ブルーノートから1968年にデビューし、近年はまたブルーノートに戻っている〜社長A&Rのドン・ワズ(2013年2月15日)が呼び戻したと言われている〜傑物ジャズ・オルガン奏者(2015年7月2日)の公演は、リーダー作をいろいろ出している白人ギタリストのジョナサン・クライスバーグ(2015年7月2日)と新進ドラマーのザビエル・ブレーカーとのトリオにてなされる。御大の2018年新作『All in My Mind』ではクライスバーグが補助プロデューサー/アレンジャーとしてもクレジットされていて、パっと聞くぶんにはスミスとの相性が高いとは思えないのだが、スミスからの信頼は厚いようだ。南青山・ブルーノート東京・

 ハモンド・オルガンを中心に弾き、あとPCと繋いだ小さなキーボード(トランペット音やシンフォニックな音をそれで出した)やコンガ音の出るパッドなどを、御大は扱う。もう1台横に置いていたキーボードは弾かず。そして、終盤は今トレードマークとなっている仕込み杖状カスタム電気1弦楽器も大活躍させ、客をわかせる。彼はその際、前のほうを動いたりして、客のポテト・フライをつまんだりもした。驚きや“電波”度は初めて見た前回の方がでかかったが、米国黒人音楽愛好家で良かったと思わせるところは、その格好もふくめていろいろ。今回、改めてスミスのオルガン音のダイナミクスの凄みを実感し、それは宇宙と交信しているのだと思わずにはいられず。そんなこともあり、今一番サン・ラーが提示したもやもやを引き継いているのも、彼ではないかと思ったりもした。

 ギターのジョナサン・クライスバーグは来月に丸の内・コットンクラブで2日間のリーダー公演(それも、オルガン・トリオ編成)を行う。そのことをMCで紹介してもいいし(まあ、振る舞いは雄弁だが、スミスはほとんど喋らない人)、告知チラシを目立つ所に置くなどしてもよかったのではないか。あったのかもしれないが、ぼくの目にはとまらなかった。

▶︎過去の、ドクター・ロニー・スミス
http://43142.diarynote.jp/201507030846173120/
▶︎過去の、ジョナサン・クライスバーグ
http://43142.diarynote.jp/201507030846173120/
▶︎過去の、ドン・ワズ
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
▶過去の、サン・ラー亡き後のサン・ラー・アーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201407051336285619/

 その後、六本木・ビルボードライヴ東京で、UKジャズ・ロックのレガシー的バンドであるソフト・マシーンの名前を引き継ぐバンドを見る。ギターのジョン・エサリッジ(1975年加入。記載はMCを担当した彼の弁による)、テナー・サックスとフルートとソプラノ・サックスと少しだけキーボードのセオ・トラビス(2015年加入)、電気ベースのロイ・バビントン(1972年加入)、ドラムのジョン・マーシャル(1971年加入)という面々による。途中からゲストとして、ゲイリー・ハズバンド( 2014年3月25日)もピアノとキーボードで加わった。ドラマー以外は皆、譜面を置いていた。リズム・セクションの二人が今回のツアーをもって引退するようで、フェアウェル・ツアーと名乗ってのものだ。

 長年受けつがれてきたインストゥメンタル流儀を生理的にまったり(やはり、若いピチピチのドラマーの音を聞いたあとだと、そう感じてしまう)、かつ悠々と披露する。ぐうぜん隣にいたプログ・ロック・クレイズの知人によれば、彼らの有名曲はけっこうやったそう。終盤に演奏した、ぼくが一番しっくりきた曲はわりと新しい曲らしい。その次にやった最終曲は初めて演奏すると言っていたが、それも良かったな。と、変なところで、面々の現役性を感じてしまったかもしれない。

▶︎過去の、ゲイリー・ハズバンド
http://43142.diarynote.jp/201403270907123498/

<今日は、台風>
 異例の動きをするとともに、勢力強しと言われる台風が上陸すると言われていた日。長靴を履いて、出かける。念のため余裕を持って16時すぎに家を出るときは、外出を躊躇するほどではなかったが、少し強い雨風あり。電車、遅延なし。少しはキャンセルは出たようだが、会場は立派な入り。そのブルーノートを出るさい、店舗前にタクシーが止まっていて思わず乗ってしまった(この日はドア・マンがいて、ドアとタクシーの間、傘をかざしてくれる)が、運転手さんが言うには、雨はもうほぼ止んでいますよ。道は混んでおらず、すうっと六本木ミッドタウン奥のザ・リッツ&カールトン・ホテルの玄関へ。ビルボードライブにタクって行くには、ここで降りたほうが歩かずにすむ。そして、こちらはほぼフル・ハウス。会場入りしたとき、男子トイレに列ができていて、オトコ比率が高い公演なのだと実感した。
 帰りも、平穏。危惧していたが、台風の影響はなし。でも、それだけ西日本に移動しているのかとも思えて、心が曇る。今回唯一の影響があったのは、プロモーション来日していたホセ・ジェイムズ(2008年9月18日、2010年11月11日、2011年1月12日、2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年7月27日、2015年2月15日、2016年2月16日、2017年2月15日、2018年2月21日)のインタヴューが飛んだことぐらい。本当は今日帰国するところが、台風のため便が発てなくなることを考え、予定を1日早く切り上げたことで、昨日予定されていた取材がキャンセルとなった。まあ、彼の場合、メール・インタヴューにも誠実に長々と答えてくれるので大丈夫でしょう。そういえば、ソフト・マシーンを見ているときに、知人からフジ・ロックのライヴ配信映像でフィッシュボーン(2000年7月28日、2007年4月5日、2007年4月6日、2009年11月25日、2010年7月31日、2011年8月8日、2013年6月3日)が今やっていてカッコいいよ〜んというメールが届く。うれしい。
▶過去の、ホセ・ジェイムズ
http://43142.diarynote.jp/200809191051472579/
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/
http://43142.diarynote.jp/201101131336421886/
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201408051020111821/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201602181207326029/
http://43142.diarynote.jp/201702201427067352/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
▶過去の、フィッシュボーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/ 豪バイロン・ベイ
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/ 豪ベイロン・ベイ
http://43142.diarynote.jp/200911281704335025/ アンジェロ単独
http://43142.diarynote.jp/?day=20100731 フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/201108101638376353/
http://43142.diarynote.jp/201306060729285922/
http://43142.diarynote.jp/201412310727087161/  NY実演のライヴ配信。

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