.jp/201003131221091991/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
▶︎過去の、角田隆太/ものんくる
http://43142.diarynote.jp/201608111103309626/
▶︎過去の、松下マサナオ/Yasei Collective
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
▶︎過去の、後関好宏
http://43142.diarynote.jp/201009261258386231/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150712
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
▶︎過去の、江﨑文武/WONK
http://43142.diarynote.jp/201702201427067352/
http://43142.diarynote.jp/201703171128184770/

<今日の、流れ>
 冨田はドナルド・フェイゲン通として知られるが、今年のブルーノート・ジャズ祭のメイン・アクトはフェイゲン。ラテン愛好者やテクノ・ファンの知人が今年の同フェスはフェイゲンが出るので行きますよおと連絡を入れてきたりして、潜在的なフェイゲン人気ってすごいと、ぼくは再認識しております。クアトロの後、流れた飲み屋で、偶然スティーリー・ダン(2000年5月15日)の『プリッツェル・ロジック』がかかる。なんか、うれしかった。
▶︎過去の、スティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm

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