英国と日本の、黒人音楽愛に満ちた、新旧の担い手の公演をはしごする。ともに、会場は大盛況。

 まず、恵比寿・リキッドルームで元ドクター・フィールグッドのウィルコ・ジョンソン(2000年11月20日、2011年4月7日)のトリオ。彼は2013年アタマに末期の膵臓癌であることが公表されたものの、来日。そして、なんと今年もやってきた。

 驚きました。いろいろと外に出ないものがあると思われるが、とっても元気、溌剌。ギターは切れがあるし、甲高い歌声はよく通るし、動きもシャープ。少なくても、2011年春に見た際より、あらゆる観点で、力があり、エモーショナルだと、思えた。それは、ぼくのほうにこれが最後かもしれぬという思いがあるからかとも思えたが、途中から、いいや、今の彼はとんでもなく充実していると、結論を下す。遠目には、顔も輝きに満ちていたし、66歳という年齢よりも若く感じた。

 基本タイトなビートのもとブルージィに、曲によってはレゲエのアクセントも介して。しかし、ピックを用いない、そのギター奏法はやはりとてもアトラクティヴ。カッティングしているときと同じような右手の動きで単音ぽい音も出しちゃうのは、ジョンソンならではの名人芸。そんな彼は黒のテレキャターを持ち、そのピック・ガードは赤で、シールドも赤。格好は黒のシャツとパンツでまとめていたが、シャツのポケットに赤色のチーフを無造作にいれていたら、ぼくはもっとヤラれたろう。

▶過去のジョンソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/201104091624579670/

 そして、六本木・ビルボードライブ東京で、日本のロッキン・ソウル・バンドであるTHE BAWDIESの実演を見る。日本武道館公演もしている彼らの1夜かぎりの、「ROCKIN’ THIS JOINT TONIGHT」と表題された特別仕立てのショウ。最初の2曲はメンバー4人でやったものの、それ以降は年齢の離れた高校の後輩でもあるという、OKAMOTO’Sのハマ・オカモトがベース奏者として加わり、ベースを弾きながらリード・シンガーをするROYは歌に専念。また、曲によっては、いつもTHE BAWDIES の録音で弾いているというMABOが電気ピアノ/ピアノで加わる。

 R&B/ブルース曲主体カヴァー・アルバム『GOING BACK HOME』を出したばかりで、その収録曲(といっても、実演で披露して曲も少なくないのかもしれないが)を柱に自作曲を交えて披露。THE BAWDIESのオリジナル曲の歌詞も英語なので、一聴区別がつかないものもあったりするが、熱心なブラック・ミュージック愛好のすえ、そのまま英語で自作曲もやるようになったんだろうなというのはそれで良くわかる。とともに、ROYの歌声はかなり日本人離れしているが、ハウリン・ウルフ耽溺を通じて……という話には、そうかあと膝を打つ。その獰猛な歌声からワイルドなあんちゃんたちかと想像していたら、けっこう育ち良さそうなところもあって、なるほどそれは女性ファンがつきやすさにつながっているかもしれない。ともあれ、情熱と音楽愛は随所に、そこからは眩しさも生まれる。

 後半、東京スカパラダイスオーケストラ(2002年7月7日、2003年10月10日2009年5月30日、2009年9月5日)の4人のホーン奏者が出て来て、セクション音を付ける。おお、音的にも見てくれ的にもさらに華が加わる。そして、本編最後には新作にも関与していたソウル・バンドのThe Five Ravesのシンガーの青山ハルヒロが加わりサム&デイヴの「ソウル・マン」を一緒に歌う。それは熟達したソウル・マナーを存分に振りまいた“青山の曲”となっていた。ナイス・ガイっぽい彼ら、先輩を立てる体育会系でもあるのかな。

▶過去の、東京スカパラダイスオーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20090530
http://43142.diarynote.jp/200909120648439512/

<今日の、障害>
 なんか、自宅のドコモの電波状況が悪い。2回に一度は、電波が不十分というピロロピロロというアラームがなり、通話が切れはしないものの10秒ほど会話が不能となる。それ、近くの大橋ジャンクション/目黒天空庭園ができてからの障害なような気がしているのだが。

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