個を持つ日本人とアルゼンチン人のシンガー・ソングライターが、カップリングされた公演。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。

 まず、クラムボン(2007年9月24日)の原田郁子(2009年11月1日、2011年4月6日)が、スティール・パンから効果音までいろんな音を出すシネマ・ダブ・モンクスの曽我大穂を伴って、ショウをする。基本は、ピアノを弾きながらの、ゆったりパフォーマンス。天衣無縫、もわもわした誘いアリ。なるほど、ヴォーカルが抑揚に富み、ファルセットの用い方が絶妙。きっちり引力を持つように、その作法は計算されているナと頷く。一応、両者対等の公演と告知されていたが、「大好きなファナ・モリーナさんの前座をやらせてもらいます」という謙譲MCを彼女はする。30分、演奏した。関係ないけど、彼女の髪はBoyでやっているのかな?

 その後、少しの間をあけて、ファナ・モリーナ(2002年9月7日、9月15日。2003年7月29日、2011年8月1日、2013年12月3日)と2人の男性が出てくる。まだ20代だろうキーボード奏者(一部はギターも手にする)とドラマーは前回の来日メンバーと同じ。そして、ショウが始まった途端に、そのクールにして先鋭的な味に大きく頷く。3人の噛み合いがより密接になり、確固とした妙味はさらにシャープかつ濃厚に押し出すようになったと、しっかりと思えた。その前のほんわかした原田のテイストとの差で、余計に鮮やかにモリーナの持ち味が伝わったのは疑いがない。その差異、自然豊かな場所にあるコンテンポラリーな日本家屋と、新しい発想や建材を駆使した先端構築物という感じ……?

 ファナはサンプラーやギターを扱い、歌う。あたまのほう、ドラマーはパッドを叩くことでビートを送り出す。なるほど、生ドラム音じゃないほうが、その尖った総体を持ち上げると思えたか。それは、R&Bのショウで生ベースではなく鍵盤ベースを意識的に用いるのと同様? そして、感心せざるを得ないのは、冷淡な情緒を持つのに、一方ではしっかりと肉体性も存在していること。ショウが進むにつれて、それはどんどん増すようになり、ジョルジ・ベンジオール(2014年7月21日、2014年7月23日)の名アフロ・ファンク曲「ポンタ・ヂ・ランサ・アフリカーノ」のサイバー版、もしくはトーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』エキゾ版と言いたくなるものを感じたりもした。ふむふむ、アフリカ経由土着性と現代都市環境感覚の拮抗を求めたコンゴトロニクスvs.ロッカーズ(2011年8月1日)に彼女が呼ばれたのも当然と思わせられたか。こちらは40分強やったのかな。ファナ・モリーナは、今のサンプラー使用ポップ・ミュージックの前線に位置すると、しっかり思わせられた。

 そして、アンコールはアルゼンチン人3人と日本人2人が一緒にやる。1コードの音の波に、原田とモリーナが声を投げ出した。

▶過去の、クラムボン
http://43142.diarynote.jp/200709261218590000/
▶過去の、原田郁子
http://43142.diarynote.jp/200911021429368036
http://43142.diarynote.jp/201104091623415118/
▶過去の、ファナ・モリーナ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110801 コンゴトロニクスvs.ロッカーズ
http://43142.diarynote.jp/201312171240301597/
▶過去の、ジョルジ・ベンジオール
http://43142.diarynote.jp/201407221737554384/
http://43142.diarynote.jp/200809081534510000/
http://43142.diarynote.jp/201407261219061857/
▶過去の、トーキング・ヘッズ関連
http://43142.diarynote.jp/200901281359552953/ デイヴィッド・バーン
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/ トム・トム・クラブ

<今日の、失敗>
 昨日5日は降雪の報が出ていて、何より4日から寒いこともあり、終日外出しないことを決めた。で、ここのところ十分に睡眠を取っているという思いもないので、一念発起し(?)、21時すぎに就寝。すぐに寝ることができたのだが、やはり体がびっくりしたのか、午前1時前に目が醒めてしまう。せっかちなので、基本二度寝はできないタイプであるのが、悲しい。これは飲みに行けということなのだなとは思ったものの、寒くて外出する気がおこらず。それで、原稿書きをしょぼしょぼ始めちゃい、仕事だけは進む……。朝食はゆっくりと摂りつつ、たらふく食べてしまい、9時ぐらいにはあァダルいとベッドへ。そして、目が覚めたら、16時半。うひい、これで昼夜が完全に逆転してしまうー。いくら朝方まで飲んでもちゃんと起きて机に向かう品行方正なぼくにとって、それは日常でイヤなことのトップ項目であるのに。泣泣泣。夜遊びしないと、ロクなことがない。ああ、来週は昼間に4本のインタヴュー仕事が入っていて、ボロボロになっちゃいそう。

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