1984年、フィンランドのヘルシンキ生まれのギタリストの公演を渋谷・WWWで見る。技巧派アコースティック・ギターの弾き手である彼は過去なんども来日しているはずだが、ぼくは初めて見る。

 彼は故マイケル・ヘッジス(『タップルート』というアルバムのライナーノーツを大昔に書いたことがあるなあ)にヤラれてギター求道者となったようだが、世界中に彼のような存在がいろいろいるんだろうなあと思う。日本に来たときはまだ10代だった豪州人のキム・チャーチル(2010年5月28日)のことをふと思い出した。

 アコースティック・ギターをチューニングを変えながら、いろいろ扱う。足元にはそれなりにエフェクターが置いてあるが、最後の一音にかけたり、一部でサンプリングを介した輪演奏も見せるが、比較的うっすらめ。右手で終始ギターのボディを叩いたり、バーンと弦を叩いたりというパーカッシヴな演奏が好きなよう。それでいながら、すべて1本のギターでまかなっていたのは、ぼくとしては好ましい。彼は数曲では朗々とした歌声を聞かかせもした。

 一方、ブルースを含むアフロ〜アーシィ性を、彼は持ち合わせていない。それは濁りの感覚の欠如やコクの薄さにつながるが、彼はスカンジナビアン。別にそれを介さない行き方をとっても間違いではないだろう。確かに、彼にはある種の透明感も存在するわけだし。そういえば、彼は祖父母に贈った曲もやったが、彼のおじいちゃんはカンテレ奏者であっとそう。いやあ、らしい話だな。それから、彼がけっこうショーマンシップに富んでいることには頷く。1曲目からしゃがんで弾いて見たり、完全生音ギター演奏のもと場内を回ったりもした。そして、様々な所作から多少子供っぽいが、ナイス・ガイであることも表れる。

▶︎過去の、キム・チャーチル
http://43142.diarynote.jp/201006031539099988/
▶︎過去の、カンテレ奏者
http://43142.diarynote.jp/?month=201109 東京ジャズのmシニッカ・ランゲラン
http://43142.diarynote.jp/201511191454294398/ ミミット
 
<今日の、わあ>
 ちょいがちょーんなことあり。そのため、生活のパターンが変わり、それはライヴ三昧にもあらわれるでしょう。

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