ハーヴィー・メイソン“カメレオン”
2016年4月5日 音楽 “カメレオン”とは、ハービー・ハンコック(2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日、2014年9月7日、2015年9月6日)の1973年転換作『ヘッド・ハンターズ』に収録されていたファンク・アンセム。そして、LA在住大御所ドラマーのハーヴィー・メイソン(2002年8月11日、2010年7月9日、2011年6月21日、2013年5月10日、2014年5月28日)は無名の時代に同作に参加し、一気に注目を浴びた。結局、ハンコックのヘッドハンターズ(アルバム名は“ナカグロ”が入り、ブループ名の場合は“ナカグロ”なしとなる)には1作しか関わらなかったものの、その黄金曲をネタにしようとする出し物をここのとろやっていて、今回が3回目となる。しかし、そこはマンネリ〜レトロになるのを避けようと、メイソンは今の勢いや輝きを持つサイド・マンを擁する。メイソンと同じLA居住者が中心で、かつてウェスト・ロンドン派として名をはせたマーク・ド・クライヴ・ロウ(ピアノ、キーボード、装置)、カマシ・ワシントン(2014年5月28日、2015年10月31日)一派ににいるテナー・サックスのキース・マッケリーとウッド・ベースのマイルス・モズレー(2015年10月31日)、そしてフランス人DJのDJゴーストというのが、今回の同行者だ。
というわけで、大人気作『ヘッド・ハンターズ』というフックを借りた、メイソンの若手をまとめての現況報告会と言うこともいえるか。考えてみれば、ハンコックの『ヘッド・ハンターズ』もリード奏者のベニー・モウピン以外の面々は新進だったわけで、そのあり方をここでメイソンは流用していると言えないこともない。
途中からどんどん、おもしろくなる。ああ、今っぽいジャズ演奏のあり方だとも思わせられたな。クライヴ・ロウはピアノにもエフェクターをとおし、EWIもときに吹くマッケリーは確かな吹き口をみせ、変な色のアコースティック・ベースを持つモズレーは音質は少しちゃらいがアルコ弾きも達者にこなしつつ表現をささえ、DJゴーストは全然かったるくなくジャズ・セッションの一員であることをまっとうする。ヴェテランとの今の流儀を持つジャズ奏者との、笑顔の、ときに意気をもってのやりとり。肝心のメイソンのドラミングはぶっちゃけ、少し古くさい。だが、アイコン的な人がいてこそなりたつ妙味やおいしい回路のようなものもあっただろう。
見事に“ヘッドハンターズ”を通らない内容の実演、とも言えた。実はヘッドハンターズがらみの好スロウ「バタフライ」(『スラスト』収録なので、メイソンはオリジナルには不関与)と「カメレオン」は演奏したことはしたのだが、ちゃんと5人のやりとりや工夫を経た結果のオリジナルから相当に変質させたものになっていて、おおいにうなずく。原曲再演を求めた人がいたなら、さぞ寂しかったろう(笑い)。アンコールのマイルス・デイヴィス曲「ソー・ホワット」もあの有名リフをほぼスルーする行き方でクール! DJゴーストはマイルスの肉声を差し込んでいた。あ、ミルト・ジャクソンやボビー・ハッチャーソンからマーカス・ミラーまでけっこうジャズ系奏者に人気のザ・スタイリスティックス(2015年12月27日)の名曲「ピープル・メイク・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド」も演奏したが、わりとそれは素直にやった。
▶過去の、ハービー・ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
▶過去の、ハーヴィー・メイソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-8.htm 8月11日、トム・スコット
http://43142.diarynote.jp/201007110625087085/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110621
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
▶過去の、ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
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http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150906
▶過去の、マーク・ド・クライヴ・ロウ
http://43142.diarynote.jp/200603100922500000/
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
http://43142.diarynote.jp/201511040742444324/
▶過去の、マイク・モズレー
http://43142.diarynote.jp/201511040742444324/
▶︎過去の、ザ・スタイリスティックス
http://43142.diarynote.jp/201601041735456365/
<今日の、記憶>
ものすごく前に一度、マーク-ド・クライヴ・ロウにインタヴューしたことがある。まだ、ロンドンに行く前(もうすぐロンドンに拠点を移すと言っていた)で、そのころは東京で活動をしていた。お母さんが日本人の彼、日本語も普通に話したんじゃなかったか。その質疑応答を出した雑誌をはなんだったけなー? ぜんぜん覚えていない。思うまま拠点を移しつつ、ちゃんと自分を出せる活動を維持していて、うれしく思いました。
というわけで、大人気作『ヘッド・ハンターズ』というフックを借りた、メイソンの若手をまとめての現況報告会と言うこともいえるか。考えてみれば、ハンコックの『ヘッド・ハンターズ』もリード奏者のベニー・モウピン以外の面々は新進だったわけで、そのあり方をここでメイソンは流用していると言えないこともない。
途中からどんどん、おもしろくなる。ああ、今っぽいジャズ演奏のあり方だとも思わせられたな。クライヴ・ロウはピアノにもエフェクターをとおし、EWIもときに吹くマッケリーは確かな吹き口をみせ、変な色のアコースティック・ベースを持つモズレーは音質は少しちゃらいがアルコ弾きも達者にこなしつつ表現をささえ、DJゴーストは全然かったるくなくジャズ・セッションの一員であることをまっとうする。ヴェテランとの今の流儀を持つジャズ奏者との、笑顔の、ときに意気をもってのやりとり。肝心のメイソンのドラミングはぶっちゃけ、少し古くさい。だが、アイコン的な人がいてこそなりたつ妙味やおいしい回路のようなものもあっただろう。
見事に“ヘッドハンターズ”を通らない内容の実演、とも言えた。実はヘッドハンターズがらみの好スロウ「バタフライ」(『スラスト』収録なので、メイソンはオリジナルには不関与)と「カメレオン」は演奏したことはしたのだが、ちゃんと5人のやりとりや工夫を経た結果のオリジナルから相当に変質させたものになっていて、おおいにうなずく。原曲再演を求めた人がいたなら、さぞ寂しかったろう(笑い)。アンコールのマイルス・デイヴィス曲「ソー・ホワット」もあの有名リフをほぼスルーする行き方でクール! DJゴーストはマイルスの肉声を差し込んでいた。あ、ミルト・ジャクソンやボビー・ハッチャーソンからマーカス・ミラーまでけっこうジャズ系奏者に人気のザ・スタイリスティックス(2015年12月27日)の名曲「ピープル・メイク・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド」も演奏したが、わりとそれは素直にやった。
▶過去の、ハービー・ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
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http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
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▶過去の、ハーヴィー・メイソン
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▶過去の、ハンコック
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▶過去の、マーク・ド・クライヴ・ロウ
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▶︎過去の、カマシ・ワシントン
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▶過去の、マイク・モズレー
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▶︎過去の、ザ・スタイリスティックス
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<今日の、記憶>
ものすごく前に一度、マーク-ド・クライヴ・ロウにインタヴューしたことがある。まだ、ロンドンに行く前(もうすぐロンドンに拠点を移すと言っていた)で、そのころは東京で活動をしていた。お母さんが日本人の彼、日本語も普通に話したんじゃなかったか。その質疑応答を出した雑誌をはなんだったけなー? ぜんぜん覚えていない。思うまま拠点を移しつつ、ちゃんと自分を出せる活動を維持していて、うれしく思いました。
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