フェラ・クティ&アフリカ77のギタリストであったオゲネ・コロクボがパリで亡くなった。昨年初頭に彼はツアー中に交通事故で左足を大怪我し、入院をよぎなくされたことが報じられたが、それと関係があるかは不明だ。

 ナイジェリアでは知られたハイ・ライフ・ミュージックの進歩派ギター奏者であるジョー・キング・コログボの息子として同国に生まれた。だが、早々に家に飛び出しフェラ・クティのコミューンであるカラクタ共和国に身を寄せた。そんな彼がクティのバンドに入ったのは、16歳だったと言われる。かなりクティの信任を受け、彼が夜中に口ずさんだ歌を他のメンバーに教えるという役割を担ったりもしたそうだ。コロクボは1978年ごろまで唯一無二のアフロ・ビート表現を支えたが、ドラマーのトニー・アレン(2003年9月26日、2019年1月23日)がアフリカ77を抜ける少し前に彼はクティのもとから離れ、渡欧した。その後、アレンとは懇意にし、お互いのアルバムに参加し合う関係にあった。アレンの2003年の来日公演は彼が同行していたかもしれない。

 リーダー作は少ないが、アフロ・ビート表現流儀のもと得難いいろんな刻みやオブリーガードを聞かせ、歌や曲作りや打楽器/ドラムやプロデューシングもした。2015年リリースのオゲネ・コロクボ&ワールド・スクアッドの『Music No Get Enemy』(https://okws.bandcamp.com/album/music-no-get-enemy)ではカルロス・サンタナ(2013年3月12日)もびっくりのギター・ソロを聞かせていた。なお、P-Vineから日本盤も出た『Africa Is The FutureAfrica Is The Future』(Paris DJs、2017年)には、1曲ギターで父親の名前も入っている。それ、ぼくが大好きなアヨ(2014年6月21日)も4曲に入っていたんだよなー。

▶︎過去の、トニー・アレン 
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201901241310023413/
https://43142.diarynote.jp/202005011231478842/ 訃報(インタヴュー付き)
▶︎過去の、カルロス・サンタナ/嫁のシンディ・ブラックマン・サンタナ
https://43142.diarynote.jp/200812281442184528/
https://43142.diarynote.jp/201303211531189619/
https://43142.diarynote.jp/201905100759197664/
▶︎過去の、フェラ・クティの息子たち
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm フェミ・クティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm フェミ・クティ
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/ これ以下は、シェウン・クティ
https://43142.diarynote.jp/200908180045212538/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
https://43142.diarynote.jp/201808012004309687/
▶︎過去の、アヨ
https://43142.diarynote.jp/201406231449024018/

 佐藤浩一(2014年10月22日、2016年7月11日、2017年10月27日、2018年1月7日、2018年4月7日、2018年6月4日、2019年1月5日、2019年10月30日、2020年8月16日、2021年7月30日、2021年11月6日、2021年11月25日、2021年12月18日、2021年11月27日)と、林正樹(2013年9月6日、2015年9月27日、2015年12月17日、2016年7月16日、2018年5月13日 、2019年1月7日、2019年10月6日、2019年11月19日、2019年11月21日、2019年12月18日、2020年8月28日、2020年10月29日、2020年11月14日、2021年4月19日、2021年9月26日)と、栗林すみれ(2021年11月27日)。

 渋谷・公園通りクラシックスで、福盛進也((2018年1月7日、2018年4月7日、2019年1月5日、2019年6月14日、2019年12月18日、2021年11月25日、2021年11月26日、11月27日、2021年11月26日、2021年11月26日)の<nagalu>レーベルのピアニスト3人をフィーチャーする公演を見る。このハコ常設の2台のグランド・ピアノに加え、異なる響きを持つピアニーノというアップライト・ピアノ型のそれを入れての出し物となる。それぞれのソロ、3種のデュオ、3人一緒と様々な設定でショウは進む。公演は2部制で行われたが、それぞれに終盤には福盛が入り、優しいテイストのドラム演奏を加えた。その際、福盛はいわゆるドラムではなく、パルスや揺れを出せるメロディ楽器を奏でているという感じもあった。もちろん、PAなしの生音にてことは進む。

 設定により、3人は弾くピアノを代える。ピアニーノは少しくぐもったなかから光を出すような質感の音色を持ち、グランド・ピアノとはまた違った聞き味を与える。それについては、当の奏者たちも興味深しのようであった。しかし、ソロにせよ、デュオにせよ、3人で一緒に弾くにせよ、それぞれの個性がちゃんとこぼれ出ているのには大きく頷く。とくに、デュオの場合は助に回るほうの奏者の好センスが明解に現れ、おもしれーとぼくは身をよじった。
 
 三者三様、自由に振る舞い、十全に会話を図る。1部は曲が短めに披露されたような印象を得たが、ちょっとした調べだけでも、詩情あるメロディ性やジャズ感覚/衝動を下敷きにするからこその広がりや余韻が宙に舞い、聞く者を包む。結果、これは今のもう一つのジャズであるなあとも合点する。楽曲はそれぞれのオリジナルを弾いたり、弾きあったり。栗林はソロ演奏の際、最後の方に少しスタンダードも入れた。それにしても、演奏する3人は本当に楽しんでいるのが手に取るように分かる。林と栗林はメロディにあわせて、ハミングする場合もあった。

▶︎過去の、佐藤浩一
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
http://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
http://43142.diarynote.jp/201711020707155260/
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201806060708363548/
https://43142.diarynote.jp/201910311450514339/
https://43142.diarynote.jp/202008171907569224/
https://43142.diarynote.jp/202107310742529881/
https://43142.diarynote.jp/202111071551287545/
https://43142.diarynote.jp/202111261008298329/
https://43142.diarynote.jp/202111280904312385/
https://43142.diarynote.jp/202112191950511696/
▶過去の、林正樹
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201512271306411506
http://43142.diarynote.jp/201607191312426603/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
https://43142.diarynote.jp/201901090933013218/
https://43142.diarynote.jp/201910070759405954/
https://43142.diarynote.jp/201911201705565775/
https://43142.diarynote.jp/201911230723444744/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
https://43142.diarynote.jp/202008290914077509/
https://43142.diarynote.jp/202010300958115053/
https://43142.diarynote.jp/202011150954203089/
https://43142.diarynote.jp/202104211350032210/
https://43142.diarynote.jp/202109271035415011/
https://43142.diarynote.jp/202111270737509911/
▶︎過去の、栗林すみれ
https://43142.diarynote.jp/202111280904312385/
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
https://43142.diarynote.jp/202111261008298329/
https://43142.diarynote.jp/202111270737509911/
https://43142.diarynote.jp/202111280904312385/

<今日も、日和よし>
 遠方から、便りあり。ほっこりする。それもまた、ホリデイ・シーズンなり。

コメント