リサ・シモン。シャイ・マエストロ・トリオ
2016年6月11日 音楽 南青山・ブルーノート東京で、リサ・シモンを見る。巨星ニーナ・シモンの娘さん。1962年生まれの彼女、あららこんな人なのか。そんなに大きくなく(1960センチ欠けと言った感じか)、太ってもおらず、髪型はブレイズ。で、重厚なイメージのあった母と異なり、かなり快活で開放的(MCや仕草はけっこうはじけていた)。また、幽玄というイメージも持つニーナと事なり、彼女は陰影には欠け、もっとストレート。けれん見なく、デカい声で堂々歌う。わーそうなの、という感じはあったな。
サポートはギターのエルヴェ・サム、かつては米国に住みカサンドラ・ウィルソン・バンドにいたこともあった縦/電気ベースのレジー・ワシントン、ドラマーのソニー・トゥルベ。その3人はリサ・シモンの(たぶん2作目となる)2016年新作『My World』でもがっつりサポートしていた奏者たち。彼らは肌の濃い人たちで、ワシントンがベルギー在住で、他の2人はフランス在住。ニーナもお母さんが住んでいた南仏の家に住んでいる。そういえば、彼女が前に日本に来たのは母の1973年公演について来たときとか。ドラマーはソロのパートでマルチニーク色が出たような気がしたが、彼ら3人(みんなコーラスを付けるのがいいナ)は秋に出るジャック・シュワルツバルト(2010年10月12日)制作の小沼ようすけ(2004年11月30日、2010年10月12日、2011年3月28日、2011年3月31日、2011年7月25日、2013年7月1日、2014年2月5日)のパリ録音作に入っているという。
快活でヒューマンな、大人のヴォーカル・ミュージック。ヴォーカルに関してはほとんどジャズの要素はないが、覇気と真心あり。本編最後には、彼女は笑顔で場内を回り、お客と握手しまくる。そして、アンコール登場時には疾走し、ステージに上がる。
▶︎過去の、ジャック・シュワルツバルト
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
▶過去の、小沼ようすけ
http://43142.diarynote.jp/200412111738540000/
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
http://43142.diarynote.jp/201104041101072561/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110725
http://43142.diarynote.jp/?day=20130701
http://43142.diarynote.jp/201402071150071550/
続いて、丸の内・コットンクラブで、イスラエル人ピアニストのシャイ・マエストロ(2012年3月12日、2016年1月4日)のトリオを見る。すばらしいジャズ・ピアノ流儀、ピアノ・トリオ流儀に満ちた公演だったな。ちょいいやらしい言い方になるが、誰にでもその真価が分かる内容ではないだろう。愉悦を覚えた。
まずへえっと思ったのは、ステージ上の楽器配置。ピアノがステージ背面に向かって後ろ向き斜めに置いてある。こりゃ、ピアノの鍵盤〜指さばきの様がよく見える。とっても演奏理解を高める。また、ドラムは中央に向かい横に向いていた。それから、もう一つは、マエストロがけっこうとっぽい人だったこと。ジャズ・マンの中では比較的お洒落と言えそうな彼だが、しゃべり口も人なつこい。
多くの曲はマエストロのソロの演奏で始まる。なんか、それだけでイケてる独自のピアノ流儀があふれるわけで、このままソロで行ってェとそれは思わせるものでもあるのだが、そこにベースとドラムが入ると、そのピアノ表現は有機的に広がっていき……。お見事、ここには個性と審美眼の在する現代ピアノ表現があると思わせられる。ペルー出身のホルヘ・ローデル(2011年7月20日)とリー・コニッツ(2013年9月7日)のグループにも入っているドラムのジヴ・ラヴィッツ、いいリズム陣だな。ドラマーはシンバルをこすったりマレットで叩いたりしていたが、サウンドにわあああという広がりを与えるそれ、音質/音量ともにパーフェクト。びっくりした。マエストロも曲の途中までは柔らかく弾いているが、インタープレイが加熱していくととっても強靭なリストの持ち主と感嘆させる奏法になったりして、その振り幅は美しすぎる。
▶︎過去の、シャイ・マエストロ
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
http://43142.diarynote.jp/201601050914043127/
▶︎過去の、ホルヘ・ローデル
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
▶︎過去の、リー・コニッツ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130907
<今日の、Poo>
この5月に出た故 菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)のECM第2作『黒いオルフェ〜東京ソロ2012』をやっと聞く。なんか、半端な状態で聞いてはいけないような気がして、そして聞いたら何か重要なものが霧散してしまうような気がして、今まで聞かずにいたのだ。でも、やっと昼間に落ち着いた心持ちのもと、相当な音量でかけた。散文の菊地雅章文体、いくら大音量でかけても、生理的な音量は大きくならない。音珠が宙に溶けていく……。タイトルにあるように、東京文化会館小ホールでの演奏(2012年10月26日)をまとめたもの。あのときの現場で得た印象とは異なるところもある。2部からもってきた曲のほうが多いのだろうか。原文ライナーノーツはザ・バッド・プラス(2003年8月1〜2日、2004年5月13日、2005年8月29日、2008年2月20日、2011年3月9日、2013年11月20日、2014年10月31日)のイーサン・アイヴァーソンが担当。日本人と米国人の感じ方の違いもあるだろうが、ウーム。<A real old-school egocentrical 20th-century artist of the highest older.>という記載はそうだと思うが、プーさんは一方でお茶目で、憎めない(甘えん坊的な)側面を持つ人であったという印象をぼくは持つ。ともあれ、プリンスと比肩すべき才を持っていた彼のプロダクツは永遠に残る。。。。
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
▶過去の、ザ・バッド・プラス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200405101355540000/
http://43142.diarynote.jp/200509011126570000/
