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映画「I Called Him MORGAN 私が殺したリー・モーガン」。HEATWAVE
2017年12月22日 音楽 公開中の、ブルーノート・レコードが送り出したスター・トランぺッターであるリー・モーガン(1938〜1972年)の長くはないプロ活動期のことを扱った2016年映画を見る。渋谷・UPLINK。基本は関係者発言映像やあり写真や映像などを構成したよくあるドキュメンタリーものと言えるのだが、“事実は小説よりも奇なり”なストーリーがあり、へ〜えとなるはず。そして、ひいては男と女の結びつきの妙や当時のジャズや黒人をとりまく環境もうっすらと浮かび上がる。まあ、モーガンのことを射殺してしまった婦人のヘレン・モーガンが亡くなる2ヶ月前に受けたインタヴューをもとにしたラリー・レニ・トーマスによる書籍「The Lady Who Shot Lee Morgan」(Kha Books、2014年2月に刊行)の内容を危ないところは少しボカしつつわりと忠実に追った映像作品でもあるので、まずは本のほうをほめるべきかもしれないが。
監督は、スウェーデン人のガスパー・コリン。ザ・ジャズ・メッセンジャーズの同僚のウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年9月7日、2015年9月6日)や、モーガンのバンドにいたベニー・モーピンやビリー・ハーパーら関係ミュージシャンから身近な言質をとるだけでなく、ラリー・レニ・トーマスにヘレン・モーガンのことを語らせたり、彼の書籍ではイケてる若い愛人として匿名的に書かれていた(はずの)女性も証言者として引っぱりだしたのは彼の功績。当然のことながら、トーマスがカセット・テープに収めたヘレンのインタヴュー肉声もいろいろと使われる。コリン監督は不世出のソウルフルなフリー・ジャズ・テナー・マンのアルバート・アイラー(彼は1970年に34歳で亡くなった。死体はNYのイースト川で見つかり、一般的には自殺と言われる)の伝記映画『My Name Is Albert Ayler』(2006)を手掛けてもいるそうで、それも見てみたいな。
使われる音楽は当然、一連のモーガン参加曲。なんか、トランペットが前にあるジャズっていいなとしっかり思わせられます。
▶過去の、ウェイン・ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
その後、渋谷・duoで、山口洋率いるHEATWAVEを見る。山口(2006年9月24日、2011年6月5日、2011年12月6日、2011年12月12日)個人のパフォーマンスは何度か見ているものの、バンドで見るのは初めて。ヴォーカルとギターの山口に加え、ベースの渡辺圭一、ドラムの池畑潤二、キーボードの細海魚。とっても、バンドの音だった。彼らはこの4日後にセルフ・カヴァーの2枚組『Your Songs』(マスタード)をリリース。そのこともあり、今回のライヴは彼らの歩みをくくり、そこから新たに一歩前に進まんという位置づけもあったのかな。
たっぷり、3時間ぐらいやった? 太い歌声はぜんぜんヘロったりせず、本当にストロング。無骨なようでいて、ときにお洒落と思わせるコード使いがあるのは洋楽ベースであることを伝えるか。エレックトリック・ギターを持つほうの曲を聞き、ニール・ヤング(2001年7月28日)のパンク路線みたいなの、やらないかなあとふと思った。歌詞確認のためか(でも、ほとんど見ていなかったような)譜面台を置いていたのはいただけない。MCでわざわざ言及していたジョー・ストラマー(2000年1月17日、2001年11月2日)は置いていないよ。
1度目のアンコールので披露したのは、彼と中川敬(1999年12月16日、2011年3月26日、他)が書いた、わずか数年でスタンダード・ソングになったしまった観もある「満月の夕べ」。実はこの曲、天下のECMレコードの2018年2月新譜、原盤番号ECM2574のShinya Fukumori Trioの『For 2 Akis』でカヴァーされています。
▶︎過去の、山口洋
http://43142.diarynote.jp/?day=20060924
http://43142.diarynote.jp/?day=20110605
http://43142.diarynote.jp/201112171632304826/
http://43142.diarynote.jp/201112191500441741/
▶過去の、ニール・ヤング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
▶︎過去の、ジョー・ストラマー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706162323290000/
▶︎過去の、中川敬/ソウル・フラワー・ユニオン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/201103271555032719/
<今日の、発見>
アップリンクの通り向かいのビルは統一教会の建物であるのを初めて知る。ぼくの学生のころはとても悪評高かった記憶がある(青山学院大学が特にむしばまれているという風評もあった)が、今はあまり話を聞かなくなってしまったな。それは他のカルトがのしてきているということだろうか。統一教会と言うと、信者同士が無理矢理指名されて合同結婚式をあげさせられるのが有名だが(通りに面したヴィジョンでその模様が紹介されていたので、今もそれは変わらないのだろう)、婚活で入会するという話はきかないな。はは。
