下北沢・Com.Café音倉で、日本人の箏のプレイヤーと、ヴェトナム人シンガーが共演する出し物を見る。2人とも、フランスに拠点を置いている。

 サイゴンで生まれ1988年から渡仏したというフン・タンについては、何気にジャズ側から知られているだろう。同じくフランスをベースに活動するヴェトナム系感性派ギタリストのグエン・レといろいろと重なり、独アクト・レーベルからも何作かアルバムを彼女は出しているからだ。そんなフン・タンは近年アジア人女性4人からなるカムキティワというグループも持っていて、日原はその一員(そちらでは、三味線も弾く)であるとともに、フン・タンと彼女は2人でパフォーマンスもしているという。今回の出し物は、それを基に置くもののよう。最初から最後まで、2人は和気あいあいとお手合わせする。彼女たちは意志の疎通はフランス語でやっていた。

 基本はヴェトナム(北も南も中央も)のトラッドを取り上げ、フン・タンは魅力的な抑揚と声質を持つ歌を歌う。それが持つもやもやはやはり絶対的。ヴェトナム語で歌っているのだろうけど、曲紹介によると、純なラヴ・ソングが多そう。そして、その個のある歌唱/楽曲に沿い、日原が創意を持って箏の演奏を加える。その日原の演奏はかなり巧み。ちゃんとあの楽器の持ち味を理解したうえで、箏という範疇を超えている音を送り出していて、手練だ思わせるし、日本の外に出ていくのも皮膚感覚で納得させる。

 ヴェトナム曲に沖縄的な色を加えた場合もあり、この晩のパフォーマンス用に日本の歌(名前失念)や「上を向いて歩こう」を披露したりもした。日原もちょい歌うと存在感あり。そんな2人に触れていて、豪快というかB型ぽさを覚えた? そんな2人はとても仲が良さそう、信頼しあっている感じがあるのも良かった。

<今日の、覚え書き>
 会場の、知人率高し。関係ないが、オーネット・コールマン(2006年3月27日)のもとから巣立った父親を持つニーナ・チェリーがこんなコールマン追悼文を書いていたとは→http://www.theguardian.com/music/2015/dec/27/ornette-coleman-remembered-by-neneh-cherry-jazz-saxophonist  知人から教えてもらった。話は飛ぶが、末期がんのバーニー・ウォーレル(2007年8月7日、2011年8月12日、2012年7月27日、2013年1月30日、2014年10月28日)はプロダクツをまとめんと、クラウド・ファウンディングを募っている。→https://www.indiegogo.com/projects/bernie-worrell-retrospectives#/
オーティス・クレイ(2006年7月23日。1942年生まれ)が、8日に心臓発作でお亡くなりになった。

▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
▶過去の、バーニー・ウォレル
http://43142.diarynote.jp/200708051740450000/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
http://43142.diarynote.jp/201208091303253665/
http://43142.diarynote.jp/201301311053069360/
http://43142.diarynote.jp/?day=20141028
▶過去の、オーティス・クレイ
http://43142.diarynote.jp/200607281032040000/

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