恵比寿・ガーデンホール。2番目の出演者の、八代亜紀(2012年11月9日、2014年3月13日)から見る。

  クリヤ・マコト( 2010年2月17日、2010年4月15日、2013年7月12日、2015年7月23日)。アルト・サックスの本田雅人(2011年3月28日、2015年7月23日)、トランペットの中村恵介(2015年7月23日)。ウッド・ベースの塩田哲嗣(2015年9月20日)、ドラムの松山修(2010年3月26日)という面々が、八代亜紀をサポート。彼女の持ち歌なども含め、クリヤは新たにアレンジし直したのかな。サウンドは前のブルーノート東京公演よりも、ジャズぽい。そこに、八代節がヌメッとのる様は一興。じっさい客受けもよく、外国人も興味深く見れたのではないか。

▶︎過去の、八代亜紀
http://43142.diarynote.jp/201211170926496101/
http://43142.diarynote.jp/201403151023031434/
▶過去の、クリヤマコト
http://43142.diarynote.jp/201002191112552825/
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201307160734103127/
http://43142.diarynote.jp/201507251003319800/
▶過去の、本田雅人
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201507251003319800/
▶︎過去の、中村恵介
http://43142.diarynote.jp/201507251003319800/
▶︎過去の、塩田哲嗣
http://43142.diarynote.jp/201509231114291174/
▶︎過去の、松山修
http://43142.diarynote.jp/201003280551094942/

 そして、その後はまさに真打ちの出し物、なり。まず、テレーザ・クリスチーナが出てきて、生ギター奏者のカルリーニョス・セッチ・コルダスをバックに、堂々凛として歌う。現代サンバ界に彼女ありという存在だが(って、そんなにくわしいわけではないが)、歌い方のマナー、歌を超えた感情表出がとにかく豊か。そんな彼女の情に富む歌唱に触れて、ここにブラジルの美空ひばりがいるとぼくは唐突に思ってしまったもの。フレキシブリティに富み、いろんな設定のアルバムを出している彼女、新作はサンバ表現のV.I.P.であるカルトーラ・トリビューション盤だが、カルトーラ曲もめっぽう味わい深い。

 そんなクリスティーナの30分ばかしのパフォーマンスが終わると、切れ目なしにカエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)がステージに出てくる。そして、ギター弾き狩りを悠々と繰りひろげる。メロウと言うしかない歌声もよく出ているし、やはりちょっとした仕草がチャーミング。74歳だが衰えていると感じるところは皆無で、ブラジルというコアとつながった現代ポップ・ミュージックの最たる至宝の一挙一動に引き込まれる。まあ、座ってパフォーマンスしていたので、下半身はあまり見えなかったが、本当夢のような時間を享受。さすが熱心なファンが来ているようで、曲が始まると拍手やどよめきなどが起こる。また、カエターノの求めに従って、シング・アロングとなる曲もあり。場内が、普通じゃない音楽空間になっていたのは間違いない。アンコールではクリスチーナたちも出てきて、和気藹々と共演。ヴェローゾは90分ほどステージ上にいて、言葉をこえた素敵を開示。うーん、もうこんな人はこの後、出てくることか。

▶︎過去の、カエターノ・ヴェローゾ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/

<今日の、会場>
 カエターノ人気で、この日のチケットは売り切れ。当日券発売もなしということで、場内はどんだけ混むんだかと戦々恐々。そしたら、なにげにギチギチという感じではなく、主催者側の良識を感じた。ま、根本的なことを言えば、スタンディングで提供される催しながら、基本出演者はスタンディング向きではないのではあるが。でも、着席スタイルだと端の席に座っていない限り、容易に飲み物を買いには行けなくなるわけで……。お酒については、プラコップではなくちゃんとグラスでサーヴしているのは、値段は少し高めだが、うれしかった。ただし、ヴェローゾの最中に買おうとしたさいは赤ワインはすでに売れ切れ。代わりに購入した白ワインは注ぎ置きしたもので、温ぬる。それには、大バツを。
 ところで、約1ヶ月前にスイス大使館でこの音楽フェスに向けてのパーティがあったのだが、新任のスイス大使は、このフェスのことを語るのに、その創始者のクロード・ノブの名前も織り込まれるディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の歌詞を引用。彼、ぼくと同じような世代なのかな。その際、大使公邸にしつらえられたDJセットはトーレンスのターン・テーブルをはじめハイエンド・オーディオで組まれていて、笑った。それで回す須永辰緒は、敏感すぎると言っていた。司会をしていたのは、ブライアン・バートン・ルイス。ものすごく久しぶりに言葉をかわす。

コメント