ところで、リー・モーガンと言えば、1963年軽快曲「サイドワインダー」でよく知られる。あのシングル・ヒット曲はよくジャズ・ロックの走りと言われるが、はたしてそうか? だって、63年と言えば、ブラック・ミュージックをベースとしたロックがでかかったころ。ロックを応用したというよりは、チャック・ベリーらの黒人ロックンロールやソウル・ミュージックの8ビートを咀嚼した曲と解釈したほうが適切ではないか。ただ、あの曲には妙な軽さや切れがあり、それはこの後に台頭するロック・ビートと重なるところもあった。そして、それこそは、イケてる都会派ジャズ・マンが持つ粋が導いたものであったのだ。ぼくは、ずっとそう思っている。
監督は、スウェーデン人のガスパー・コリン。ザ・ジャズ・メッセンジャーズの同僚のウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年9月7日、2015年9月6日)や、モーガンのバンドにいたベニー・モーピンやビリー・ハーパーら関係ミュージシャンから身近な言質をとるだけでなく、ラリー・レニ・トーマスにヘレン・モーガンのことを語らせたり、彼の書籍ではイケてる若い愛人として匿名的に書かれていた(はずの)女性も証言者として引っぱりだしたのは彼の功績。当然のことながら、トーマスがカセット・テープに収めたヘレンのインタヴュー肉声もいろいろと使われる。コリン監督は不世出のソウルフルなフリー・ジャズ・テナー・マンのアルバート・アイラー(彼は1970年に34歳で亡くなった。死体はNYのイースト川で見つかり、一般的には自殺と言われる)の伝記映画『My Name Is Albert Ayler』(2006)を手掛けてもいるそうで、それも見てみたいな。
使われる音楽は当然、一連のモーガン参加曲。なんか、トランペットが前にあるジャズっていいなとしっかり思わせられます。
▶過去の、ウェイン・ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
その後、渋谷・duoで、山口洋率いるHEATWAVEを見る。山口(2006年9月24日、2011年6月5日、2011年12月6日、2011年12月12日)個人のパフォーマンスは何度か見ているものの、バンドで見るのは初めて。ヴォーカルとギターの山口に加え、ベースの渡辺圭一、ドラムの池畑潤二、キーボードの細海魚。とっても、バンドの音だった。彼らはこの4日後にセルフ・カヴァーの2枚組『Your Songs』(マスタード)をリリース。そのこともあり、今回のライヴは彼らの歩みをくくり、そこから新たに一歩前に進まんという位置づけもあったのかな。
たっぷり、3時間ぐらいやった? 太い歌声はぜんぜんヘロったりせず、本当にストロング。無骨なようでいて、ときにお洒落と思わせるコード使いがあるのは洋楽ベースであることを伝えるか。エレックトリック・ギターを持つほうの曲を聞き、ニール・ヤング(2001年7月28日)のパンク路線みたいなの、やらないかなあとふと思った。歌詞確認のためか(でも、ほとんど見ていなかったような)譜面台を置いていたのはいただけない。MCでわざわざ言及していたジョー・ストラマー(2000年1月17日、2001年11月2日)は置いていないよ。
1度目のアンコールので披露したのは、彼と中川敬(1999年12月16日、2011年3月26日、他)が書いた、わずか数年でスタンダード・ソングになったしまった観もある「満月の夕べ」。実はこの曲、天下のECMレコードの2018年2月新譜、原盤番号ECM2574のShinya Fukumori Trioの『For 2 Akis』でカヴァーされています。
▶︎過去の、山口洋
http://43142.diarynote.jp/?day=20060924
http://43142.diarynote.jp/?day=20110605
http://43142.diarynote.jp/201112171632304826/
http://43142.diarynote.jp/201112191500441741/
▶過去の、ニール・ヤング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
▶︎過去の、ジョー・ストラマー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706162323290000/
▶︎過去の、中川敬/ソウル・フラワー・ユニオン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/201103271555032719/
<今日の、発見>
アップリンクの通り向かいのビルは統一教会の建物であるのを初めて知る。ぼくの学生のころはとても悪評高かった記憶がある(青山学院大学が特にむしばまれているという風評もあった)が、今はあまり話を聞かなくなってしまったな。それは他のカルトがのしてきているということだろうか。統一教会と言うと、信者同士が無理矢理指名されて合同結婚式をあげさせられるのが有名だが(通りに面したヴィジョンでその模様が紹介されていたので、今もそれは変わらないのだろう)、婚活で入会するという話はきかないな。はは。
ところで、リー・モーガンと言えば、1963年軽快曲「サイドワインダー」でよく知られる。あのシングル・ヒット曲はよくジャズ・ロックの走りと言われるが、はたしてそうか? だって、63年と言えば、ブラック・ミュージックをベースとしたロックがでかかったころ。ロックを応用したというよりは、チャック・ベリーらの黒人ロックンロールやソウル・ミュージックの8ビートを咀嚼した曲と解釈したほうが適切ではないか。ただ、あの曲には妙な軽さや切れがあり、それはこの後に台頭するロック・ビートと重なるところもあった。そして、それこそは、イケてる都会派ジャズ・マンが持つ粋が導いたものであったのだ。ぼくは、ずっとそう思っている。
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