スタックス・レコードのスター歌手/作曲者であるルーファス・トーマスの娘さん(1942年、メンフィス生まれ)で、同社からキラキラしたアイドル然として10代でデビュー。あのオーティス・レディングとも1967年にデュオ・アルバムをリリースしている大御所南部シンガーの来日公演は、ザ・メンフィス・オールスター・レヴューという名前がつけられているが、それに偽りなしの陣容と言えるか。

 サブのリード・シンガーとしてゲフィン他からのリーダー作を持つとともにセッション・シンガーとしても活動した妹のヴァニース・トーマス(1952年、メンフィス生まれ。2013年9月29日)が一緒にやってきたのもうれしいし、オルガンのチャールズ・ホッジズ (1947年、メンフィス生まれ)とベースのリロイ・ホッジズ(1950年、メンフィス生まれ) の兄弟はそれこそ黄金期のハイ・レコードを支えた名手たちだし、ドラムのスティーヴ・ポッツ(2012年3月9日、2012年5月11日、他。メンフィス生まれ)もブッカーT (2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日 、2011年9月12日、2012年5月11日、2013年10月29日、2017年4月13日)& ザ・MGズやアル・グリーンなどメンフィスものでいろいろ叩いている人だし、ギターで唯一の白人であるスコット・シャラルドは晩年のグレッグ・オールマンのバンドに入っていた御仁だ。同時期、スティーヴ・ポッツもオールマンのバンドに関与していて、今回の彼の参加はポッツ経由であると思われる。そのシャラルド、多様な弾き方をし、伴奏陣のなかでは一番ソロ・パートをもっていたが、それについては常識的でぼくは惹かれなかった。

 また、女性コーラスも二人いて、うちベルネタ・マイルズは1980年代からヴァニースの仲良しさんで、もう一人すこし若めのアージー・ファイン・マーティン はキャンディス・スプリングス(2016年5月25日、2016年9月8日 )みたいな頭をしていた。ところで、近く出るスプリングスのブルーノート第2弾のプロデュースはカリーム・リギンズ(2005年9月15日、2015年9月6日)のプロデュースだ! 話はそれたが、そこに日本で雇ったテナー・サックスのアンディー・ウルフ (2012年3月24日、2016年11月10日、2017年3月20日)とトランペットのルイス・バジェが加わる。

 最初、ヴァニースが2曲だか歌い、入れ替わりでカーラが出てきて、終盤は一緒に歌う。ともに声は出ていて、年はとってもキュートなところもあるし、バンドの音はしっかりしているしと、美味しいソウル・ショウのあり方を堪能。ロック・スタンダートとも言える父親ルーファスの「ウォーキング・ザ・ドッグ」も二人でちゃきっとやった。度々出てきてMCをするマネージャーだろう白人男性のそれは少しウザかった(でも、それもレヴューゆえ?)けど、うれしさは多々。六本木・ビルボードライブ、ファースト・ショウ。

▶︎ヴァニース・トーマス
http://43142.diarynote.jp/201310050701201281/
▶︎過去の、スティーヴ・ポッツ
http://43142.diarynote.jp/201203100844041105/
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
▶過去の、ブッカー・T・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
http://43142.diarynote.jp/201310301217408539/
http://43142.diarynote.jp/201704161228187684/
▶︎過去の、アンディ・ウルフ
http://43142.diarynote.jp/201203260807415637/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161110
http://43142.diarynote.jp/201703211232135720/
▶︎過去の、キャンディス・スプリングス
http://43142.diarynote.jp/201605260923093422/
http://43142.diarynote.jp/201609201655127640/
▶過去の、カリーム・リギンズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20050915
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/

<今日の、R.I.P.>
 ポーランド一番のインターナショナルなジャズ・マン(トランペッター)であるトマシュ・スタンコ(2005年10月26日)が、ワルシャワで肺がんで亡くなった。1942年7月11日〜2018年 7月29日。ずうっとECMからアルバムを出し続け、遺作はフランスで録音されたトマシュ・スタンコ・ニューヨーク・カルテットの『December Avenue』(ECM、2017年)。その参加者は、ヴァージン諸島出身ベーシストのルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2008年9月22日、2009年4月21日、2011年11月15日、2013年1月6日、2014年5月15日、2016年2月18日、2017年1月12日、2017年1月13日)、キューバ出身のECM契約ピアニストのデヴィッド・ビレルス、デトロイト出身ドラマーのジェラルド・クリーヴァーなり。最後まで、静謐にして意気盛んなジャズを送り出しましたね。
▶過去の、トマシュ・スタンコ
http://43142.diarynote.jp/200511130011570000/
▶過去の、ルーベン・ロジャース
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201405171309186867/
http://43142.diarynote.jp/201602191120219620/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
http://43142.diarynote.jp/201701141241544133/

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