http://43142.diarynote.jp/200802212249200000/
http://43142.diarynote.jp/201103171347055826/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201411101736494912/
サポートはギターのエルヴェ・サム、かつては米国に住みカサンドラ・ウィルソン・バンドにいたこともあった縦/電気ベースのレジー・ワシントン、ドラマーのソニー・トゥルベ。その3人はリサ・シモンの(たぶん2作目となる)2016年新作『My World』でもがっつりサポートしていた奏者たち。彼らは肌の濃い人たちで、ワシントンがベルギー在住で、他の2人はフランス在住。ニーナもお母さんが住んでいた南仏の家に住んでいる。そういえば、彼女が前に日本に来たのは母の1973年公演について来たときとか。ドラマーはソロのパートでマルチニーク色が出たような気がしたが、彼ら3人(みんなコーラスを付けるのがいいナ)は秋に出るジャック・シュワルツバルト(2010年10月12日)制作の小沼ようすけ(2004年11月30日、2010年10月12日、2011年3月28日、2011年3月31日、2011年7月25日、2013年7月1日、2014年2月5日)のパリ録音作に入っているという。
快活でヒューマンな、大人のヴォーカル・ミュージック。ヴォーカルに関してはほとんどジャズの要素はないが、覇気と真心あり。本編最後には、彼女は笑顔で場内を回り、お客と握手しまくる。そして、アンコール登場時には疾走し、ステージに上がる。
▶︎過去の、ジャック・シュワルツバルト
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
▶過去の、小沼ようすけ
http://43142.diarynote.jp/200412111738540000/
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20110725
http://43142.diarynote.jp/?day=20130701
http://43142.diarynote.jp/201402071150071550/
続いて、丸の内・コットンクラブで、イスラエル人ピアニストのシャイ・マエストロ(2012年3月12日、2016年1月4日)のトリオを見る。すばらしいジャズ・ピアノ流儀、ピアノ・トリオ流儀に満ちた公演だったな。ちょいいやらしい言い方になるが、誰にでもその真価が分かる内容ではないだろう。愉悦を覚えた。
まずへえっと思ったのは、ステージ上の楽器配置。ピアノがステージ背面に向かって後ろ向き斜めに置いてある。こりゃ、ピアノの鍵盤〜指さばきの様がよく見える。とっても演奏理解を高める。また、ドラムは中央に向かい横に向いていた。それから、もう一つは、マエストロがけっこうとっぽい人だったこと。ジャズ・マンの中では比較的お洒落と言えそうな彼だが、しゃべり口も人なつこい。
多くの曲はマエストロのソロの演奏で始まる。なんか、それだけでイケてる独自のピアノ流儀があふれるわけで、このままソロで行ってェとそれは思わせるものでもあるのだが、そこにベースとドラムが入ると、そのピアノ表現は有機的に広がっていき……。お見事、ここには個性と審美眼の在する現代ピアノ表現があると思わせられる。ペルー出身のホルヘ・ローデル(2011年7月20日)とリー・コニッツ(2013年9月7日)のグループにも入っているドラムのジヴ・ラヴィッツ、いいリズム陣だな。ドラマーはシンバルをこすったりマレットで叩いたりしていたが、サウンドにわあああという広がりを与えるそれ、音質/音量ともにパーフェクト。びっくりした。マエストロも曲の途中までは柔らかく弾いているが、インタープレイが加熱していくととっても強靭なリストの持ち主と感嘆させる奏法になったりして、その振り幅は美しすぎる。
▶︎過去の、シャイ・マエストロ
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
http://43142.diarynote.jp/201601050914043127/
▶︎過去の、ホルヘ・ローデル
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
▶︎過去の、リー・コニッツ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130907
<今日の、Poo>
この5月に出た故 菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)のECM第2作『黒いオルフェ〜東京ソロ2012』をやっと聞く。なんか、半端な状態で聞いてはいけないような気がして、そして聞いたら何か重要なものが霧散してしまうような気がして、今まで聞かずにいたのだ。でも、やっと昼間に落ち着いた心持ちのもと、相当な音量でかけた。散文の菊地雅章文体、いくら大音量でかけても、生理的な音量は大きくならない。音珠が宙に溶けていく……。タイトルにあるように、東京文化会館小ホールでの演奏(2012年10月26日)をまとめたもの。あのときの現場で得た印象とは異なるところもある。2部からもってきた曲のほうが多いのだろうか。原文ライナーノーツはザ・バッド・プラス(2003年8月1〜2日、2004年5月13日、2005年8月29日、2008年2月20日、2011年3月9日、2013年11月20日、2014年10月31日)のイーサン・アイヴァーソンが担当。日本人と米国人の感じ方の違いもあるだろうが、ウーム。<A real old-school egocentrical 20th-century artist of the highest older.>という記載はそうだと思うが、プーさんは一方でお茶目で、憎めない(甘えん坊的な)側面を持つ人であったという印象をぼくは持つ。ともあれ、プリンスと比肩すべき才を持っていた彼のプロダクツは永遠に残る。。。。
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
▶過去の、ザ・バッド・プラス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200405101355540000/
http://43142.diarynote.jp/200509011126570000/
http://43142.diarynote.jp/200802212249200000/
http://43142.diarynote.jp/201103171347055826/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201411101736494912/
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