ビアンカ・ヂスモンチ(2014年6月29日)は、父親であるエグベルト・ジスモンチのことを頭に置かないほうが楽しめると思った。だって、まさに天賦の才を持つ父親のことを横におくと、それは物たりなく感じてしまうもの。それよりもまっさらな状態で、この美形ピアニスト/シンガーに触れたほうがいいだろう。ブラジル音楽やジャズにコネクションを持ちつつ、そこからどうワープするかという彼女の作法を、そのほうがストレスなしに享受できる。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。

 前回感じた楽曲のデイヴ・グルーシン(2015年11月4日)ぽさはアンコール曲以外はなし。でも、マラカトゥ要素を入れたらしい曲では立ってトライアングルを持って奏でたり、ソロでパフォーマンスしたり(ジョビンの「ラメント」。自身、クレイジー・アレンジで、と紹介していた)と、表現の出し方はいろいろと広がった。低音の歌声の持ち主でときにスキャットも嚙ますが音程は、全般的に甘い。中央に位置する電気ベーシストも結構スキャットを嚙ますが、前回よりは頻度は減ったか? 彼のスキャットは真っ当だが、なんかヨガり声っぽく感じられてしまい、ぼくには気色悪い。年齢が一回り上の旦那であるドラマーは、今回の演奏のほうがずっと興味深かった。やっぱり随所にブラジル的因子が感じられるものであったよなあ。

▶︎過去の、ビアンカ・ヂスモンチ
http://43142.diarynote.jp/201407030943343160/
▶過去の、エグベルト・ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶︎過去の、デイヴ・グルーシン
http://43142.diarynote.jp/201511060854338289/

 次は渋谷の7th.Floorに行き、ポーランドのシンガー・ソングライターのマルツェリナのライヴを見る。生ギターを弾く二人の男性を従えてのショウ。男性陣はバスドラを踏んだり、足に鳴り物をつけていたりし、マルツェリナもピアニカを吹くときもあった。

 英語でMCした彼女は、曲も基本英語で歌う。で、これが普通に質を持ち、普通に米英のロックに触れて育ってきたことがわかる。また、ヴォーカルが印象的な声質のもと訴求力を持つもので、これが普通にアメリカに住む女性で、強いマネイジメントと契約を交わせたなら、キャラも快活だし、それなりの人気が出そうと思った。カントリーぽいのをやるわと言って披露した曲は、ブルージーな曲だった。

 その後、近くのファンキー・ヤキトリ・バーの もりげん に寄ったら、なんとライヴをやっている。ぼくが入ったときは終盤だったが、元ヒューマン・ソウルのシンガーのJay公山のショウ。自らキーボードを弾いて歌ったり、カラオケを流して歌ったり。横にはコーラスをつける若者がいて、そちらはファルセット主体。聞けば、24歳の彼は息子さんなのだとか。なんかいい図ではあったな。

<今日の、RIP>
 二人のミュージシャンの死を聞く。享年、47 歳と60歳。ともに一度だけ、インタヴューしたことがある方々で、印象が良いんだよなあ。
 ブンブンサテライツ(2002年11月16日、2005年2月6日、2008年8月10日)の川島道行さんはバルセロナから戻った翌日午後の早い時間の取材というしびれるシチュエーションだった。知人のハンサムな旦那さんに似ていて、なんか既知感をたんまり持ってしまったっけ。それから、バリトン・サックスをメインとするリードやドラム/打楽器を見目麗しく扱っていた宮本大路さん(2011年2月10日、2011年3月28日、2011年8月6日 、2012年6月30日、2013年2月22日、2014年9月7日、2015年1月9日)。この5月には「職質楽師 夢追い日記」(杉原書店)という自著をお出しになった。

▶︎過去の、ブンブンサテライツ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200502101615560000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080810
▶過去の、宮本大路
http://43142.diarynote.jp/201102121001091213/ 守谷純子オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/ ブルーノート東京オールスター・ビッグ・バンド・
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201207031354181031/ 三宅純
http://43142.diarynote.jp/201302281046506238/ 守谷純子オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/ ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ

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