アルザマンは1984年キューバ生まれ、フロリダ州マイアミ育ちのジャズ・ピアニスト(2013年8月18日)。2010年代に入った頃から、NY現代ジャズの最たる主たるテレンス・ブランチャード(2005年8月21日、2009年3月26日、2013年8月18日)のグループに起用され、注視される存在となった。 

 これまで出したアルバムは、2枚。ともにリズム・セクションはマレーシア出身の女性コントラバス奏者のリンダー・オーとプエルトリコ人ドラマーのヘンリー・コール(2011年11月25日、2014年4月16日)を起用するとともに、両盤ともにストリングス・カルテットを起用。特に、2作目のアーティストシェア経由の2014年ブルーノート盤『Rhizome』は全面的に弦カルテットの波を前に出した魅惑の一作で、彼が映画音楽に進んでいるのも納得できる仕上がりとなっている。

 今回、予算的にもストリングス・カルテットを連れてくるのは無理だろうが、リズム・セクションも過去のアルバムでは関わりのなかった人たちを同行させる。で、それが現NYジャズ界からトム・ヨーク((2001年10月4日、2004年4月18日、2008年10月4日)的味を持つシンガーとして引っ張りだこのベーシストのアラン・ハンプトン(2014年8月7日)とタブラ演奏取り込み派として知られるドラマーのダン・ワイス(持ってきていたらしいが、この晩はタブラを用いず)。また妙な人選をしてきたなーという感じではあったが、結果的にはこの編成は成功とは言えず。あまり、有機的なインタープレイがなかった。

 だが、それ以上にアルザマンの演奏にそれほど閃きが存在しなかったのはいささか謎。時々クラシック調の調べを入れたというのはともかく(基本そういうこと、ぼくは嫌い)、ぼくの彼に対する評価の高さを逆説的にライヴに接しながら、ぶりぶり感じてしまったなー。1曲、少しくだけてキューバ曲もやり、アンコールは少し純度が高くなるピアノ・ソロを披露した。ぼくは次回の来日ももちろん見たいと思う。いかにもケンカが弱そうなアルマザン君、ぼくを驚かしてくれることを期待する。

 なお、アルマザンのワーキング・バンドのリンダ・オーは現在、パット・メセニー1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)のグループに入ってしまっている。だから、来ることができないのかと思えば、今メセニーはなぜかロン・カーター(2001年6月7日、2004年1月14日、2010年5月6日、2011年1月30日、2012年3月3日、2012年12月11日、2014年1月19日、2014年9月7日)とデュオでツアー中。そして、そのデュオが東京ジャズではクリスチャン・マクブライト(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日、2014年9月7日)とのものになり、それを終えると、リンダ・オーたちを擁するグループで来年にかけてツアーに出る。

▶︎過去の、ファビアン・アルマザン
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
▶過去の、テレンス・ブランチャード
http://43142.diarynote.jp/?day=20050821
http://43142.diarynote.jp/200903271727246000/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
▶︎過去の、アラン・ハンプトン
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
▶過去の、トム・ヨーク/レディオヘッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200404180058130000/
http://43142.diarynote.jp/200810061856366600/
▶︎過去の、ヘンリー・コール
http://43142.diarynote.jp/201111281001329390/
http://43142.diarynote.jp/201404191143506158/
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶過去の、ロン・カーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200401140000000000/
http://43142.diarynote.jp/201005071023536171/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201212141028575543/ 
http://43142.diarynote.jp/201401221302405299/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
▶過去の、クリスチャン・マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/

 その後は、元フェアグランド・アトラクション(今、このヒット・バンドの名を出すことがどのぐらい有効なのだろうか。とはいえ、ファンの多くはその頃から聞いている人であるとも思えるが)で名を成したスコティッシュ歌手であるエディ・リーダーを(2002年3月20日、2009年9月10日、2013年3月29日)見る。六本木・ビルボードライブ東京。ギター、ピアノ、アコーディオン、ギター2、ウッド・ベース、ドラムというバンドがつく。ギターの1人は1曲自ら歌うば面を与えられたブー・ヒューワディーン(1999年6月8日、他)であり、もう1人の方(ウクレレもけっこう弾く)は旦那のトラッシュキャン・シナトラズ(2009年7月25日)のジョン・ダグラスだ。

 イングランドでもアイルランドでもない、スコットランドの大人のアコースティック・ポップ・ロック表現を臨機応変にいろいろと届ける。やはり、彼女の歌は秀でた味を持つよな。そして、気心の知れたミュージシャンたちに囲まれて、リーダーさん、生理的に弾けていた。もともとそういう奔放さが前に出るステージ運びを見せていたが、今回はより天真爛漫というか、自分の襞を無防備に出すというか。それ、初めて見る人だと楽屋落ち的な身内感を覚えて違和感を感じるかもしれないが、ファンだとそれに接しないと彼女のショウを見た気にならないという気持ちになるか。また、そうしたフレンドリーなはっちゃけ具合は日本人奏者を屈託なくステージに呼び込むことでも示される。ぼくが見たショウではウクレレを持った青年が出た。その際のバンドの面々の態度もファミリアないい人たちな所がおおいに出る。

 彼女の体裁を繕わない生理としてのイケイケは、ジャズで言うところのクォテーションのようなものを鼻歌キブン思うまましちゃうあたりにも現れる。ある曲のエンディングでは日本の童謡の「うさぎ」やサッチモの「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」もちょい歌ったり。また、歌が上手だったけどシャイだっとお母さんの真似ということで、「ムーン・リヴァー」を歌った。

▶︎過去の、エディ・リーダー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
http://43142.diarynote.jp/201303300751524201/
▶︎過去の、ブー・ヒューワディーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
▶︎過去の、トラッシュキャン・シナトラズ
http://43142.diarynote.jp/200908180045212538/

<今日の、飲み物>
 レッドブルは効きますよ。と、言う人と、なぜかこの2週ほどの間に3人(20〜50代)も会った。オロナミンCみたいなものとしか思えず(実際、タイの飲料を元に、オロナミンCも研究したという話を聞いたことがあるような)、ぼくは気休め飲み物でしかないと思っていた。が、その3人の方々は、他の栄養ドリンクとは全然効き目が違うと、まるでメイカーの宣伝員のようなことを真顔でのたまう。そのうち、もう一度試してみようか。しかし、スポーツ関連をはじめいろんなことにお金を出していて、利益率はとっても高いんだろうな。というのはともかく、同社は世界的に一番有名なオーストリアの企業ということになるだろう。

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